瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

ビートたけし『たけしくん、ハイ!』(55)

 オークションサイトを見るに、緑色のゴシック体横組みの「描いて語って、笑われた。ビートたけしの絵本」とのトレーシングペーパーの帯が掛かっている①単行本が出品されていた。しかし刷次が分からないし、終了後に閲覧出来なくなるだろうから、リンクは貼らないで置く。
新潮文庫5441(2)
 3月2日付(52)に、初刷と六刷を比較した。但し当時私の見ていた初刷に掛かっていたカバーは、発行から1年ほど後に掛け替えられたものであった。
 その後、別の図書館から初刷を借りたのだけれども、これは更に後のカバー(定価514円)である。その点を、3月2日付(52)に取り上げた初刷のカバー(定価505円)と比較しつつ、確認して置きたい。
 一致するのはカバー表紙のみである。
 カバー背表紙、最下部「¥514」。
 カバー裏表紙、バーコードの2つめが「1920195005149」、「定価:本体514円(税別)」そして「C0195 ¥514E」。
 カバー裏表紙の「ビートたけしの本」は10点、定価505円のカバーの9点に「たけしの死ぬための生き方」が追加されている。

 これは平成9年(1997)7月刊なので、それ以降のカバーと云うことになる。
 カバー表紙折返しの紹介文、1行め、定価505円のカバーは最後の句点をぶら下げにしているが、定価514円のカバーは括弧を半角にして追い込んでいる。2行めは定価505円のカバーに一致。「映画や」から「著書に」までは六刷と同文。

1947(昭和22)年、東京足立区生れ。/明治大学中退。浅草フランス座で芸/人修業中に知り合った同僚と漫才コ/ンビを結成。後に「ツービート」とし/て、漫才ブームで一躍人気者となる。/コンビを解散後もソロとして、テレ/ビやラジオの出演、映画や出版の世/界などで国民的な活躍を続けている。/映画監督・北野武としても世界的な/名声を博す。’97年には「HANA-BI」/でベネチア国際映画祭グランプリを/受賞した。著書に『草野球の神様』/『たけしの20世紀日本史』など。


 「同僚」を六刷のカバーは「きよし」と明示。
 それはともかく、このカバーは第54回ヴェネツィア国際映画祭での金獅子賞受賞を受けての掛け替えで平成9年(1997)9月以降、つまり初刷発行から2年4ヶ月以上も後に掛け替えられたものである。初刷は余程大部数刷ったのだろう。しかし、3月4日付(54)にて確認したように①単行本が、昭和60年(1985)のNHK銀河テレビ小説「たけしくんハイ」放送終了時に五十版、8週間後に七四版、翌昭和61年(1986)には銀河テレビ小説「続たけしくんハイ」も放送されたから、さらに多くの増刷がなされたことであろう。しかもその度に少なからぬ部数が増刷されただろうから、増補も「解説」の追加もない文庫版が出たところで、売れないことはなかっただろうが、新潮社が思っていたほどには売れなかったろう。
 それよりも私が気になるのは、『たけしの死ぬための生き方』があってヴェネツィア映画祭の記述がないカバーがあったかどうか、である。(以下続稿)