瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

柳田國男『遠野物語』の文庫本(22)

 ちくま文庫版『柳田國男全集4』は、第五刷と第七刷を借りて来た。
 奥付はほぼ同じ。縦書きで「柳田國男全集4|一九八九年十月三十一日 第一刷発行/一九九一年十二月五日 第五刷発行|著 者 柳田國男(やなぎた・くにお)/発行者 関根栄郷/発行所 株式会社 筑摩書房/……」と第五刷にあるのが、第七刷では「一九九四年七月二十日 第七刷発行」と「発行者 森本政彦」が違う。省略した部分、第五刷では住所の次に「電話」が(営業)と(編集)の2つ、そして「振替口座」が載るが、第七刷では住所の次に「振替」で5桁だった番号は10桁になっており、ついで「案内」として(サービスセンター)の電話番号が載る。カバーには違いはない。定価はカバー裏表紙「定価950円(本体922円)」及び背表紙の最下部「950/[922]」と見える*1
 この第五刷と第七刷、頁数が違うのである。第五刷は519頁、第七刷は536頁である。

  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

 このことははっきり断ってはいないのだが、第七刷だけを見ても一応分かる。で、4月にまず、たまたま借りたのが第七刷で、――おやっ、と思った。それ以前の刷を見なければ、と思ったのだが、なかなか余裕がなかった。その後、以前、開架にちくま文庫版『柳田國男全集』が並べてあった図書館に立ち寄る機会があったが、いつの間にか書棚から消えていた。今、検索してみたら「閉架」に仕舞い込まれていたのだが、時間的に出納を頼む余裕もなかったのでその確認もせずに出て来てしまった。後日、時間的余裕があったときに別の図書館に立ち寄り、そこでもやはり開架にはなかったのだが書庫請求して借りてきた。第七刷には初刷にはなかった部分(増補)がある訳だが、出て来た第五刷にはまだなかったことが分かった。
 第一刷を確認して置きたいと思っていたのだが、たまたまであるが第五刷と第七刷の間にこの“改版”がなされていることが分かったのは収穫であった。そこで、まず私の気付いた順序に従って、第七刷を主に、第五刷と周辺資料について触れながら記述してみたい。(以下続稿)

*1:2012年7月26日追記】第十一刷を見た。「二〇〇八年二月五日 第十一刷発行」発行者が変わっており、振替番号あり。定価、カバー裏表紙「定価(本体価格1000円+税)」、背表紙最下部「1000/+税」。