瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

赤いマント(194)

田辺聖子『私の大阪八景』(13) タヌキ先生
 昨日で『私の大阪八景』については一区切りにして、今日から新たに、大阪でやはり小学生時代にこの流言に接した人物の回想を取り上げる予定だったのだが、念のため「答案の回覧」について述べている本をもう1種、某区立図書館で借りていた本が予約が入ってしまい延長出来なくなったので、今日、返しに行くついでに予約して取り寄せて置いて、借りて来たのである。
 7月2日付(190)に、『田辺写真館が見た ”昭和” 』19章め「昭和の子供の夏休み」に「――このお話は前にもある所へ書いたことがあるけれども」とあるのを引いて、「ある所」すなわち7月1日付(189)に引いた楽天少女 通ります 私の履歴書の「再掲」と言いつつ、かなり大きな異同があることを指摘した。
 しかし「書いたことがある」のは1度なのだけれども、話したことが既にあって、それが7月1日付(189)に触れた、河合隼雄(1928.6.23~2007.7.19)のコメントを得た対談なのである。楽天少女 通ります』46頁6~10行めに、1行分空けて、

 
〈それはいい体験をされましたね〉
 といわれたのは河合隼雄先生である。(このときの対談は〈ほかのかたがたと共に〉『あ/なたが子どもだったころ』(講談社+α文庫)に収められている)ことに〈ばあばあばあちゃ/ん〉が〈時の氏神〉よろしく出現してとりなすところが、先生はよかったとおっしゃる。*1
〈日本戦前の、大家族制度の、よさですねえ。核家族ではこれができませんから〉

とあって、どうやら顚末をしっかり語ったもののようである。そこで、この本も借りて見ることとしたのである。
河合隼雄対談集『あなたが子どもだったころ』
・四六判並製本光村図書出版一九八八年六月二十三日第一刷発行・一九八八年七月三十一日第二刷発行・定価1200円・263頁

・四六判上製本(楡出版)一九九一年八月十四日第一刷発行・定価1457円・263頁
あなたが子どもだったころ―河合隼雄対談集

あなたが子どもだったころ―河合隼雄対談集

講談社+α文庫
 文庫版は未見。しかし単行本は2種、もう1冊は別の市の図書館で借りて、揃えることが出来た。(以下続稿)

*1:ルビ「とき・うじがみ」。