ここまで、昭和14年(1939)2月末までの新聞記事を通覧しました。まだ見ていない新聞もありますが追々補って行くことにしましょう。2月分は実質最後の10日間の点検で済みましたが、3月は、何時立ち消えになったのか、一応月末まで確認して置こうと思っているのですが、流石に2月ほどの頻度で記事にはなっていないでしょうから、取り敢えず先々月の調査では2月分だけみっちり見たのでした。そして多分、2月分だけで十分だろうというような、気はしているのですけれども。
それを昨日までせっせと入力し続けて来たのでしたが、その間も普段の図書館通いで「赤マント」が出ていそうな本に当たり、ネットでも「赤マント」で検索して、当ブログは余り上位に出てこないのですが、断片的な資料を挙げてその検証を延々続けているのですから、粘り強くないと読み続けられないでしょうし、かいつまんで結論を知りたい人はこんなに読んでいられません。もちろん、ほぼ結論は出ていますが、一通り目にした文献の紹介と検証を済ませた上で、書くかも知れないし、草臥れてしまって「書き連ねてきたことが自ずと語ってるだろ」。と投げてしまうかも知れません。それはともかく、本やネットから見当を付けて、近年の文献の方もいくつか拾っています。それから図書館や文学館のOPACなども覗いて見ています。
ところで、ネットの方で検索すると未だに加太こうじ『紙芝居昭和史』に拠る昭和15年(1940)説が幅を利かせています。いえ、過去の投稿がそのままになっているだけで、当方の調査及び私以前に昭和14年であることを指摘していたいくつかの文献は殆ど流布していないので、仕方がないのですが、その中には加太氏の紙芝居の題を『赤マント』としている、明らかに誤ったものが散見されます。当の加太氏は問題になった紙芝居について、10月25日付(04)で見たように「題名はわすれたが」としていました。では何故紙芝居の題が『赤マント』になってしまったのでしょうか。
それは、どうやら池内紀(1940.11.25生)の次の著作に起因しているようです。
・池内紀『悪魔の話』
・講談社現代新書1039(一九九一年二月二〇日第一刷発行・定価583円・206頁)
- 作者: 池内紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1991/02/18
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
- 作者: 池内紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/02/13
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (5件) を見る
新書版は最後に「一九九一年一月」付の204〜206頁3行め「あとがき」があって、それから奥付と「一九六四年四月」付の野間省一「「講談社現代新書」の刊行にあたって」となっていますが、文庫版は209〜227頁7行め「補遺 ニーチェの妹」が増補され、228〜230頁13行め「あとがき」も「二〇一三年一月」付で新書版のものは収録されていません。なお230頁14〜15行めには下寄せで小さく「付記。参照した書物の主なものは、文中に書名・著者・訳者・/出版社を記しておいた。訳者名のないのは池内訳による。」とあります*2。次の1頁は白紙でその裏にやはり下寄せで小さく「本書の原本は、一九九一年二月に小社より刊行されました。」とあります。次いで奥付、「一九七六年六月」付の野間省一「「講談社学術文庫」の刊行にあたって」、最後に1頁6点の目録があって1頁めは《講談社学術文庫 既刊より》の「歴史・地理」で2083・2088・2092〜2094・2097。2〜6頁めは「《新刊案内》◆講談社学術文庫」◆はトキのマーク。2129〜2158の30点、本書は2154ですから6頁めの2点めに出ています。
赤マントは冒頭にマクラのように持ち出されています。(以下続稿)