瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

祖母の蔵書(55)藤沢周平④

 藤沢周平の文庫本は拾い尽くして、単行本に着手したつもりだったのだが、祖母宅の売却が具体化したこの時機になって纏まった数が出て来た。
 応接間(兼ダイニングルーム)の隅に、昨日見た嶋中文庫『銭形平次捕物控』などが詰まった9段の簞笥があるのだが、台所寄りに電話台になっている同じ型で5段の簞笥があって、今日の仕事帰りに立ち寄った際に使えるものは持ち帰ってしまおうと思って、念のため上から順に開けて見たところ、不織布マスクが何十枚と出て来て、例のマスクが手には入らなかった時期であれば持ち帰って喜んで使ったのになぁと思ったものだった。古い絆創膏や膏薬やら、変色した綿棒やらが出て来て、恐らく使い物になるまいと思いつつ、1番下、上から5段めを開けて見ると、9段の簞笥と同じように文庫本が詰まっていた。見たところ隙間なく、それでも前列のものは若干撓んでいた。見付かっても少数であれば、新潮文庫2022年8月14日付(24)に、文春文庫や講談社文庫は2022年8月15日付(25)に追加するつもりであったが、18冊も収まっていたので発見の経緯とともに別に纏めて置くことにした*1
 まづ前列から見て置こう。
新潮文庫2788/草 247 = 2『竹光始末』昭和五十六年十一月 十 五 日 印  刷・昭和五十六年十一月二十五日 発  行・定価280円・270頁

新潮文庫3066/ふ-11-7『消えた女 彫師伊之助捕物覚え昭和五十八年 九 月二十五日 発  行・平成 八 年 六 月 二 十 日 二十八刷・定価505円・363頁 シリーズ名は奥付のみ「―彫師伊之助捕物覚え―」となっている。シリーズ名はカバー表紙及び扉に拠る。本体表紙と奥付は「―彫師伊之助捕物覚え―」となっている。本体とカバーの背表紙にはシリーズ名はない。
新潮文庫3668/ふ-11-15『漆黒の霧の中で 彫師伊之助捕物覚え昭和六十一年 九 月二十五日 発  行・平成 八 年 三 月 十五 日 二 十 刷・定価427円・274頁 シリーズ名は奥付のみ「―彫師伊之助捕物覚え―」となっている。
新潮文庫4130/ふ-11-19『ささやく河 彫師伊之助捕物覚え昭和六十三年 九 月二十五日 発  行・平成 七 年十一月 五 日 十 九 刷・定価544円・433頁 シリーズ名は全て「彫師伊之助捕物覚え」となっている。平成8年(1996)夏に文庫でシリーズ3冊を揃えたことになる。なお2022年8月28日付(35)に見たように祖母は『ささやく河』は昭和60年(1985)の初刷の単行本を持っていた。
新潮文庫3780/ふ-11-17『霜の朝』昭和六十二年 二 月二十五日 発  行・平成 二 年 一 月二十五日 七  刷・定価388円・308頁 ダブリで2022年8月14日付(24)に7年後の二十二刷を取り上げていた。祖母は綺麗に片付ける人だったけれども、きちんと分類して収めてはいなかったので、かなりダブリがある。だからこそ、こうして意外な場所から見付かったりする訳である。
講談社文庫 ふ 2 2『闇の歯車』昭和56年12月15日第1刷発行・昭和57年11月30日第2刷発行・定価280円・227頁講談社文庫 ふ 2 3『春秋の檻 獄医立花登手控え①1982年5月15日第1刷発行・1991年11月1日第21刷発行・定価408円・297頁*2
講談社文庫 ふ 2 4『風雪の檻 獄医立花登手控え②昭和58年11月15日第1刷発行・昭和60年10月30日第3刷発行・定価340円・272頁*3
講談社文庫 ふ 2 5『愛憎の檻 獄医立花登手控え③昭和59年11月15日第1刷発行・昭和61年3月24日第4刷発行・定価380円・294頁講談社文庫 ふ 2 6『人間の檻 獄医立花登手控え④昭和60年11月15日第1刷発行・定価440円・333頁文春文庫 ふ 1 13『よろずや平四郎活人剣(上)』1985年12月25日 第1刷・1998年10月10日 第28刷・定価590円・419頁文春文庫 ふ 1 14『よろずや平四郎活人剣(下)』1985年12月25日 第1刷・1998年10月10日 第27刷・定価590円・453頁文春文庫 192―17『闇の椅子』1987年2月10日 第1刷・定価380円・290頁文春文庫 ふ 1 20『風の果て(上)1988年1月10日 第1刷・1997年2月15日 第11刷・定価429円・318頁文春文庫 ふ 1 21『風の果て(下)1988年1月10日 第1刷・1999年2月5日 第14刷・定価429円・256頁 前列にはもう1冊、2022年8月7日付(20)の冒頭に挙げた杉本苑子『江戸を生きる』の、先に見たのと全く同じ初刷があった。
 後列にも14冊、うち5冊が藤沢氏の小説だった。
新潮文庫2866/ふ-11-3『時雨のあと』昭和五十七年 六 月二十五日 発  行・平成 元 年 六 月 十 五 日 十 二 刷・定価388円・258頁新潮文庫3197/草 247 = 9『時雨みち』昭和五十九年 五 月 十 五 日 印  刷・昭和五十九年 五 月二十五日 発  行・定価360円・316頁※ 帯あり「今月の新刊」
新潮文庫3446/ふ-11-14『闇の穴』昭和六十年 九 月 十 五 日 印  刷・昭和六十年 九 月二十五日 発  行・定価360円・260頁※ 帯あり「今月の新刊」
新潮文庫3913/ふ-11-18『龍を見た男』昭和六十二年 九 月二十五日 発  行・平成 九 年 二 月 十 五 日 二十三刷・定価466円・313頁※ 帯あり「追悼藤沢周平さんの本」
角川文庫12334/ふ 12-2『春秋山伏記』平成十三年十一月二十五日 初版発行・定価533円・327頁 残り9冊中8冊は別に記事にする。もう1冊は2022年7月23日付(06)に見た宇江佐真理雷桜』の、全く同じ十五版であった。或いは人に勧めるつもりで複数買うこともあったのだろうか。
 やはり入力時に脇に置いていないと脱漏が生じる。まだ処分はしていないので確認出来るのだけれども。(以下続稿)
8月7日追記】『龍を見た男』は仏間の硝子棚に単行本があった。
・『龍を見た男』昭和58年8月10日発行・定価1100円・青樹社・276頁・四六判上製本※ 帯あり

*1:6月2日追記】別に見付かった『獄医立花登手控え』の2冊もここに追加して置いた。【8月7日追記】この2冊と一緒に保管されていた平岩弓枝御宿かわせみ』37冊については8月6日付(126)に紹介した。8月7日に1冊5円総額185円で売却。なお、6月2日の追加・追記分に「2023年」を冠していたのは不要のはずなので削除した。

*2:6月2日追加。寝間の文庫版『御宿かわせみ』揃いと一緒にあった。これのみ他の3冊より新しい。なお巻末287~297頁「年譜」は末尾(297頁下段10~11行め)に下詰めで「著 者 自 筆  /(昭和60・9) 」とあるように第1刷より後の増補分があるので第1刷とは頁数が異なるはずで、第1刷は295頁か。

*3:6月2日追加。これも寝間の文庫版『御宿かわせみ』揃いと一緒にあった。巻末263~272頁「年譜」は末尾(272頁下段2~3行め)に下詰めで「著 者 自 筆  /(昭和58・7) 」とあるから第1刷に同じ。なお272頁下段1行めの「・・・・刊行。」までは①296頁下段1行めと一致しており、263~272頁上段も①287~296頁上段と一致するのであろう。