瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

道了堂(65)

 5月29日付(64)の続きを上げるべきなのだけれども、仕事の締切などもあって余裕がなかったので差当り以前書きさしていた草稿や、すぐにでも纏まりそうな本についての記事を挙げて置いた。続きについてはもう少し詰めて置きたいこともあり、もうしばらく後回しにする。閲覧者も激減(?)しているので別に何とも思われないだろうし。今回は、次の本について確認を済ませて置きたい。
・羽根田正明『多摩の古道と伝説』昭和52年5月15日 印刷・昭和52年5月20日 発行・¥ 1,000・羽根田正明・182頁・四六判並製本
 カバー表紙には、中央やや下から右へ道了堂から唐木田に掛けての地形図、背表紙は白地だが裏表紙にも続いて左から中央に掛けて上小山田・下小山田・圖師・小野路と云った辺りの地形図を斜めに、赤茶色の太い枠(幅0.7cm)に示す。カバーの地色は褪色しているが淡い橙色で、カバー表紙上部に明朝体横組みで大きく標題、その下に「羽根田正明著」、下部中央にやや横長の明朝体横組みで「有 峰 書 店」。カバー背表紙は上半分に標題、その上下、半角分ずつ空けて褪色して淡い緑色に見える太い横棒(0.4×1.2cm)、下部に「羽根田正明著」。カバー裏表紙、最下部左寄りに明朝体横組みで小さく「¥1000   0021-61-0115」とある。カバー折返しはそれぞれ1.0cmほど表紙の地色が入り込んでいる他は白地で、文字はない。
 見返し(遊紙)は厚い白紙で、次いで黄土色の薄い扉には左寄りに縦の太線(14.0×0.1cm)があって、明朝体縦組みでその右、上に「羽根田正明著」左に大きく標題、左の下に「有峰書店」。右側は下寄りに厚木村付近の村とその間の道を示した著者手書きの略図。
 1~3頁(頁付なし)「まえがき」は「昭和五十二年五月三日」付。
 4頁(頁付なし)は左を上にした横長の展望図で、図の下左にゴシック体横組みで「多摩丘陵越えの七条の古道」とある。そのほぼ中央に「道了堂」そして「埼玉道/ (鑓水峠)」がある。
 5頁(頁付なし)は中扉で上部中央に明朝体縦組みで標題。
 7~12頁(頁付なし)「目次」。
 13頁(頁付なし)は著者手書きの「[多摩の古道]」の略図。但し北限は東浅川・八王子・府中・豊島で、南が足柄峠・笠窪(至国府津)までで多摩よりも相模国の範囲が広い。
 14~61頁「第一章 秩父・毛野への多摩横山道」
 62~71頁「第二章 七国峠道」
 72~82頁「第三章 御殿峠道」
 83~90頁「第四章 鑓水峠道(埼玉道)」
 91~115頁「第五章 奥州廃道(鳥居峠越え)」
 116~126頁「第六章 奥州古道」
 127~147頁「第七章 延喜式兵部省道」
 148~157頁*1第八章 鎌倉古道」
 159頁(頁付なし)扉「関東地方とその周辺にみえる環状列石」161~178頁本文。本書刊行の前年に『日本の環状列石』と云う本を出している羽根田氏らしい附章である。

 179~180頁「あとがき」は後半を見て置こう、180頁1~10行め、

‥‥。国木田独歩の武蔵野を愛する心以上/に私はこの多摩の東国古道に無限の愛着をもつものである。そんなところに私の心が動いて、多摩/の東国古道に挑戦したのが五年前、記録、取材、写真はもちろんのこと、廃たれた道、あるいは舗/装されたかつての古い道の追究は、なかなか大変なものであった。この本をまとめるにあたり現地/に案内してくださった多くの方々や、資料の提供、そして種々と御教示をたまわった先輩知友の方/々、また末尾にのせた参考文献による記載、数々の御厚意と御指導に感謝の意を表するしだいであ/る。なお調査研究の不十分のため何程かの間違いもあろうかと思うので、読者諸兄諸姉の方々によ/る御意見を賜わるを得ば幸甚とするところである。
 
    昭和五十二年三月三日
                                羽根田 正 明


 実地に歩いて「五年前」すなわち昭和47年(1972)以来の写真を多く載せているのが本書の手柄である。但し初刊なのに刷りが鮮明ではない。
 181~182頁「参考文献」には27点を挙げている。5点め(181頁6行め)の「奥多摩(米光秀雄、滝沢博、浅井徳正 武蔵書房)」は22点め(182頁5行め)に「多摩(米光秀雄、滝沢博、浅井徳正 武蔵書房刊)」があるから『続多摩』の誤りらしく思われる。24点め(7行め)の「呪われたシルクロード(逸見じゅん 角川書房)」は著者「辺見じゅん」と版元「角川書店」が間違っている。27点め(10行め)は「日本の環状列石(羽根田正明 大陸書房)」。
 次いで奥付、上部に明朝体横組みで「著者略歴(はねだ まさあき)」がある。2~5行め、

1917年福島県に生まれる
陸軍士官学校・陸軍通信学校卒
戦後古代史研究に専念
著書「日本の環状列石」大陸書房


 6行めに住所、7行めに電話番号。下部の奥付には「著者兼発行者 羽根田 正 明」とあって、発売所として「有  峰  書  店」と「武蔵野郷土史刊行会」の住所と電話番号、前者は振替番号を示す。カバー及び扉には版元のように「有峰書店」とあったが実は自刊なのであった。
 奥付の裏に「■好評既刊図書」として縦組みで4点8冊の目録。版元名がないが有峰書店の刊行物である。(以下続稿)

*1:目次」11頁2行めは頁を「一四九」とする(半角漢数字)。