日本の女流作家の歴史小説で、永井路子や杉本苑子のように冊数の多くない人の分をここに纏めて置く。
【來水明子】
題名からして最初歌集かと思っていた。寝間の本棚にあって、若い古本屋が採ってくれた。
・『殘花集』昭和三十八年五月 二 十 日 印刷・昭和三十八年五月二十五日 発行・定価四二〇円・桃源社・257頁・四六判上製本角背函入
私は来水明子(1932.1.26~1999.10.29?)について全く知らず、川口則弘のサイト「直木賞のすべて」の「候補作家の群像/来水明子」によって色々と教えられた*1。第37回・第46回・第47回・第49回と4度直木賞候補になっており、朝井リョウに抜かれるまで、最年少の直木賞候補作家だった。30歳前後で続けざまに『背教者』『涼月記』『短夜物語』の長篇3冊と最後に本書の合計4冊を刊行しているが、以後は、歴史雑誌の書き手として活動していたようだ。
川口氏はブログ「直木賞のすべて 余聞と余分」でも2008年6月1日「読みづらい、って決して欠点じゃありません。一人の女流作家の生きざまです。 第46回候補 来水明子『背教者』」なる記事に來水氏を紹介している*2。
直木賞候補(小説新潮賞候補・女流文学賞候補でもある)来水明子さんも、自殺だったらしい。彼女の作品もそうとう取っつきにくく、しかし読みでのある小説で、好きだ。
— pelebo (@pelebo) 2011年1月17日
オール新人杯作家で、直木賞候補、女流文学賞候補、小説新潮賞候補、来水明子さんの没年月をようやっと追加する。遺された作品は少いけど、忘れ難き作家。
— pelebo (@pelebo) 2011年7月29日
川口氏の関連する tweet も挙げて置こう。ブログのコメントと Tweet の時差が少々気になる。
著書は全て国立国会図書館デジタルコレクションの送信サービスで閲覧可能となっている。殆ど忘れられた、再刊の見込みのない本は著作権切れを待たずにこのような形で閲覧可能にするべきだと思う。そうでないといよいよ忘れられてしまうだろう。そして、著作権保護期間は、改めて50年に戻すべきだろう。ほんの一握りが儲けるだけの仕組みである。どうして70年後の子孫の面倒まで見てやらにゃならんのか。
【樋口茂子】
・PHP文庫 ひ 10 1『小説 壬申の乱――星空の帝王』1996年5月15日 第1版第1刷・定価738円・PHP研究所・445頁※ 帯あり「PHP文庫|今月の新刊」
この本は寝間の本棚にあったと思う。(以下続稿)