瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

赤いマント(233)

・岩崎京子の赤マント(8)
 前回見た『昔話を語る女性たち』の奥付の裏に「遠野昔話ゼミナール2008 絵本と昔話」の告知が出ています。平成20年(2008)11月29日(土)と11月30日(日)の2日間で、1日めの 13:30~14:30 に石井正己の基調講演、次に「14:30~15:30 記念講演」として「子どもたちへの贈り物/児童文学作家  岩崎京子」が予定されています。
 これを纏めたのが次の本です。書影は4月8日付(228)に示しました。
・石井正己 編『昔話と絵本』平成21年11月13日 初版発行・定価1700円・178頁
 13~105頁「第一部 遠野昔話ゼミナール(二〇〇八年一一月二九日・三〇日、岩手県遠野市にて)」に、2日めの「語りの交流会」以外のプログラムが全て収録されているようです。
 35~53頁、岩崎京子「子どもたちへの贈り物」には、小学校の頃の回想は、37頁3行め~39頁13行め「二 看板絵とニライカナイ、蓬莱」の冒頭、37頁4行め「‥‥。子どもの頃、内風呂がなくて、銭湯に行ってたんです。銭湯には‥‥」くらいですが、恵泉女学園卒業時の回想があるのです。
 39頁14行め~42頁7行め「三 江戸時代から現代までの「桃太郎」」の41頁7~12行め*1

 私は、戦前に生まれて戦中ばっちり、戦後ばっちりというあれで、戦中に学校卒業したんです。/親も全然祝ってくれないんです。先生もそんなにお祝いしてくれないから、自分たちで祝うしか/ないのです。「グループで町へ出て、お食事をしてお芝居見て帰ろう」というので、ちょうど宝/塚劇場で「桃太郎」をやってたんです。高峰秀子の桃太郎、岸井明が犬、榎本健一が猿、灰田勝/彦が雉なんです。‥‥。それを見/て帰って。


 この宝塚劇場の「桃太郎」ですが、「渋沢社史データベース」の(株)東京宝塚劇場『東宝十年史』(1943.12)を見るに、「年表」昭和18年(1943)の「3月6日」条「東京宝塚劇場興行年表」として、

出演劇団:第八回東宝国民劇 榎本健一 高峰秀子 灰佃勝彦 岸井明 東宝舞踊隊 東宝楽劇団 演目:桃太郎 場数:三部四十場 作者:白井鉄造 和田五雄舞台 佐谷功監督 演出:白井鉄造 益田隆 東信一 三橋蓮子・花柳寿二郎振付 野口善春・近藤登殺陣 装置:横川信幸 石浜日出雄・島公靖装置 谷崎四郎・東原徹衣裳 真木小太郎 浅田二郎 音楽:山内匡二 栗原重一 若山浩一 北村滋章(~30日)

と見えています。スキャン時に生じた誤字が「灰田勝彦」以外にもあるようですが訂正するだけの知識もないのでしばらくそのままにして置きます。
 それはともかく、恵泉女学園専門部8回生は4月9日付(229)に確認したように、昭和18年(1943)3月卒業で間違いありません。
 さて、岩崎氏の居住地・学歴に関する検討はこのくらいで切り上げて、次回から、その赤マント体験について検討して行くつもりですが、確定は出来ませんが昭和11年(1936)4月恵泉女学園8回生として入学、と考えて、昭和11年(1936)3月、第二桜尋常小学校(現、世田谷区立桜丘小学校)卒業と仮定して進めて行くこととします。(以下続稿)

*1:4月14日追記】記載し忘れていた灰色太字の部分を補った。