瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

道了堂(20)

・新八王子市史民俗調査報告書 第2集『八王子市東部地域 由木の民俗』平成25年3月31日発行・八王子市市史編集専門部会民俗部会 編集・八王子市総合政策部市史編さん室・前付+357+(12)頁・A4判
 表紙の上部(7.9cm)を桃色地にして横組みでシリーズ名、その下に大きく縦長の明朝体太字で、右下に白い影を付けた標題。桃色地は背表紙・裏表紙にも及んでいて、背表紙には縦組みで小さくシリーズ名。以下はクリーム色地で、表紙と裏表紙は灰色で食事や生業に関する民具を中心としたイラストを細かく描き込む。背表紙には上部に標題、下部にやや小さく「八王子市」。
 桃色の見返し(遊紙)があって、本文共紙の扉には横組み、上部にシリーズ名と標題、下部に「八王子市」。
 次いでアート紙の口絵(xvi頁)、ローマ数字の頁付が小口側下部に打たれる。iv頁までカラーで大半は平成24年(2012)2~9月撮影、iv頁左下の1点のみ平成23年(2011)10月撮影、そしてiv頁左中の写真は提供を受けたものだが、ゴシック体横組みで下に添えてあるキャプションに「上柚木 多摩ニュータウン開発/による愛宕神社遷宮/昭和61年(1986)9月47日」とある(最後の1行、提供者名は割愛)が、日付がおかしい。挟み込まれている正誤表(10.4×21.0cm)に9箇所の誤りを訂正してあるが、この誤りは拾われていない。
 v頁は上段「多摩ニュータウン以前の由木 ―堀口進写真ファイルから―」と題して、以下囲みでxvi頁までの白黒写真の由来が説明されている。囲み内の説明の冒頭の段落(上段5~7行め)を抜いて置こう。

 市内東中野にお住まいの堀口進さんは、多摩ニュータウン/開発事業における造成工事が始められた昭和四十五年ころか/ら、由木地区全域を歩き、計画的に写真撮影を行った。


 下段は「由木地区空撮 鑓水上空から東方を望む(昭和40年代中ごろか)」で堀口氏とは関係なさそうだ。旧由木村の中心地、下柚木の野猿街道と柚木街道の分岐点が中心で、鑓水は写っていない。
 上段の囲みに戻って、最後の段落(21~22行め)、

 なお、ここに収録した写真は、膨大な写真の中から一一の/集落ごとに分けて選択掲載させていただいた。

とあって、vi頁[鑓水]vii頁[中山]viii頁[上柚木]ix頁[下柚木]x頁[越野]xi頁[松木]xii頁[南大沢]xiii頁[別所]xiv頁[堀之内]xv頁[東中野]xvi頁[大塚]と地区ごとに纏められている。
 続いて頁付のない前付が14頁ある。1頁めは上に八王子市域の「旧市内」を除く旧町村の大字名を示した「合併以前の市町村」、下に「東京府総務部地方課/『市町村概観』昭和13年10月30日発行」から転載の[圖略村木由]。2~3頁めはともに右を上にした横長の地図で、2頁めは「全国教育図書株式会社『東京便覧』/昭和26年6月1日発行」から転載の「昭和26年ごろの由木」、3頁め「現在の由木」。5頁めは八王子市長石森孝志「刊行にあたって」、7~8頁めは八王子市史編集専門部会民俗部会長小川直之「由木地区の変貌と民俗―監修にあたって―」、10~13頁め「目次」2段組、11頁上段27行め、3字下げ「五 上柚木・I家の住まい」だが「I家の住まい…」はシールで訂正、これは校正時に本文は匿名「I家」としたのに目次だけ変え忘れていて、発行直前に急遽シールで対処したもののようである。14頁めは上段は余白で下段に「凡 例」8項目、3項めを抜いて置こう。

一 本書は、章を「由木地区の概要」「社会生活」「生産・生業」「住まいと環境」「衣食を/  めぐる暮らし」「年中行事」「人生儀礼」「寺社と民間信仰」「民俗芸能」「口承文芸」/  とし、口絵のほか、巻頭に堀口進さん所蔵の写真ファイルから、写真七六点を掲載し/  た。また、巻末には、小泉トヨさんの「昔むかしの話一、二」、堀口進さんが調査さ/  れた「掘抜井戸について」と「地行覚書」を掲載した。


 この報告書を取り上げたのは、もちろん堀口進の撮影した写真の中に「道了堂」が含まれているからであるが、堀口氏については口絵には説明がない。次回、本書中の記述及び著書から経歴等を確認し、道了堂の写真について既に取り上げたものとの比較検討を試みることとしよう。(以下続稿)