瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

祖母の蔵書(21)永井路子

 午前に借家の契約更新に不動産屋に行き、ついでに祖母宅に立ち寄り梅原猛の本を持ち帰る。古代史が好きだったので好んで読んでいたそうだ。私は様々な批判の方が先に眼に入って、結局読んでいない。表章が最晩年に、世阿弥の出自について梅原氏が偽古文書を活用(?)して書いた本を批判した本は、精読した。
 久し振りに teacup.掲示板を見ようとしたら「teacup. byGMOのサービス終了のお知らせ」が表示された。女子高講師時代、一回り近く下の女性英語講師が teacup.掲示板に講師室の連絡用の掲示板を作ってくれたのだが、当初若干書き込みがあった程度で、しばらくすると打ち上げなどの予定があっても誰も何も書き込まなくなった。そのうち、雇い止めで誰もいなくなった。私は雇い止めの前に馘首された。何と云う題の掲示板だったか、長らく見ることもないうちに忘れてしまった。そして、今やどうしているのか分からない人の方が多い。私より前に交通費の上限が決められたときに地元の私立校に移った人がいて、その高校が今夏の甲子園出場校らしいと思って、検索して見ると確かにそうだったのだが、それやこれや合せて、色々思い出している。あの頃は祖母も元気で、土曜、小論文の添削などで時間を潰しての帰り、駅の踏切の辺りで落ち合って、お気に入りの料理屋に行って*1御相伴に与ったものだった。9月――「市中は物の匂ひや秋の月」と云った風情の暗くなりかけた道を、年の割にはせかせかと早足の祖母の前後を守るようにして、踏切を渡ったときの心地良い暑さ、今のような暑さではなかったのは、祖母のためには何よりのことであった。

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・文春文庫200―4『朱なる十字架』1978年12月25日 第1刷・¥280・文藝春秋・268頁

・文春文庫『歴史をさわがせた女たち』
な 2 40『日本篇』2003年6月10日 新装版第1刷・2009年1月25日    第10刷・定価505円・295頁な 2 45『庶民篇』2010年5月10日 新装版第1刷・定価552円・263頁 263頁「新装版によせて」に、10行め「項目ごとに〈追記〉として別記いたしました」とあるように、項目によってはその後の研究成果を〈別記〉として末尾に添えている。多くはない。
新潮文庫『この世をば』
新潮文庫3681/な-13-6(上)昭和六十一年 九 月二十五日 発  行・平成 十 二 年 六 月 十 五 日 二 十 刷・定価667円・491頁新潮文庫3681/な-13-6(上)昭和六十一年 九 月二十五日 発  行・平成 十 二 年 六 月 十 五 日 二 十 刷・定価667円・491頁
新潮文庫3682/な-13-7(下)昭和六十一年 九 月二十五日 発  行・平成 十 二 年 八 月 二 十 日 十 九 刷・定価629円・473頁新潮文庫3682/な-13-7(下)昭和六十一年 九 月二十五日 発  行・平成 十 二 年 八 月 二 十 日 十 九 刷・定価629円・473頁
 何故か全く同じ刷の、かなり保存の良い、同じような状態のものが2揃いある。(以下続稿)

*1:年末、東京駅に2時間以上前に着いて待合室で隙間風に震えながら待ち続けると云う、せっかちな祖母であったが、祖母の足でも10分掛からない店で、時間を決めて予約しているので、早ければ祖母の家で落ち合うこともあった。遅くなれば店に行って待っていることもあった。