・昭和56年頃に聞いた怪談ノート(2)前篇①
それでは2~17頁「前篇」を眺めて行くこととしよう。
2頁は1行めに2字下げで「前篇」とあり、1行空けて3行めから本文。まづ3~12行め、前置きに当たる文章を抜いて置こう。
三年の時は三人の先生に持ってもらいました。最初■野/先生という女の先生でしたが、子供を産むために一学期/から(終り)休み、夏休みから■田先生という三級先生/(初めて先生になる時、どこかの先生が長期休暇、入院だとか/言う時に代わりの先生として派遣される。その先生を三級/先生といった)がたん任になりました。この先生は子供とド/ッヂボールをすることがすきて、男も女の子も情け容赦/なく剛速球をなげつける、という、男みたいな女の先生/でした。私達の四組は明るい子ばかりのクラスでしたの/で、この明るい先生と気が合い、まるでお姉さんのように/話をしていました。ここで■田先生のした「こわい話」/を一つ。
5行めの「三級」を、父が鉛筆で囲って、右に線を引いて1行めに「産休」と書き直している。「産休」が分からなかったので「三級」だと思っていたのだが、したり顔で解説までしているところが我ながら何とも微笑ましい。必ずしも初めて教壇に立つときに産休代講をする訳ではないはずなのだが、私の当時の狭い見聞では、若くてまだ学校が決まっていない先生の、試用期間のように捉えていたらしい。
校訂案。
三年のときは三人の先生に持ってもらいました。
最初■野先生という女の先生でしたが、子供を産むために一学期(終わり)から休み、夏休みから■田先生という産休先生(初めて先生になる時、どこかの先生が長期休暇、入院だとかいうときに代わりの先生として派遣される。その先生を産休先生といった)が担任になりました。
この先生は子供とドッヂボールをすることが好きで、男も女の子も情け容赦なく剛速球を投げつける、という、男みたいな女の先生でした。私たちの四組は明るい子ばかりのクラスでしたので、この明るい先生と気が合い、まるでお姉さんのように話をしていました。
ここで■田先生のした「こわい話」を一つ。
■田先生は2017年4月9日付「大澤豊監督『せんせい』(1)」に取り上げた、映画『せんせい』の五十嵐めぐみ演ずる山口竹子先生に、雰囲気が似ている。革ジャンでバイクに乗ったかどうかは分からないが、髪型やドッヂボール好きなど、かなり共通しているように感じられた。(以下続稿)
【9月30日追記】原本の当記事に関連する写真を貼付した。