瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

祖母の蔵書(81)田辺聖子②

講談社文庫 た 2 36 田辺聖子『『源氏物語』男の世界』1996年4月15日第1刷発行・定価447円・222頁

※ 帯あり「女の愛読書フェア」書影に同じ。
 オリジナルな要素は表紙側右上の2行の紹介文、背表紙側最下部の「P460」、裏表紙側折返し左下にゴシック体縦組み「『源氏物語男の世界」とあることだけで、フェア共通の帯にしてしまえば良かったのではないかと思うのだけれども。裏表紙側「講談社文庫女の愛読書フェア1,000〈名/様〉プレゼント」で「②締切は平成8年6月30日(当日消印有効)」。表紙側折返し「オリジナル文庫BOX/「庫之介」ブレゼント !! 」で「➍プレゼント期間は1996年12月末日まで。」。裏表紙側折返しは「INPOCKET〈直接定期購/読のご案内〉」。

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 以上は昨年9月16日に「祖母の蔵書()源氏物語③」と題してメモを取った、仏間の硝子棚にあった2冊のうち1冊。別の作家の、もう1冊は別に記事にするつもり。本記事には田辺氏の源氏物語関係の著作を纏めて置こうと思う。
 客間のクローゼット右側3段め*1に6冊。
・『新源氏物語㈠』一九七八年一一月三〇日 発 行・一九八一年 二 月二五日 一四刷・定価 九〇〇円・新潮社・266頁・四六判上製本

※ 帯(紫色)あり
※ 巻三つ折のチラシ(B5判)「田辺聖子の本」挟まる。
・『新源氏物語㈡』一九七九年 一 月 五 日 発 行・一九八一年 二 月二五日 一〇刷・定価 九〇〇円・新潮社・261頁・四六判上製本※ 帯(橙色)あり
・『新源氏物語㈢』一九七九年 一 月三〇日 発行・一九八〇年 五 月一五日 八刷・定価 九〇〇円・新潮社・235頁・四六判上製本※ 帯(赤)あり
・『新源氏物語㈣』一九七九年二月二八日 印刷・一九七九年 三 月 五 日 発行・定価 九〇〇円・新潮社・223頁・四六判上製本※ 帯(緑)あり
・『新源氏物語㈤』一九七九年四月 五 日 発行・一九八一年二月二五日 六刷・定価 九〇〇円・新潮社・246頁・四六判上製本※ 帯(青)あり
 帯には白抜きで文字、裏表紙側は「―――――― 著者のことば」で㈠を除く4冊には最後に「――《波》一九七八年十二月号より抜粋」とある。書影との異同だが㈡は右下、書影では「定価1000円」とあるが祖母のは「価900円」、また㈢の書影は引っ繰り返して裏表紙側が表紙になっている。もっと良い写真にならないものか。
 新潮文庫では上中下3冊、続篇『霧ふかき宇治の恋』上下2冊は見付けていない。続篇は文庫版も上下2冊。
・『私本・源氏物語一九八〇年一月二十五日 初版発行・定価980円・実業之日本社・257頁・四六判上製本 書影にある帯は失われている。
 仏間の硝子棚には、他の源氏物語関連本と並べて次の1冊があった。
・『源氏紙風船一九八一年一〇月一〇日 印刷・一九八一年一〇月一五日 発行・定価 九〇〇円・新潮社・240頁・四六判上製本※ 帯あり、書影に同じ
 近所の古本屋が引き受けてくれたらどんどん持ち込んで整理も捗っていたはずなのだけれども、こうして流行作家の作品の増刷の回数を見るにつけ、これは駄目かも分からんね、と云う気分になる。あの古本屋の親父が嫌そうな顔をした理由がしみじみ分かる。
 書入れをせずに初版でカバーや帯を綺麗に保存しておれば古本屋で高く売れる、みたいな話を小学生の頃、だから40年は昔に聞いて、何となくそんなつもりでいたのだが、‥‥本を殆ど買わなくなって久しいが、何千円か図書カードがあるからどうしても要るものだけ買って、遠慮なく書入れてしまおう。死んだ後、心置きなく捨てられるように。
 祖母の蔵書は、流行作家、人気ジャンルのものが多くて、かつ、そんなに綺麗ではない。寝間の本棚は、左側の硝子扉の中にあったものは良いとして、右側のスライド式のところにあったものは全体に綿埃みたいなものが被っている。その綿埃に、喫煙していた上にお灸を習慣にしていた、その匂いが移っている。祖母が施設に入ってから10年近くなるからかなり匂いは飛んでいるが、それでも綿埃が溜まっているところの近くにあった本は、かなり匂う。そうでないものも、鼻を近付けると匂う。普通に脂臭いのとは違う、御香のような感じもする、何とも微妙な匂いなのである。
 その点、仏間の本棚や応接間の簞笥の中のものは未だマシである。客間のクローゼットに仕舞い込まれていたものは、5月28日付(60)に見た横溝正史人形佐七捕物帳全集』や6月10日付(72)に見た山手樹一郎等、この部屋に移ってくる前に薄汚れてしまったものを除けば、綺麗な方だと思う。匂いも気にならない。
 全体に、バーコードの付いた本はそこまで匂いも移っていないし、経年劣化もないので新古書店に持ち込んでかなり処分出来た。昨日、帰り掛けに寝間の隅にあった段ボールを見たら、もうないと思っていた佐伯泰英の文庫本が40冊くらい入っていた。しかしこれは箱に詰めてあったのでそのまま新古書店に持ち込めそうだ。今日、客間のクローゼット左側の床の上にある、電話機の箱の下にあった段ボールを改めて見たら、これも中に40冊くらい入っていた。バーコードが付いている8割方を、昨日見付けた佐伯泰英とともに持ち帰った。――他に持ち出していないもの、仮に持ち帰っているものを合わせて、バーコードの付いたものが後250冊くらいであろうか。それでも平成1桁台のもの、不人気作家のものなどは新古書店でも断られそうだ。一応持ち込んでみるけど。
 田辺聖子の本、その他往年の人気作家のものは古本屋に照会することなく、買い手の不動産業者が遺品の処分とリフォーム込みで引き受けてくれるのに任せるより他なさそうだ。(以下続稿)

*1:7月15日追記】当初「2段め」としていたのを訂正。