後述するように内田康夫を愛読していたことは知っていたのだが、ほぼ全て本棚やクローゼットに仕舞い込まれていたので、取り上げるのが遅くなった。今回掘り出したのは昭和末から平成12年までに刊行されたものに限られていて、今世紀に入ってから出た本がない。どうやら祖母は、平成12年頃までは時代小説と推理小説の両方を読んでいたのが、佐伯泰英や鳥羽亮そのほかの時代小説を読むのが忙しくなって現代物の新刊に手が伸びなくなったように思われるのである。
記事を書き始めた時点で冊数が多いレーベルから取り上げたのだがその後掘り出したものがあって、投稿前で、既に順番が前後してしまった。
【2023年5月31日追記】客間のクローゼット右側の上から2段めの、ティッシュBOXに8冊入っていた。以下★印を附して追加して置く。何れも平成3年(1991)8月から平成4年(1992)2月までの発行日のもの、殆どが11~12月刊である。但し『シーラカンス殺人事件』と『「信濃の国」殺人事件』は別に保管されていた。【2023年6月11日追記】仏間の硝子棚の奥から1冊、これは★印を附して追加。【2023年7月15日追記*1】2023年6月21日付(081)及び2023年6月24日付(084)に触れた、2023年6月21日にクローゼット左側の床の上にあった段ボールから出て来た2冊について、★印を附して追加して置く。2023年6月22日に気付いた、寝間の隅の小簞笥の下の段ボールから出て来た1冊は★印で追加、2023年7月14日に仏間の硝子棚の、見えづらい下の段に見付けた1冊は★で追加。【2023年7月18日追記】居間の隅の簞笥の7段めから持ち出したうちに含まれていた1冊に★を附して追加。
・光文社文庫
う 1-2『天城峠殺人事件』1985年9月15日 初版1刷発行・1992年2月20日 33刷発行・定価388円・251頁★
う 1-8『長崎殺人事件』1990年3月20日 初版1刷発行・1991年11月15日 13刷発行・定価505円・358頁★
う 1-9『日光殺人事件』1990年11月20日 初版1刷発行・1997年11月15日 46刷発行・定価533円・309頁※ 帯あり「BIG FAIR」金文字
う 1-26『札幌殺人事件(上)』1997年9月20日 初版1刷発行・定価495円・277頁※ 帯あり「創刊13周年記念フェア」
表紙見返しに同じ「創刊13周年記念フェア」の、裏表紙側折返し「十津川警部の標的 西村京太郎*2」の帯が挟まる。
う 1-27『札幌殺人事件(下)』1997年9月20日 初版1刷発行・定価495円・287頁※ 帯あり「創刊13周年記念フェア」
・徳間文庫 徳間書店
う 1-5『「信濃の国」殺人事件』1990年10月15日 初刷・1991年12月20日 5刷・定価485円・349頁う 1-6『北国街道殺人事件』1991年2月15日 初刷・定価447円・285頁う 1-7『鞆の浦殺人事件』1991年7月15日 初刷・1991年12月20日 4刷・定価447円・282頁★
う 1-8『城崎殺人事件』1992年6月15日 初刷・定価466円・284頁※ 帯あり「今月の新刊」
う 1-11『御堂筋殺人事件』1993年6月15日 初刷・1997年7月10日 16刷・定価495円・286頁 長男夫婦の書き損じの平成10年お年玉年賀葉書が表紙見返しに2通挟まる。長男が読み終えたものを母に送っていたものか。
・角川文庫 角川書店
角川文庫7597/う 1-10『琥珀の道殺人事件*3』平成元年 十 月二十五日 初 版 発 行・平成三年十一月 二十 日 十六版発行・定価379円・242頁★
※ 帯あり「’91 カドカワミステリーコレクション」全面に写真、右下に小さく「スペイン村(バルセロナ)」とあり牧瀬里穂の写真を4つ合成、縦組みで「不思議の国の、目撃者」。裏表紙側「最新刊」10点を列挙、本書は「その他既刊40冊」のうちの1点と云うことになる。折返しには季刊雑誌の新発売カラー広告、表紙側折返しは「ザテレビジョン特別編集/パズル王国」裏表紙側折返しは「SassyJAPAN」。
角川文庫8183/う 1-20『上野谷中殺人事件*4』平成三年 二 月 十 日 初版発行・平成三年十一月二十日 八版発行・定価379円・241頁★
※ 帯あり「’91ビッグスペシャル」書店の文庫の棚を背景に、トマト、蜜柑、フランスパンにカバーを外した角川文庫2冊を詰めた白い紙袋を持って(いるところは下で切れているが)微笑む牧瀬里穂の写真。裏に「▼最新刊▲」10点列挙。表紙側折返しの広告は『琥珀の道殺人事件』の帯に一致の「パズル王国」、裏表紙側折返しは緑色の「ザテレビジョン」の広告。
角川文庫10352/う 1-37『斎王の葬列』平成九年五月二十五日 初版発行・定価571円・375頁※ 帯あり「ミステリーBIG5フェア/今月の新刊」書影に同じ。裏表紙側各1点ずつ。特に本書用にしないといけない理由はないのだが裏表紙側折返し下左、ゴシック体でごく小さく「斎王の葬列」。
角川文庫17166/う 1-77『地の日 天の海 上』平成二十三年十二月二十五日 初版発行・定価629円・398頁角川文庫17167/う 1-78『地の日 天の海 下』平成二十三年十二月二十五日 初版発行・定価629円・394頁・講談社文庫
う 5-2『シーラカンス殺人事件』1986年7月15日第1刷発行・1991年12月5日第16刷発行・定価466円・319頁う 5-3『パソコン探偵の名推理』1988年1月15日第1刷発行・1991年12月12日第11刷発行・定価408円・294頁★
カバー表紙折返しのマーク切除。
う 5 4『「横山大観」殺人事件』1988年10月15日第1刷発行・定価380円・274頁★
カバー表紙折返しのマーク切除。
う 5 5『漂泊の殺人』1991年7月15日第1刷発行・1991年12月5日第3刷発行・定価447円・310頁★
※ 帯あり「度の終わりに1ページ。/BEST SELECTION '91/講談社文庫」雪の中、赤いディーゼル車に牽引される青い客車4輌の写真、裏表紙側「BEST SELESTION'91」21点25冊、本書は6点め、最後に「右記書目ほか全63点でフェア実施中!」。表紙側折返し「「庫之介」ブレゼント !! /・・・・・・・オリジナル文庫BOX」この見出しの左に赤い円に白抜きで斜めに「創刊/20周年/記念」とある。「➌プレゼント期間は1991年12月末日まで。」カバー表紙折返し左下のマーク切除。裏表紙側折返し「IN★POCKET〈直接定期購/読のご案内〉」。
う 5 7『琵琶湖周航殺人歌』1992年7月15日第1刷発行・定価408円・253頁う 5 24『藍色回廊殺人事件』2002年2月15日第1刷発行・定価667円・423頁★
※ 帯あり「内田康夫の本【最新刊】」表紙側折返し「「講談社文庫特製ブックカバー」/プレゼント!」「➌応募の締切りは2002年12月末日です。‥‥」裏表紙側折返し「IN★POCKET〈直接定期購読/のご案内 〉」。カバー表紙折返し左下のマークは切除されずに残っている。
・双葉文庫 双葉社
う02-1『杜の都殺人事件』昭和62年6月25日 第1刷発行・定価460円・325頁★
書影を2つ貼付したが、帯の掛かった2つめ(1994年版)は改版らしく、1つめとの間に角川文庫版が出ている。同じ絵に見えるが2つめは血色が良いようで、祖母の蔵書は1つめ、大体書影の通りの色合いである。
う02-2『十三の墓標』1989年6月15日 第1刷発行・定価417円・298頁※ 帯あり「双葉文庫最新刊」。書影の帯はもちろん後年のもの。
・C★NOVELS 中央公論社*5
26-6『釧路湿原殺人事件』1989年11月15日 初版印刷・1989年11月25日 初版発行・定価680円・204頁・新書判並製本★
・中公文庫 中央公論社
う 10 4『湯布院殺人事件』一九九三年一〇月二五日印刷・一九九三年一一月一〇日発行・定価466円・279頁※ 帯あり「内田康夫/旅情ミステリーフェア」。裏表紙側11点中本書は4点め、最後は「坊っちゃん殺人事件」が「最新刊」である。中公文庫『坊っちゃん殺人事件』は1997年6月の「今月の新刊」である。小異の帯が掛かっている書影を参考までに貼付して置こう。 本書の帯では、この赤地になっているところが cobalt green で、上部にクリーム色のゴシック体で「あなたの町に浅見光彦は来ましたか?」とある。もちろん「今月の新刊」の吹き出しもない。『坊っちゃん殺人事件』以外の10点は共通でこの帯を掛けていたもののようである。
う 10 16『津軽殺人事件』2000年6月10日印刷・2000年6月25日発行・定価571円・353頁※ 帯あり「今月の新刊」書影に同じ。
・廣済堂文庫 廣済堂出版*6
廣済堂文庫258/う 1-4『恐山殺人事件』平成3年3月10日 初 版・平成3年8月15日 2 刷・定価456円・339頁★
・四六判上製本 角川書店*7
・内田康夫・浅見光彦『軽井沢通信/ センセと名探偵の往復書簡』平成7年6月5日 初版発行・264頁★
※ 帯あり
私は祖母とは読書傾向が全く異なるため、本の話は殆どしたことがなかった。家人には随分薦めたようだが、今更、高校の非常勤講師をしている大学院生に面白い読物を薦めることもなかったのである。それで、薦められた本を「読みます」と約束して読んでないまま気不味くなるとか、そんな思いをせずに済んだのであった。
その、僅かな思い出の1つに、上に挙げた『「信濃の国」殺人事件』があるのである。と云っても私は読んでいない。たぶん本放送だと思うがテレビ東京の「信濃のコロンボ事件ファイル3「信濃の国」殺人事件」を見て、何かの切っ掛けで祖母の御機嫌伺いに参上した折、料理屋で長野県歌の「信濃の国」の話題が出たのである。家人の母が長野県出身だと云うことも関係していたかも知れない。――祖母が、内田康夫さんの推理小説で「信濃の国」を歌って長野県議会で分県案を否決したと云う‥‥、と言うので*8、私たち、その小説のTVドラマを見たんですよ、と。それ以上話は弾まなかったと思うが、今回、祖母の持っていた本を実際に手にして、当時90歳近い高齢で、10年以上前に読んだ本の内容がすっと出て来たことに、改めて感心した次第である。(以下続稿)