瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

祖母の蔵書(085)佐伯泰英⑤

 次のシリーズがほぼ揃いで持っていた。
光文社文庫/光文社時代小説文庫『夏目影二郎始末旅』
 最終巻『神君狩り』は祖母が施設に入ってから出ているので買っていないが、2003年11月以降に刊行された9冊は新刊で買っている。それ以前の5冊も2003年に買い揃えたらしい。
さ 18-1『破牢狩り』2001年5月20日 初版1刷発行・2003年10月25日   10刷発行・定価619円・401頁

さ 18-2『妖怪狩り』2001年11月20日 初版1刷発行・2003年6月20日   5刷発行・定価629円・417頁さ 18-3『百鬼狩り』2002年5月20日 初版1刷発行・2002年10月20日   3刷発行・定価619円・393頁さ 18-4『下忍狩り』2002年11月20日 初版1刷発行・2002年12月20日   3刷発行・定価619円・392頁 カバー裏表紙の紹介文(明朝体12行・1行14字)の最後に「 大好評の夏目影二郎始末旅!」とある。しかしまだシリーズ名に採用されていない。
さ 18-6『五家狩り』2003年6月20日 初版1刷発行・2003年8月15日   3刷発行・定価590円・382頁さ 18-8『八州狩り』2003年11月20日 初版1刷発行・定価590円・358頁さ 18-10『代官狩り』2004年4月20日 初版1刷発行・定価619円・388頁さ 18-12『鉄砲狩り』2004年10月20日 初版1刷発行・定価571円・348頁さ 18-14『奸臣狩り』2005年5月20日 初版1刷発行・定価571円・339頁さ 18-16『役者狩り』2006年1月20日 初版1刷発行・定価571円・330頁さ 18-18『秋帆狩り』2006年10月20日 初版1刷発行・定価571円・328頁さ 18-20『鵺女狩り』2007年10月20日 初版1刷発行・定価571円・332頁
 以上12冊はカバー表紙折返し、最下部右寄りに「カバーイラスト 倉橋三郎」とある。しかし本書は改装後の書影しか表示されない。
さ 18-22『忠治狩り』2008年7月20日 初版1刷発行・定価571円・327頁
 本書も改装後の書影しか表示されないが、カバー裏表紙折返し、最下部左寄りに「カバーイラスト――倉橋三郎/カバーデザイン――KINDAIカバーイラスト――堀内印刷」とあってレイアウトは既刊12冊に同じ。
さ 18-33『奨金狩り』2009年10月20日 初版1刷発行・定価571円・322頁※「大「佐伯泰英」フェア」帯あり。裏表紙側折返し「大「佐伯泰英」フェア/「狩り」シリーズ全点/カバーリニューアル記念/特製手ぬぐいを抽選で1,000名様にプレゼント!」右下角に「応募券」、「締め切り●2009年12月15日(火) 当日消印有効」。裏表紙側には26点を挙げてあるが「最新刊」として本書と『夏目影二郎「狩り」読本』の2点が挙がるが、関連本の方は買わなかったようで見当らなかった。
 本シリーズ、シリーズ名が中々ややこしい。14冊めの『奨金狩り』のカバー表紙に「夏目影二郎/始末旅(十四)」カバー背表紙の標題の下「 夏目影二郎始末旅(十四)*1」とシリーズ名と番号が示されるが10冊めの『役者狩り』までカバーにシリーズ名がなかった。11冊め『秋帆狩り』になってカバー裏表紙折返しに「光文社文庫時代小説文庫絶讃発売中!/[     佐伯泰英傑作群     ]」として既刊分を列挙していたところに初めて「―――――狩りシリーズ―――――」11点と「――――吉原裏同心シリーズ――――」7点のシリーズ名が示される。『鵺女狩り』では「狩りシリーズ」12点「吉原裏同心シリーズ」8点になっている。
 ちなみに『破牢狩り』は「狩り」5点「吉原」2点、『妖怪狩り』は「狩り」2点のみで2002年5月より前のカバーと云うことになる。『百鬼狩り』は「狩り」3点のみ、『下忍狩り』は「狩り」4点のみ、『五家狩り』は「狩り」5点「吉原」1点、『八州狩り』は「吉原」2点「狩り」6点、『代官狩り』は「狩り」7点「吉原」3点、『八州狩り』では「●八州狩り」が最後だったが『代官狩り』は「●八州狩り/●代官狩り」が最初になっている。これはこの2作が実は『破牢狩り』に先行して別の出版社から刊行されていたからで「狩り」はこの2点のみ標題に小さく「<文庫書下ろし>」と添えていない。「吉原裏同心」も最初の2作には「<文庫書下ろし>」と添えていない。『鉄砲狩り』は「狩り」9点と「吉原」5点、すなわち2005年5月以降のカバーで『奸臣狩り』も同じ。『役者狩り』は「狩り」10点「吉原」6点。
『忠治狩り』はカバー裏表紙折返しのレイアウトが変わって「佐伯泰英の作品」として「◆狩りシリーズ」13点「吉原裏同心シリーズ」9点、は武田菱のように4つのから成る。
『奨金狩り』は「佐伯泰英の作品  印は文庫書下ろし」とあって一々「<文庫書下ろし>」と添えるのを止めている。「◆狩りシリーズ」14点、うち「八州狩り 夏目影二郎始末旅㈠」から「五家狩り 夏目影二郎始末旅㈦」の左側に「┌――[版装新]――┐」と添える。更に「」で仕切って「夏目影二郎「狩り」読本 」そして「吉原裏同心シリーズ」は左右2列に11点*2。すなわちここでも「夏目影二郎始末旅シリーズ」とせず、しかし副題のように「夏目影二郎始末旅」として初めて番号を振っている。それから㈧から(十三)もやはり番号を打ったカバーに改装されたはずなのだが[新装版]と断っていないのは時期が違う、すなわち㈠~㈦に先行していたからなのだろうか。
 では「夏目影二郎始末旅」と云うシリーズ名は途中から発生したのかと云うと『破牢狩り』396~401頁、縄田一男解  説」に、397頁9~11行め、

 ところで、この〈夏目影二郎始末旅〉は、これまで『八州狩り』『代官狩り』が日本文芸社/から刊行されていたが、本書からは光文社文庫のオリジナル書下ろし作品として登場。前二作/も順次、本文庫に収録される予定である。‥‥

とあるから当初からシリーズ名のような按配であった。また『破牢狩り』の5頁(頁付なし)中扉に明朝体太字の標題に添えて「破牢狩り 夏目影二郎始末旅」とあり、以下『五家狩り』まで同様、『八州狩り』は「夏目影二郎赦免旅」、『代官狩り』は「夏目影二郎危難旅」だが『鉄砲狩り』から『鵺女狩り』までは「夏目影二郎始末旅」、『忠治狩り』は「忠治狩り――夏目影二郎始末旅」と少し体裁を変え、『奨金狩り』で初めて1頁(頁付なし)扉の標題下に「夏目影二郎始末旅)(十四)」と添え、5頁(頁付なし)中扉には「奨金狩り 夏目影二郎始末旅(十四)」とする。ともに「十四」は縦に並べて左右の( )とで1字分。
 カバー背表紙は『鵺女狩り』まで黒地の旧来の体裁で、『忠治狩り』と『奨金狩り』が白地をベースにした原稿の体裁になっている。
 しかしとにかくシリーズ名が分かりにくい、と云うか一定した呼称になっておらず、漸く(十四)刊行時に全点カバーリニューアルされた新装版になって番号が打たれ、順番も分かり易くなったようである。そして今や新装版ではなく決定版が電子書籍になっているのである。(以下続稿)

*1:半角漢数字を左右から括弧で挟む。

*2:6月24日付(084)に見た『吉原裏同心』3冊のカバー裏表紙折返し、『(十二)再建』は本書にほぼ同じで異同は「吉原裏同心シリーズ」が12点、最後に本書が追加されていること。『(十三)布石』では「吉原裏同心シリーズ」13点が上になって「◆狩りシリーズ」が下になっている。『(十六)仇討』は「佐伯泰英の作品」とのみで「印は文庫書下ろし」がなくなっている。「吉原裏同心シリーズ」は16点、「夏目影二郎始末旅㈠」~「㈦」の左側「┌――[版装新]――┐」もなくなっている。