瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

周防正行『シコふんじゃった。』(12)

 一昨日の続きで、「立教大学体育会相撲部」HP「周防正行さん特別インタビュー」について、今回も昨日と同じくモデルについて語っている部分を見て置こう。

・山本秋平のモデル
 それこそ、助っ人で行って、普通は体育会運動部から助っ人が行くんですけど、全くのノンポリ、って云うか、遊び回っている大学生が相撲と向き合う、と云う話にしたかったんで、テストモデルはないです。
立教大学相撲部OBがモデルになっている役
 穴山先生(柄本明)っていうのは、教立大学唯一の学生横綱経験者と云うことで、これは堀口さんがモデル。もし堀口さんが大学の先生で、かつて母校の相撲部で横綱になってたら、と云うことで。
立教大学相撲部OBのディック・ミネさん
 一番のお爺ちゃんの村上冬樹さん、あの方がディック・ミネさんをイメージしている。一番大きかったのは最後、エンディングで使った「林檎の木の下で」、実はディック・ミネさん往年のヒット曲。そこで立教大学相撲部にオマージュを捧げてる。これも立教大学相撲部に取材しているときに、堀口さんに教えてもらったんだと思うんですけれども、ディック・ミネさんがOBだよっていうのを聞いて、たまたま使うつもりでいたおおたか静流さんの新しいCDの中に「林檎の木の下で」が入っていたので驚いた。
・OBで厳しく叱責する方
 あの方(六平直政)は堀口さんとは全然違うタイプ。堀口さんみたいに優しい感じではなくて、滅茶苦茶なことを言うOBと云うことで、取り敢えず特定の誰かがモデルと云う訳ではなくて、堀口さんの逆、と云うイメージで作り上げた。立教大学相撲部OBと云うよりも、体育会系運動部の理不尽な(ところ)。堀口さんの紹介でOBの人たちには会っているが、OB会には参加していない。


 ここの「ノンポリ」は nonpolitical ではなく nonpolicy と云った感じであろうか。
 堀口圭一(1944~2007.1.4)については、「立教大学体育会相撲部」HPの「相撲部の歴史」のページ、「第2部 立教のレジェンド 堀口圭一先輩(昭和42年=1967年卒)」の項に詳しい。なお「第3部 映画「シコふんじゃった。」(周防正行監督 1992年)」はモデルとなった相撲部側からの証言として貴重である。
 さて、OB会会長*1のお爺ちゃんが峰安二郎と云う役名になっているのは、周防氏がインタビューで挙げたディックミネ(本名三根徳一。1908.10.5~1991.6.10)と、周防氏の敬愛する小津安二郎(1903.12.12~1963.12.12)を合わせたのだろうが、何処かに「安二郎」っぽいところがあるのかどうか、私には分からない。演じた村上冬樹(1911.12.23~2007.4.5)は撮影時79歳、新宿区荒木町の石畳の通りに面したマンション(現存)に住み、生涯現役だった。
 他に、因縁の相手である北東学院大学相撲部主将の倉高二段(宮坂ひろし)の初登場シーン、2017年4月17日付(05)で確認した、平成3年(1991)6月9日の「第70回学生相撲選手権東日本大会」で、教立大学相撲部主将の青木富夫(竹中直人)との対戦に際して、卒業したばかりのOBらしき私服の男性3人が、00:21:44~46、1人め「いけ」「いけ」2人め「ホクトー」3人め「」「ケン!! 」と云う手持ち看板を掲げる。これはもちろん『北斗の拳』のもじりなのだが、主将の名が倉高「ケン」なのだろう。と、ここで想起されるのが、明治大学相撲部OBの高倉健(1931.2.16~2014.11.10)である。

・体育会運動部のOBの存在
 OBの人たちがホント一生懸命。僕なんか最初意地悪く見ていて、相撲取る人がいないんなら潰しちゃえば良いじゃん、と。しかしOBたちは駄目だと。いつでも大学に帰る場所がある、それが自分たちが過ごしたクラブなんだと云う。あのときは結構冷たくクールに取材していたんで、そんなやりたくない学生引っぱって来なくても良いじゃないか、くらいに思ってたんですけど。OBの人たちがあぁ一生懸命なんだ、体育会運動部って凄いなって思いました。
「みんな仕事しながら週末やって、そういう部で何とか伝統が」
「今でもOBのボランティアにお願いする部分が多々ある」
 さっき会見で仰ってたじゃないですか、存続する理由の1つに、OBがきちんといて、支えてるって。
「ちょうど取材してらした頃って、ホントに部員が全員いない」
「専属の部員はゼロだった」
「12年間部員がゼロだった頃」
 立教大学の相撲部の稽古は見ていない。大会で助っ人が出ているのは見ているが、映画公開後に新座の新しい道場を見てるんですが。


 この他にも有名な「まわし」のギャグの由来などが語られているが、これは知られていると思うので割愛する。
 以上は飽くまでも私の興味に従って整理したので、意味の取り違えもあるかも知れない。詳細はインタビュー動画に就くことをお願いしたい。
 さて、ここで5月20日付(09)に述べた、本作が『ファンシイダンス』のヴァージョンアップ版に見える、と云う印象に話を戻すと、これは全くの(?)偶然で、もっと本格的な相撲映画を構想していたのが、ひょろひょろの学生が取っているクラスの学生相撲にしたために、結果的に前作『ファンシイダンス』と設定及び登場人物が重なって来た、と云うことらしいのである。
 なお、③桝井氏のインタビューはあまり当時の裏話に及ぶことがない。音量に注意を要する。(以下続稿)

*1:相撲部監督は六平直政をOB会会長と呼んでいるが、違う(らしい)。