瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

浅間山の昭和22年噴火(23)

朝日新聞社編『朝日新聞に見る日本の歩み―焦土に築く民主主義II―』昭和48年9月10日発行・定価1000円・朝日新聞社・271頁
 上製本(27.6×20.7cm)。このシリーズは3月24日付「楠勝平『おせん』(1)」に回想した、浪人時代に入り浸った図書館に揃っていて、狭くて天井も低い公開書庫で、良く引っ張り出しては眺めたものでした。
 1頁(頁付なし)朝日新聞社「はしがき」は「昭和四十八年八月」付。左下部に「」と「ケースの写真」説明。2〜16頁(頁付なし)「目次」、17頁(頁付なし)「昭和22年(1947)年表」、18頁(頁付なし)「昭和23年(1948)年表」、19頁(頁付なし)[昭和22年/(1947)]の扉、20〜142頁に新聞紙面を日付順に1面ずつ収録。143頁(頁付なし)[昭和23年/(1948)]の扉、144〜271頁に新聞紙面を日付順に1面ずつ。
 「目次」の6頁中段1〜3行めに、

浅間山大爆発で焼死続出…………(22・8・16)…99
  14日正午すぎ大爆発、落下した溶岩で山火事が起こった。頂上付
 近で四人の焼死が確認され、18日までに計十遺体を収容した。

とあって、99頁には10月3日付(04)に紹介した、昭和22年8月16日付の2面が全面縮刷されて収録されていて、下部にゴシック体横組みで「浅間山大爆発で焼死続出」とあります。1頁「注」に「下欄外に‥‥◎つきの見出し」とあるもので、この面を本書に採録すべしとなった理由が、浅間山噴火の記事にあったことが分かります。
 さて、朝日新聞では「週刊20世紀」→『朝日クロニクル20世紀』では11月12日付(21)で見たように「20余人が焼死した」と憶測で示された数字をそのまま示し、10月6日付(07)に言及した今年の10月3日付夕刊の記事では、何か別の資料に拠って「1947年の噴火で登山者9人が死亡した」と書いているのですが、実は40年前にきちんと当時の記事を点検して、最終的に「十遺体」と正確な数字を出していたのでした。尤も、死者10名中1名は負傷して下山後死亡したので「十遺体を収容」は、正確ではないのですけれども。(以下続稿)