日記の11日め。【 34 】頁上段18行めから下段7行めまで。
下段の余白、下部に四角いお盆の上に桃を3つ盛った六角形の陶器の鉢に陶器の水差しが載っているカットがあります。
今回新たに新字で代用した漢字は「娯」です。
×月×日
おふくさんと伏見の停留所で別れてからすでに二年になる。*1
自分は今朝新聞を見て驚いた。ラヂオ版におふくさんの寫眞が出てゐ/る。娯樂の時間、午後八時五十分から、富士雪子の浪花節〃義民新助〃*2【34上】が放送されるといふ。*3
夜、妻とゝもにラヂオを聽く。*4
寫眞は近影であるらしいが、二年前のおふくさんと少しも變つてゐな/い。*5
〃義民新助〃は、伏見で聽いたときよりも一層うまくなつてゐる。*6
その後のおふくさんは不幸ではないらしい。*7―をはり―