瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

森まゆみ『風々院風々風々居士』(4)

ちくま文庫版(2)
 10月20日付(3)にも述べたように、9月に単行本を通読した際のメモを、文庫版での修正を確認した上で書き直そうと考えていたのだが、出来上がっているメモを書き換えるのが面倒なことと、寒暖の差が大きく乾燥も進んで仕事でも少々草臥れているので、単行本のメモをそのまま示して、それに文庫版での修正を添えることにした。
 しかしその前に、単行本と文庫版の対比をまだ示していなかったことに気付いてしまった。
 書影は9月6日付「山田風太郎『戦中派虫けら日記』(6)」に示して置いた。
 単行本の1頁(頁付なし)は「風々院風々風々居士†目次」の扉で、その前は少し厚い上質紙の白黒写真の口絵(頁付なし)が6頁あった。その前に和紙風の模様の入った扉があり、その前が見返しの赤みがかった肌色の遊紙である。
 文庫版は1頁(頁付なし)扉、3〜8頁(頁付なし)は単行本の口絵を縮小して本文と同じ用紙に印刷している。9頁(頁付なし)が「目 次」で、単行本2頁(頁付なし)は3つの章の他に1行空けて4行め、1字下げでやや小さく「あとがき  森まゆみ  197」とあるのみだったのが、文庫版は半行分空けて5〜7行め、1字下げでやや小さく、

 風のように逝かれた――あとがきに替えて  215
 奥但馬紀行――文庫版あとがきに替えて  219
 解説 風太郎さんのおはなし  田村七痴庵(治芳)  231

と変わっている。
 中扉(頁付なし)単行本3頁は明朝体太字、文庫版11頁は明朝体
 中扉の裏、単行本4頁(頁付なし)の下部に、明朝体下揃えで「装幀  南 伸坊/写真提供  窪田 清/山田啓子/山前 譲」とあるが、文庫版は10頁(頁付なし)中扉の前に「写真提供  窪田 清/山田啓子/山前 譲」と下揃え、氏名はやや太い明朝体。南氏の名前はカバー表紙折返しの下部に明朝体横組みで「カバーデザイン 南 伸坊」とある。
 以下、単行本の細目は9月19日付(1)にメモしてあるので繰り返さない。
 文庫版13頁(頁付なし)「山田風太郎見参逐語録」の扉で、単行本5頁(頁付なし)では明朝体太字だったが普通の明朝体、下部に写真は同じものを縮小。15〜82頁本文、83〜85頁は上部に単行本とは種類の違う飾り線がある、森まゆみ風太郎邸探訪記」。
 文庫版87頁(頁付なし)「ただぼうぼうと「風」の音」の扉で、単行本75頁(頁付なし)。本文89〜107頁。
 文庫版109頁(頁付なし)「明治小説の舞台うら――自著を語る」の扉で、単行本95頁(頁付なし)の本題は太字だが副題は太字ではない。
・文庫版111〜129頁「南町奉行所と警視庁/『警視庁草紙』について
 取り上げた本に「について」と添えている。
・文庫版130〜143頁「辻馬車に去来する人々/『幻燈辻馬車』について
・文庫版144〜158頁「北海道の監獄と囚人と/『地の果ての獄』について
・文庫版159〜176頁「空白の時代のめちゃくちゃなこと/『明治断頭台』エドの舞踏会』について
 複数冊を収録した巻の「について」は、標題を均等割付で並べた下、中間に添えている。
・文庫版177〜189頁「港から出ていった人、入ってきた人/『明治波濤歌』について
・文庫版190〜202頁「伝奇とはロマンなり/ラスプーチンが来た』『明治バベルの塔』について
・文庫版203〜213頁「五人のジャン・バルジャン『明治十手架』『明治かげろう俥』について『黄色い下宿人』*1
 単行本197〜199頁「あとがき/風のように逝かれた」は、文庫版215〜218頁「風のように逝かれた――あとがきに替えて」と解題され、また、最後の行、下部に「森まゆみ  」とあるのは同じだが、その上の5字下げの日付、単行本199頁14行め「十月十日」だったのが、文庫版218頁2行め「二〇〇一年十月十日」となっている。
 文庫版219〜230頁「奥但馬紀行――文庫版あとがきに替えて」、230頁4行め、5字下げの日付「二〇〇五年四月十日」下部に「森まゆみ  」。左側やや下に5行、「山田風太郎記念館」の案内が載る。
 文庫版231〜234頁、田村七痴庵(治芳)「解説 風太郎さんのおはなし」。
 頁付があるのはここまでで、次の頁に「<初出誌>」を示す。2行めを詰めているのと、7行めの改行位置がズレている他は単行本に同じ。
 その裏、中央下部に小さく「本書は、二〇〇一年十一月筑摩書房より刊行された。」とある。次は白紙で、その裏、見開きに目録2頁、最後に奥付。(以下続稿)

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 笑うべし、ストックがあったのに結局休めなかった。

*1:ここの「について」は位置の通りに示した。