本書には当ブログで既に何度か触れたことがあるが、――私は小学6年生のときに、俄に昔話に興味を持って、当時既に『日本昔話大成』も出ていたのだが、老松町の図書館には所蔵されていなかったのか、受付前の広間のようなところにずらりと並んでいたカード式目録で検索して、薄い紙の請求票に書いて出納してもらって借りた『日本昔話集成』全6巻で、昔話の話型を学んだのだった。
私はもう昔話を研究しようと思っていないが、最近『信濃の民話』や『越中の民話』など、未来社の「日本の民話」シリーズを取り上げていることから昔話に触れる機会が多くなった。そうすると、やはり『日本昔話集成』の内容が分かるようにして置かないと何かと不便である。
なお『日本昔話大成』には、既に橙武者&三つ櫻のサイト「広小路_Broadstreet」の「角川書店「日本昔話大成」シリーズ目次一覧」があって内容を通覧出来るようになっており、その前段階の『日本昔話集成』の細目を示すことは歴史的な意義くらいしかないのだが、私としてはやはり歴史的変遷を確認して置きたいのである。
第一部の動物昔話から始めるべきなのだけれども、まづ全3冊を借り出して今手許に置いている第二部の本格昔話から始めることにする。
・『日本昔話集成二ノ一』昭和二十八年四月四日 初版印刷・昭和二十八年四月十日 初版發行・定 價 六五〇圓・地方賣價六六〇圓・角川書店・四八三頁・A5判上製本
1頁(頁付なし)はやや厚く白い紙の扉で標題は「日本昔話集成〈第 二 部/本格昔話〉1」である。裏は白紙。
三~七頁「自 序」、七頁5行め「一九五一・十二・一二日」と云う不思議な日付がある。
八頁「凡 例」は「十」項目。
九~一一頁「目 次」。
「十一 婚姻・美女と獸」一三~一一〇頁
一〇一A 蛇聟入・苧環型*1 一三頁4行め~三五頁5行め
一〇一B 蛇聟入・水乞型 三五頁6行め~四七頁
一〇一C 河童聟入*2 四八~五〇頁4行め
一〇二 鬼聟入 五〇頁5行め~五四頁7行め
一〇三 猿聟入 五四頁8行め~七四頁8行め
一〇四A 蛙報恩 七四頁9行め~八七頁12行め
一〇四B 蟹報恩 八七頁13行め~九〇頁12行め
一〇五 鴻の卵 九〇頁13行め~九六頁2行め
一〇六 犬聟入 九六頁3行め~九七頁13行め
一〇七 蜘蛛聟*3 九七頁14行め~九九頁12行め
一〇八A 蠶神と馬 九九頁13行め~一〇三頁9行め
一〇八B 蠶由來 一〇三頁10行め~一〇七頁
一〇九 木魂聟入 一〇八~一一〇頁
「十二 婚姻・異類女房」一一一~二〇三頁
一一〇 蛇女房 一一一頁4行め~一二四頁16行め
一一一 蛙女房 一二四頁17行め~一二八頁5行め
一一二 蛤女房 一二八頁6行め~一三二頁5行め
一一三A 魚女房 一三二頁6行め~一三六頁6行め
一一三B 魚女房 魚の形態をとつて女房となる型。一三六頁7行め~一三七頁8行め
一一四 龍宮女房 一三七頁9行め~一四五頁13行め
一一五 鶴女房 一四五頁14行め~一六一頁13行め
一一六A 狐女房・聽耳型 一六一頁14行め~一六六頁6行め
一一六B 狐女房・一人女房型 一六六頁7行め~一六九頁14行め
一一六C 狐女房・二人女房型 一六九頁15行め~一七一頁6行め
一一七 猫女房 一七一頁7行め~一七二頁10行め
一一八 天人女房 一七二頁11行め~一九六頁1行め
一一九 笛吹聟 一九六頁2行め~二〇三頁
「十三 婚姻・難題聟」二〇四~二七五頁/204
一二〇A 繪姿女房・桃賣型*4 二〇四頁3行め~二一〇頁10行め
一二〇B 繪姿女房・難題女房*5 二一〇頁11行め~二一八頁4行め
一二一 蕪燒長者 二一八頁5行め~二二五頁16行め
一二二 嫁の輿に牛 二二五頁17行め~二二八頁7行め
一二三 ぼつこ食ひ娘*6 二二八頁8行め~二三二頁6行め
一二四 蛸長者 二三二頁7行め~二三六頁10行め
一二五 博徒聟入 二三六頁11行め~二四〇頁12行め
一二六 鳩提灯 二四〇頁13行め~二四四頁7行め
一二七 蜂の援助 二四四頁8行め~二五一頁10行め
一二八 娘の助言 二五一頁11行め~二五三頁1行め
一二九 播磨絲長*7 二五三頁2行め~二六〇頁2行め
一三〇 謎解聟*8 二六〇頁3行め~二六四頁4行め
一三一 一把の藁十六把*9 二六四頁5行め~二六五頁11行め
一三二 話三荷 二六五頁12行め~二六六頁14行め
一三三 山田白瀧 二六六頁15行め~二七五頁
「十四 誕 生」二七六~三七九頁
一三四 田螺息子 二七六頁4行め~二九二頁6行め
一三五 蛙息子 二九二頁7行め~二九三頁15行め
一三六A 一寸法師・聟入型 二九三頁16行め~二九六頁12行め
一三六B 一寸法師 結末がA型と異なり一人前の男となる。二九六頁13行め~二九七頁12行め
一三六C 一寸法師・鬼征伐型 二九七頁13行め~三〇一頁15行め
一三七 拇指太郞*10 三〇一頁16行め~三〇六頁8行め
一三八 手斧息子 三〇六頁9行め~三〇九頁4行め
一三九 寅千代丸 三〇九頁5行め~三一四頁9行め
一四〇 力太郞 三一四頁10行め~三二〇頁14行め
一四一 踵太郞 三二〇頁15行め~三二二頁
一四二A 蛇息子 三二三~三二七頁9行め
一四二B 蜘蛛息子 三二七頁10行め~三二八頁6行め
一四三 桃の子太郞 三二八頁7行め~三三六頁
一四四 瓜子織姫 三三七~三六三頁6行め*11
一四五 竹の子童子 三六三頁7行め~三六五頁5行め
一四六 竹姫 三六五頁6行め~三六六頁14行め
一四七A 子育て幽靈 三六六頁15行め~三七四頁13行め
一四七B 幽靈女房 三七四頁14行め~三七五頁12行め
一四八 鷲の育て兒 三七五頁13行め~三七九頁
「十五 致 富」三八〇~四八三頁
一四九A 炭燒長者・初婚型 三八〇頁4行め~三九三頁8行め
一四九B 炭燒長者・再婚型 三九三頁9行め~三九九頁10行め
一五〇 躄長者 三九九頁11行め~四〇一頁13行め
一五一A 產神問答*12 四〇一頁14行め~四一七頁5行め
一五一B 產神問答・蛇と手斧型*13 四一七頁6行め~四二〇頁9行め
一五一C 產神問答・水の神型*14 四二〇頁10行め~四二七頁4行め
一五二 子供の壽命 四二七頁5行め~四三〇頁11行め
一五三 芋堀長者 四三〇頁12行め~四三三頁2行め
一五四 酒泉 四三三頁3行め~四三五頁4行め
一五五 藁しべ長者 四三五頁5行め~四四二頁15行め
一五六 夢見小僧 四四二頁16行め~四四七頁
一五七 山神と童子 四四八~四五二頁
一五八 夢買長者 四五三~四五八頁
一五九 だんぶり長者 四五九~四六〇頁
一六〇 味噌買橋 四六一~四六二頁
一六一 天福地福 四六三~四六九頁9行め
一六二A 金は蛇 四六九頁10行め~四七一頁2行め
一六二B 牡丹餅は蛇 四七一頁3行め~四七三頁14行め
一六三A 取付く引付く 四七三頁15行め~四七六頁8行め
一六三B 取付く引付く 四七六頁9行め~四八一頁1行め
一六三C おばつしよ 四八一頁2行め~四八三頁
番号のアルファベットはゴシック体ではなく、やや右上に寄っているが、仮にゴシック体で、大きさも漢数字と同じに示した。(以下続稿)
*1:「目次」には九頁5行め「蛇聟入・荢環型」とある。
*2:「目次」には九頁6行め「蛇聟入・河童聟入型」とある。
*3:「目次」には九頁6行め「蜘蛛聟入」とある。
*5:「目次」一〇頁5行めには「繪姿女房・難題女房型」、柱には「繪姿女房・難題女房型」とある。
*6:「目次」には一〇頁6行め「ぼつこ喰ひ娘」とある。
*7:「目次」には一〇頁9行め「播磨糸長」とある。
*8:「目次」には一〇頁9行め「謎聟」とある。
*9:「目次」には一〇頁9行め「一把の藁」とある。
*10:「目次」には一〇頁14行め「指太郞」とある。
*11:「目次」一一頁1行めには「――一四四 瓜子織姫(三三七)――一四四 天の邪鬼(三六二)――/」とある(頁は半角漢数字)。本文を見るに三六一頁16行めから活字が小さくなって型、文獻、註、參考文獻を示し、1行分空けて三六二頁9行めから小さい活字のままで「 參考 天の邪鬼 」として例話を紹介、分布として例話を含め3話を示し、最後に「 註 純粹な昔話ではないが瓜子織姫の仇役として參考のためにあげておく。」とする。そもそも「異常誕生譚」ではなく瓜子姫とも全く関係ないが、天邪鬼の話なので仮にここに挙げて置いたと云う訳で、これを目次では本項目と同等の扱いで示していたのである。
*12:「目次」一一頁6行めは「產神問各」と誤る。
*13:「目次」一一頁6~7行めは「產神/問答・蛇と手斧」。
*14:「目次」一一頁7行めは「產神問答・水の神」。