瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

日本の民話35『越中の民話』(4)

 3月11日付(3)に①第一刷のカバーについて記述した。
 このカバーイラストは2019年12月22日付「日本の民話55『越中の民話』第二集(1)」に述べたように、その後刊行された『第二集』に色違いで使用されている。しかし当時、私は『第一集』の方のカバーの掛かった本を見ていなかったので、⑤新版の『第一集』『第二集』の書影から推測したのであった。
 そして今、日本の民話35『第一集』の①第七刷と、まだ『第一集』になっていない①第一刷と、日本の民話55『第二集』の①第三刷の3冊を手許に並べている。
 まづ『第一集』の、①第一刷と①第七刷のカバーを比較して見よう。
 カバーの地色は①第一刷は深紅で、ねねま(赤ん坊)になった赤鬼に使用されている橙色も濃かったが、①第七刷は⑤新版の『第一集』と同じくらいに、どちらの色も淡くなっている。カバー表紙の異同は白抜きの標題の下に①第七刷は縦長のゴシック体縦組みで「第一集」が追加されていること。
 カバー背表紙は丸背で、本の厚さが①第一刷(1.5cm)に比して①第七刷(2.0cm)は増している。上部の白抜きの標題は同じ位置、その下に①第一刷は縦長のゴシック体でまづ2字分空けて「伊藤・石崎・佐伯編」とあったが、①第七刷は少し空けてやや太い縦長のゴシック体で「第一集」と入れ、それから2字弱空けて「伊藤・石崎・佐伯編」これは①第一刷と同版のようだ。①第七刷の最下部には2字弱空けて葡萄に「未 来」のロゴがあるが、これが私の見た①第一刷では貼付されている分類票のため見えなかった。同じ位置にあるとすれば文字からは4字分空いていることになる。
 カバー裏表紙、イラストは色の濃淡の違いのみ。異同は①第七刷には文字が全くないこと。
 カバー折返し、①第七刷も地色が表紙折返し(1.5cm)裏表紙折返し(1.0cm)ともに侵入しており、以下は白地で一部切除されているが幅は表紙折返しは 7.9cm、裏表紙折返しは 8.2cm。①第一刷の表紙折返しにあった文字はなくなっており、装幀・挿絵の松川氏の名は本書のどこにも残らなくなった。
 『第二集』の①第三刷のカバーは、地色は水色(シアン)でねねま(赤ん坊)になった赤鬼には桃色が使用されている。標題の下が「第二集」になっているが、これは『第一集』も『第二集』の刊行に合わせて「第一集」と入れたはずだから、体裁が揃っているのが道理である。大きく異なるのは最下部の白抜き横組み、左寄りの「日本の民話 55」の横長の明朝体、『第一集』は縦横とも同じ太さであったが『第二集』は縦及び斜めが太く、横が極端に細い。右寄りの版元名も同様だが『第一集』は「未 来 社」と字間に余裕があったのが『第二集』は「未来社」と詰まっている。
 カバー背表紙は同じ標題、その下の「第二集」は上に詰まって「第一集」のような半角分の余裕がない。その下、2字強空けて「石崎直義編」とある。最下部に葡萄に「未 来」のロゴ。
 カバー裏表紙は水色と桃色、それに黒のイラストのみで文字はない。
 カバー折返し、表紙折返しは水色(1.4cm)と白(7.9cm)、裏表紙折返しは水色(1.5cm)と白(8.0cm)で、やはり文字はない。本体を見ても、やはり装幀が松川八洲雄の担当であることはどこにも記載がない。(以下続稿)