瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

みずうみ書房『昔話・伝説小事典』(2)

 2021年12月3日付「白馬岳の雪女(090)」に書影を示した、次の版を見たので2021年12月2日付(1)に略記した①『昔話・伝説小事典』と比較しつつメモして置こう。
③野村純一・佐藤凉子・大島廣志・常光徹 編『昔話・伝説を知る事典』2021年12月31日 第1版第1刷発行・定価2420円・アーツアンドクラフツ・302頁・四六判並製本
 見返し(遊紙)は桃色の上質紙、続いて黄土色で同じ紙質の扉、印刷は全て茶色で、中央上寄せにカバー表紙よりもやや縮小して標題と編者名、他に下部中央にある猿2匹の絵はカバー表紙左上の「事」の下に赤紫色で入っているものと同じでやはり縮小されている。左下に版元名が極小さく縦組みで入る。
 1~6頁(頁付なし)は「目次」で3段組。7頁(頁付なし)の上半分は「[執筆者一覧]」がごく小さく3段で、1段に8人ずつ、1人5字分で姓は上寄せ、名は下寄せ、段の間は3字分空ける。ここでは検索の便を考えて詰めて示す。「赤井武治/石井正己/伊藤清和/薄井有三/大島廣志/梶晴美/上地ちづ子/粂智子/幸野典子/近藤雅尚/財前哲也/佐々木勝/佐野正樹/高山英子/常光徹/野村純一/花部英雄/藤田尚樹/間瀬俊治/矢口裕康/山本則之/米屋陽一/和久津安史/渡辺公一」で、2頁「〔執 筆 者〕」は30名だったから6名「小川恵美子/佐藤凉子/高木史人/田畑千秋/戸塚ひろみ/土橋悦子」減っている。この点については別に検討しよう*1。下半分の「[編者]」は奥付上部の「編者紹介」を縦組みにして、氏名の間を1字分空けて括弧内の読みの氏名の間に「・」を打ち肩書を省略している。佐藤氏は執筆項目がなくなってしまったが編者には名を止めている。野村氏はが出た時点で既に死去していた。
 8頁(頁付なし)は「[凡例]」で8項目、3頁「凡  例」は7項目だったが出入りがある。これについては次回細かく検討しよう。
 9頁(頁付なし)中扉で中央上部に明朝体太字で標題。
 10~281頁、1頁1項目だから272項目と云うことになる。との項目の増減は、上記執筆者が6名減った事情と合わせて別に検討する。
 282~295頁、野村純一「日本の昔話と伝説」2段組、末尾(295頁上段15~16行め)にやや小さく「 (『昔話・伝説小事典』一九八七年、みずうみ書房刊/  所載)」とある。では項目の前、14~24頁にあって文中、立項されている語句がゴシック体になっていたが、全て明朝体である。また14頁2~5行めに、

 ここでは,わが国に行われる昔話と伝説の特性,ならににそのごく一/般的な情況について,概要を述べておきたい。個々の事象,およびそこ/での細目に関しては,すべてこれを本書収載の該当項目に委ねてある。/それぞれについて直接参照されたい。

との前置きがあったが省かれている。省かれていると云えば1頁「はじめに」がなくなっているので、本書の意図や成立の事情が分からなくなっている。別にそのような文章を新たに用意するべきだったのではないか。
 297~296頁(頁付なし)見開き「各地に伝わる昔話・伝説➊」題の下に「(括弧内の頁は、関連のある本文記載頁)」との註記。東北地方と関東地方の昔話・伝説の分布地図で陸地は灰色で隣接する道・県まで、すなわち北海道南部と甲信越それから静岡県と示してある。都県境は白い破線で示しているが甲信越静岡県の境にはない。
 299~298頁(頁付なし)見開き「各地に伝わる昔話・伝説➋」中部地方と関西地方。
 301~300頁(頁付なし)見開き「各地に伝わる昔話・伝説➌」中国地方・四国・九州、301頁左上にやや小さく(九州南部と)南西諸島、沖縄は本島と伊平屋島のみ示してあるものの、北海道と同様に昔話・伝説は採られていない。
 302頁「日本おどけ者分布図(本文44頁参照)」でこれには北海道の①繁次郎から沖縄の㉕モーイまで。右下に「(『民話と文学』第二号をもとに作成)」と註記*2
 にはこのような分布図はなく、代わりに「付 録」として「日本昔話話名一覧」と充実した「索引」があった。
 ついで奥付、裏に「好 評 発 売 中」の目録5点、(以下続稿)

*1:3月12日追記】執筆者と執筆項目数については3月11日付(7)に一覧表で示した。

*2:3月9日追記62頁左44頁「おどけ者話」項(間瀬俊治)に、11~12行め5~6行め「‥/‥。『民話と文学』第二号には二十五人|の/おどけ者分布図が作成されており(本書巻末参照)、‥/‥」とある(引用はに拠る。改行位置「|」。は横組みで算用数字とカンマ、改行位置「/」)。