瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

祖母の蔵書(73)源氏物語①

 仏間の硝子棚より。
・日本古典文學大系『源氏物語』山岸徳平校注岩波書店)A5判上製本
 函に赤い帯、本体を包むパラフィン紙は完備。但し『二』と『五』の月報欠。

 祖母は原文は『日本古典文學大系』の全5巻を揃いで、その他にも現代語訳や概要に鑑賞を加えたもの、主題別の評論・エッセイなど多数所蔵していた。
 よって祖母の蔵書によって私もやる気さえあれば『源氏物語』をみっちり勉強することが出来るのだが、向後そのような暇は恐らくなさそうだ。祖母の読んだ本を引き受けるには、祖母と同じくらい暇で人に煩わされない老後が必要である。かつ、とにかく黙って読むような風でないといけない。祖母はとにかく読むだけ読んで、何もしなかった。が、それは映像作品を愉しむ人が自分では作品を作らないようなもので、祖母にとっては活字の世界が娯楽だったのである。私は娯楽としての読書が出来ない人間で、読むと何かしたくなってしまう。それで赤マント流言を調べたり青木純二を調べたり道了堂を調べたり赤堀又次郎を調べてしまう。そんな按配では、祖母の蔵書を引き継ぐことは土台無理なのである。
 私より一回り上の女子高の同僚は、一夏掛けて『源氏物語』を原文で通読したそうだが、私は結局原文はほんのさわりだけになりそうだ。
・14『一』昭和33年1月6日 第1刷 発行 ©・昭和45年8月20日 第14刷 発行・定価1000円・498頁 「月報」9(昭和33年1月/日本古典文學大系/第14卷附録)12頁
・15『二』昭和34年11月5日 第1刷 発行 ©・昭和45年4月15日 第12刷 発行・定価1000円・509頁・16『三』昭和36年1月6日 第1刷 発行 ©・昭和45年4月15日 第11刷 発行・定価1000円・489頁 「月報」45(昭和36年1月/日本古典文學大系/第16卷附録)12頁
・17『四』昭和37年4月5日 第1刷 発行 ©・昭和44年11月15日 第10刷 発行・定価1000円・538頁 「月報」58(昭和37年4月/日本古典文學大系/第17卷附録)12頁
・18『五』昭和38年4月5日 第1刷 発行 ©・昭和45年6月20日 第9刷 発行・定価1000円・516頁岩波文庫30-015-1 山岸徳平 校注『源氏物語(一)1965年6月16日 第1刷発行©・2008年6月5日 第58刷発行・定価900円・岩波書店・436頁 36~37頁に「新潮新書」の栞、370~371頁に書店で配っていたらしき水色の紙に刷ったチラシ「『ハリー・ポッターと死の秘宝』ご予約受付中」の上部が挟まる。「2008年7月23日、日本に上陸!」とある。
 次の本は寝間にあった。
・角川文庫2209 玉上琢彌 訳注『源氏物語』第三巻(昭和四十一年二月二十五日 初版発行・昭和五十三年七月 二 十 日 十版発行・¥380・角川書店・412頁)
 カバー表紙折返しの下半分「角川映画第三弾野性の証明」の広告、最下部にゴシック体「カバー絵 国宝『源氏物語絵巻』「宿木」部分/     徳川黎明会蔵」。何故か「時代小説文庫」の栞が112~113頁の間に挟まっていた。
 今後、原文・校注本の類が出て来たらここに追加して行くこととしよう。(以下続稿)
2023年6月15日追加
岩波文庫30-015-1 山岸徳平 校注『源氏物語(一)1965年6月16日 第1刷発行©・1993年12月6日 第40刷発行・定価699円・岩波書店・436頁※ 栞あり広辞苑』第四版の広告、裏面「七厘しちりん 言葉の寄り道 [4]『広辞苑』によれば
 「O-net」と「青年海外協力隊員募集」の広告のカバーが掛かる。後者は「平成9年度春の隊員募集中〈4/15~5/31〉」。平成9年(1997)4~5月に購入したようだ。
 今の部屋に転居する前に買って、転居の折に客間のクローゼットの右1段めに仕舞い込んで忘れてしまい、2008年に改めて全6冊のうち(一)だけ、買ってしまった、と云うことなのであろう。