瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

守屋龍男『多摩の低山』(1)

・守屋龍男『新 多摩の低山』1999年7月1日 第1刷発行・定価1200円・けやき出版・214頁・B6判並製本*1

 1月29日付「八王子事典の会 編『八王子事典』(1)」に触れた守屋龍男『多摩の低山』の改訂版である。標題は奥付に拠る。カバー表紙・背表紙・カラー扉では「 多摩の低山」で「ようこそ65の山へ」の副題を添える。7頁(頁付なし)中扉は上部中央に明朝体縦組みで大きく「 多摩の低山」とのみで副題はない。
 巻頭にアート紙のカラー扉とその裏から3頁(頁付なし)の口絵。1頁に上下2点ずつ、合計6点の写真。
 1~3頁(頁付なし)「目次」、「八王子方面」①~⑦、「あきる野方面」⑧~⑫、「青梅・奥多摩方面」⑬~㉗で、丸数字で番号、コース名は本文のように字間を空けずに詰めて、そして2字空けて算用数字で頁が入っている。4~5頁(頁付なし)見開きの概念図「新 多摩の低山」。6頁「本書を読まれる方へ」は山行に当たっての基本的な注意。5~7行めを抜いて置こう。

 また、近年、バスの便が少なくなってきて2時間に1本というところもあるので、必ずバス/会社に問い合わせてから出かけていただきたい。郷土資料館やビジターセンターなどの施設は/休業日があるので、やはり、事前に問い合わせていただきたい。


 本文には「目次」のような章立て・章の扉などはなく8頁、まづ6行分、枠があってに上部、右に丸数字の番号とルートの特徴、中央やや左寄りに大きくコース名。下部に「●」で4点、細いゴシック体で市町村名、最寄り駅、歩程、地図を並べる。地図にはもう1行「 (二万五千分の一)」と、以下の各節も一々添えている。
 各節の構成は余白にコースタイムを記入した概念図と写真を織り交ぜた本文、その最後に下寄せで( )に守屋氏の取材年月を示し、最後に「☆問い合わせ先」として都や市の関係機関、交通機関の電話番号を列挙する。これは先に引いた「本書を読まれる方へ」に特に断ってあったように『多摩の低山』にはなかった配慮である。さらに頁を改めて「こんなコースも…」としてヴァリエーションルートの提案をしている節が多い。複数のコースを挙げることが殆どで、それぞれのコースの最後に《コースタイム》を添え、場合によっては「☆問い合わせ先」を本文とは別に挙げているが、取材年月は示していない。コースについての検討は『多摩の低山』と比較する際に果たすことにして、今回は各章の題と、取材年月を示すに止めて置こう。
①歴史と緑の散策路滝山城址とその近くの丘陵(8~16頁)
  (平成10年4月、11月、11年2月歩く)
②日本のシルクロード/絹の道散策路(17~22頁)
  (平成10年3月、11月歩く)
③都民の憩いの山/高 尾 山(23~28頁)
  (平成10年 毎月歩く)
津久井方面の展望が素晴らしい/南高尾山稜(29~37頁)
  (平成10年5,8、12月、11年1月歩く)
 38~39頁囲みコラム「歩き方のコツ」「山歩きのペース」
⑤つわものどもが夢の跡八王子城跡から富士見台へ(40~49頁)
  (平成10年6月、12月歩く)
⑥夕焼け小焼けの里/恩方の里道を行く(50~55頁)
  (平成10年4月、11年11月歩く)
⑦富士山と山野草が美しい/陣 馬 山(56~63頁)
  (平成10年7月、10月、11年2月歩く)
 64頁囲みコラム「安全な山歩き」
⑧落ち葉の絨毯を踏みながら/秋川丘陵から鎌倉古道へ(65~69頁)
  (平成10年3月、12月歩く)
ツツジの名所/弁天山から小峰公園へ(70~75頁)
  (平成10年5月、11月歩く)
⑩山峡のくつろぎの里/五日市の散策路(76~81頁)
  (平成10年3月、4月、11年12月歩く*2
三角錐の目立つ山容/戸 倉 城 山(82~85頁)
  (平成10年4月、11月、11年2月歩く)
⑫変化に富んだ奥多摩入門の山/戸 倉 三 山(86~92頁)
  (平成10年6、7月歩く)
⑬緑の宝庫・狭山丘陵の西の山/お伊勢山から六道山へ*3(93~101頁)
  (平成10年4、6、10月、11年1月歩く)
 102~103頁囲みコラム「山歩きの効用」
ツツジアジサイ、ヒノキが美しい/霞丘陵七国峠道(104~111頁)
  (平成10年3、6、11月、11年2月歩く)
⑮美しい山野草と史跡探訪/青梅丘陵(112~117頁)
  (平成10年6月、10月歩く)
⑯消えゆく峠道/松ノ木峠から伏木峠*4(118~125頁)
  (平成10年6月、11年1月歩く)
⑰人気の高い奥多摩入門の山/高 水 三 山(126~130頁)
  (平成9年4月、9月、10年11月歩く)
⑱金銀財宝伝説の峠道/馬引沢峠から二ツ塚へ*5(131~136頁)
  (平成10年5月、11年11月、12月歩く)
山野草と野鳥と古社めぐり/御 岳 山*6(137~146頁)
  (平成10年3、6、9月歩く)
⑳2の滝と巨大な岩壁/天狗ノ滝から大岳山(147~153頁)
  (平成10年5、6、12月歩く)
㉑歴史の甲州古道を歩く/浅 間 尾 根(154~161頁)
  (平成8年2、4、11月、10年3月歩く)
㉒富士山の眺望と山野草を訪ねて/笹 尾 根(162~168頁)
  (平成8年11月、9年4月歩く)
㉓ブナ林をくぐる/三 頭 山(169~175頁)
  (平成9年1、3、5、11月、10年10月歩く)
 176頁囲みコラム「歩いてみよう首都圏自然歩道(関東ふれあいの道)」
㉔自然林の美しい変化に富んだコース/川 乗 山*7(177~186頁)
  (平成10年5、10月、11年2月歩く)
㉕山村の歴史と民俗の探訪奥多摩むかしみち(187~194頁)
  (平成10年4、12月歩く)
カタクリの名所/御 前 山*8(195~202頁)
  (平成9年4、5月、10年4、5、6月歩く)
㉗新緑と紅葉が美しい自然林鷹ノ巣山から倉戸山へ*9(203~211頁)
  (平成10年6月歩く)
 212~213頁「後書き」には213頁3~8行め、

 十数年前に刊行した「多摩の低山」は山の愛好家の皆様のご支持をいただき/き、お蔭様で8刷まで版を重ねることができた。ここに、あらためて深く感謝/いたす次第である。
 前著で取り上げたコースのうち、住宅地に近い所は開発の波をもろに被り道/そのものが消えてしまったり、通行禁止になる道も出てきた。そこで、全面的/に歩き直して書き換えたのが本書である。‥‥

と『多摩の低山』の改訂版であることが述べてある。最後に1行分空けて213頁12行めに下寄せで「平成11年6月 著者しるす  」とある。
 214頁「参考文献」次いで奥付、その裏は白紙。(以下続稿)

*1:5月27日追記】投稿当初「道了堂(62)」と題していたが、コース中に絹の道があることに触れたのみなので改題した。

*2:平成11年(1999)12月では本書刊行より後になってしまう。

*3:ルビ「ろくどう」。

*4:ルビ「ふしき」。

*5:ルビ「まひきざわ」。

*6:ルビ「み たけ」。

*7:ルビ「かわ のり」。

*8:ルビ「ご ぜん」。

*9:ルビ「たか の す・くらと」