瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

在阪ラジオ局の思ひ出(4)

・スポットCM(2)
 昨日は関西でしかやっていなかったと思われるCM4種を取り上げた。
 小学2年生までを過ごした静岡県では、特にラジオ番組やCMの記憶はない。母が数年前までラジオ番組を聞くのに使っていたラジカセはその頃からあったのだが、父が「真夜中のギター」や「犬と口笛」が入っているカセットテープを聞いたり、兄が流行の音楽を中心としたラジオ番組を聞いていたのは覚えている。しかし曲の記憶しかないからラジオ番組としての記憶とは言い難い。テレビ番組も誰もが見ていたようなアニメ番組くらいしか覚えていないが、ローカル番組としては「いちばん星みつけた」と云うのがあったことを覚えている。しかし Wikipedia の項目にあるように「子供版素人のど自慢番組」であったことくらいしか覚えていない。テーマ曲も覚えてない。在住期間中に同じ小学校の生徒が(『ちびまる子ちゃん』のように)出演するようなことがあれば一生懸命見たのだろうけれども、残念ながらそんなこともなかったようだ。しかし、オークションサイトに出品されている賞品のキャラクターには見覚えがある。
 さて、YouTube で検索すれば、静岡県時代も含めて当時私が見ていたはずのCMが分かるのだろうけれども、もうしばらく記憶に頼って述べてみよう。しかし、今回取り上げるのは少々記憶があやふやなものばかりである。
・はぎや整形
 これは関西でしかやっていなかったはずだけれども、確かな記憶がない。ただ、あのエコーの掛かった「はぎや整形」と云うフレーズに聞き覚えがあるように思う。テレビCMはもちろん記憶にない。兵庫県民として年3回くらいの大阪行きは、必ず梅田に出ていた訳だけれども、田舎者には地下街が分からないので(地上も分からないが)「泉の広場上る」と言われても何処なのかが分からない。待ち合わせる用事もないから「泉の広場」なんか知らなかった。
・世界のファッション イトキン
 サウンドロゴ「世界のファッション イトキン」。ネット記事で目にして思い出した。しかし関東でもやっていたようで、記憶はあるが関西と結び付いていない。
日本海みそ
 これも関東でも流れていたせいか、特に関西で聞いたと云う記憶になっていない。
 この曲が印象に残っているのは、かつて某区立図書館で借りたCD『浪速のモーツァルト キダ・タローのすべて』*1に「歌手:不明」とあって、そんな訳あらへん、と思ったためである。今では野呂ひとみと判明しているようだ。
 曲も印象に残るが、テレビCMも越中の四季を橋本忍的感性(?)で表現した傑作だと思う。
 ところで、大学の文藝サークルに、日本海味噌の越中出身者が2人いて、学部は違ったが同じ高校の卒業生(ともに現役合格)で、同じクラスではなかったようだが渾名*2で呼び合うくらいの仲で、2人で地元ネタで盛り上がっていることがあり、聞かされる私らもその辺りの情報に若干詳しくなった。うち1名は卒業後、地元で就職して私と違ってかなり偉くなっているのだが、彼の帰省中に2度、それから私が院生時代にその方面の大学で学会発表することになった折*3に1度の計3度、泊まらせてもらったことがある。出来ればもう1度行きたいと思っているのだけれども。
 あるときこの2人が、サークルBOXで「ムヒ」のCMを「恥ずかしい」ローカル・ネタとして話しているので、関東勢(?)が「ムヒぃが丘に、かゆみを止めて、池田、池田模範堂。ちゃちゃちゃちゃーちゃーちゃんちゃん」と(私は半分関西勢だが)合唱してやると「何で知ってるんだ?」と驚愕していた。ムヒのCMが全国で流れていることを知らず、ローカルCMだと思い込んで笑っていたのが全国区だと知らされて、恥ずかしさが弥増しに増した様子だった。・・・・日本海みその話題は出なかった。日本海みそもローカル商品だと思っていたであろうか*4
 今回、久し振りに YouTube池田模範堂のテレビCMを見たのだが、池田模範堂高校野球部監督役が藤田まこと(1933.4.13~2010.2.17)だったことには当時、全く気付いていなかった。池田高校との関連も全く意識していなかった。云われて見ればそうなのだけれども*5。(以下続稿)

*1:現在、都内の公立図書館には所蔵がない。【2024年1月5日追記Amazon でケースが示せるようになっていたので補って置く。

*2:但し1人は姓そのまま。

*3:少し前に偶然、東京に出張で来ていたのに電車内で遭遇し、近々そちらに行くので泊めてくれ、と云う話に(自然に)なったように記憶するが、そんな綺麗な話ではなく(電車に偶然乗り合わせたのは事実だが)、――厚かましく頼んだのだったかも知れない。【2024年1月5日追記】このときのことは2021年5月30日付「越中の思ひ出(5)」に述べた。

*4:池田模範堂日本海味噌も富山県中新川郡上市町に本社がある。

*5:YouTube のコメント欄には「校歌」と「効果」が掛けてあるのでは? との指摘もあり、なかなか興味深い。それから1990年代後半の陣内孝則の「池田かゆみ」シリーズ(しつこいぞ・とめてくれ等)も好きだった。

在阪ラジオ局の思ひ出(3)

・スポットCM(1)
 関西にいると、いや、兵庫県だったからかも知れぬが、阪神ファシズムと云うべき状況に直面させられる。
 私の部活にも熱狂的阪神ファンがいて、当時は私の経験していない(せずに済んだ)昭和60年(1985)の日本一からまだ1年半にしかならぬので、それはそれは喧しかったのである。角材で素振りしながら「六甲おろし」を歌ったり、余りに五月蠅いので「静かにせぇ」と言うと「堪えろ!」と返される。そして巨人選手の個人応援歌を「ひぃだりのかたにもみ~ずぅこ、みぃぎのかたにもみ~ずぅこ、・・・・」だとか、「糞まてぃいーのーあッほーあッほー、糞まてぃいーのーあッほーあッほー、糞まてぃいーのーあッほー、ただのあッほー、糞まてぃー、帰れ帰れくーそまてぃー」だとか、「とーぉかーいーだいーがく、裏口にゅうーがくー、おーやじがいなーけりゃ、なんにーもーでッきーないー、帰れ帰れたーつのりー」などと下品な替え歌にして大声で歌っていた。あるとき、周辺の高校と合同で1泊の山行*1をしたことがあって、そのときも阪神ファンどもが暴れていたのだが、中に1人、巨人ファンがいて、巨人の選手を侮辱する替え歌に堪え切れず、途中から割って入って正しい歌詞の原辰徳の応援歌を歌い出したのには、阪神ファンの歯牙にも掛からないヤクルトの消極的ファンである私も、ほとほと感心させられたものだった。
 そして、――強くもない癖に(!)五月蠅く理不尽な暴れ方をする阪神ファンたちの、阪神ファシズムとも云うべき横暴さに疑問を持った一定数の人間が、大阪でも熱狂的な巨人ファンになっているらしいことに気付かされたのであった。
 なんせ、私が受けた試験ではないのだけれども、3年のときだったか、同じ学年の、私が受けていたのとは別の教員が作った会話劇形式の試験問題が、掛布君や岡田君、真弓君、バース君が優等生できちんと正しく答えるのに対し、原君や黒町君がボケまくり間違えまくりと云う設定になっていて、後で私も見せてもらって、面白いことは面白かったのだが、・・・・まぁ、そんな土地柄なのである。
 しかし、母は球場では熱狂的阪神ファンと接しているが、球場以外でも横暴な、熱狂的阪神ファンに接する機会がないので、私のような悪い印象を持たずに済んだのである。私は所詮余所者だし「堪えろ!」と言ってる連中と同じになりたくない、と、どうしても思ってしまう。しかし、母がファンになってしまったのだし、道上洋三は気持ち良さそうに「六甲おろし」を歌うし、阪神タイガースは、嫌いにはならなかった。しかし、阪神ファンは、どうも好きになれなかったのである。
 それはともかく、高校3年間、朝夕に母が聞いているのを受動喫煙と同じ按配で聞かされていたラジオ放送の、内容は全くと云って良いくらいに覚えていない。覚えているのは、本当に繰り返し聞かされたスポットCMである。以下、思い付くものを幾つか挙げて見よう。
・きんきちゅーこしゃ
 ちょっと色っぽい声の女性が「あなた、元気? わたし、きんき」と言うのに続いて、サウンドロゴ「きんきちゅーこしゃ」。
 YouTube で検索すると1件、テレビCMがヒットするが、私はテレビCMは記憶していない。YouTube にあるものは、外国人女性が出演して、日本人の若い女性の声で普通に「あなた、元気? わたし、きんき」と言っているが、私がかつてラジオで聞いたものはもっとお色気満載(!)だった。最後のサウンドロゴは同じ。「キンキ中古車」と表記することを初めて知った(笑)。
 「まいどおおきに!べかこランド」だったかで、桂べかこ(現、南光)が「キンキは英語ではおかしな人みたいな意味なので、外人にキンキと言うたらあかん。そやからキンキ中古車もそういう風に取られてしまうかも知れないんでございますよ」みたいな話をしていたのを覚えている。
・はなてんちゅーこしゃせん たー
 サウンドロゴ「はなてんちゅーこしゃせん たー」。
 本当にこのサウンドロゴしか覚えていないが、しょっちゅう聞いていた。
 これも YouTube で検索すると「ハナテン中古車センター」のテレビCMが幾つかヒットするが、見た覚えがない。WIkipedia に拠ると「毎回半裸の女性を映像に起用したことで知られるようになった」とのことだが、高校時代、深夜放送など見なかったから見る機会がなかった。
 キンキ中古車も放出中古車センターも、店舗に行く用事もなければ近所に支店もなかったので、CM以外の知識はない。
・ありまひょーえのこおよおかくえ
 サウンドロゴ「有馬兵衛の向陽閣へ」。
 キンキ中古車もハナテン中古車センターも現在、そのままでは残っていないらしいが、有馬兵衛の向陽閣は健在で、HPに兵衛向陽閣CMライブラリーがあり、YouTube に公式に投稿されたテレビCMの数々を閲覧することが出来る。
www.hyoe.co.jp
 もちろんテレビCMの記憶は全くないので、私が覚えているのはサウンドロゴのみである。今回、初めて昭和37年(1962)録音、歌手は仲宗根美樹(1944.6.23生)であることを知った。公式のCMライブラリーにある「兵衛向陽閣の唄」は新作で(作曲者のキダ・タローも旧作を覚えていないようで、旧作とどの程度似ているのか不明で)ある

有馬温泉 兵衛向陽閣 TVCM 1980年以前 <関西ローカル>
 コメント欄には awahara ryota の「1968~69年頃制作でしょう。/ケーブルカーは1961年開業で当時の地方鉄道法適用路線でしたが80年3月廃止。」とのコメントに対し、坊主拳法(bouzkempou)が「ケーブルカーってなくなってるのか。/当時のコマーシャルでは「虹の架け橋ケーブルカーで〜♪」って仲宗根さんが歌ってた。/キダタローさん、探偵ナイトスクープで音源探してくれないかな、フルコーラスの。」とのコメントを追加しているが、仲宗根美樹のCMソングとケーブルカー開業と、時期がほぼ同じだから、間違いのない記憶なのであろう。
 有馬温泉には、お金持ちが年末年始を過ごしに行くとか、そんな話は聞いたことがあるが、私の家は金持ちではないのでそんな習慣はなく、そうすると泊まりに行く用事もないので殆ど縁がなかった。1度だけ、父と六甲山にハイキングに行った折、有馬温泉に下山して共同浴場に浸かって、持っていた手拭いを鉄錆色に染め上げてしまったことがあった。そんな訳で、有馬兵衛の向陽閣も名のみ知って他はやっぱり何にも知らないのであった。
・まっちゃまちのふくいたや
 サウンドロゴ「まっちゃまちのふくいたや、にんぎょと×××」木魚の音とともに。
 これもしょっちゅう聞いた。今回「松屋町の福板屋、人形と結納」と言っていたことを初めて知った。いや「にんぎょ」は人形だと思っていたけれども。
 さて、大阪に出掛ける用事が年に2度3度しかなく、それも梅田周辺で済んでしまったから、松屋町がどの辺りなのかも、分からなかった。今でも分からない。
 「松屋町の福板屋(株)」は存続しているようだが、店舗は平成28年(2016)6月12日に閉店して、現在はマンションになっている。(以下続稿)

*1:さんこう。山岳部で山に登りに行くこと。