瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

道了堂(59)

・新八王子市史民俗調査報告書 第2集『八王子市東部地域 由木の民俗』(4)
 3月28日付(22)の続きで、うっかりして「巻末資料」より後を見て置くのを忘れていたのを補って置こう。
 356~357頁「関係者一覧」は、まづ356頁に「話者・協力者及び協力機関(五〇音順、敬称略)」として上段に105人、下段18機関を並べる。357頁は上段1~15行め「調査・執筆分担一覧」は11名、16~22行め「図版製作」はうち3名、必ずしも執筆を担当した章節の図版を製作した訳ではない。下段1~14行め「八王子市市史編集専門部会民俗部会」は12名、専門調査員6名のうち最後に名前の挙がる「三代 綾  (國學院大學大学院)」だけ調査・執筆を担当していない。三代氏は現在日野市郷土資料館学芸員。なお、委員長の小川直之(1953.2生)は國學院大學教授、他にも國學院大學兼任講師が2名、ポスドク研究員が1名、合計5名が國學院関係者で、他にも國學院の卒業生がいるかも知れない。15~21行め「事務局(本調査報告書の関係職員のみ)」は6名、八王子市職員であろう。
 横組み(左開き)3列の「索   引」(12)頁。最後の頁は下部に囲みに横組みの奥付。上部左にも明朝体横組みで「表紙写真/小泉稲荷(鑓水)」1行分空けて「表紙イラスト/宮本八惠子」。
 さて、本書の章立てについては3月26日付(20)の最後と3月27日付(21)の最初に述べたが、これまで取り上げた章節の執筆者だけでも確認して置こう。すなわち、3月27日付(21)に見た第四章は「一、二」が津山正幹(八王子市文化財保護審議会委員)、「三~七」が宮本八惠子(日本民具学会会員)で、ともに部会委員5名に入っている。

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 今後、詳しく検討する予定の317~338頁「第十章 口承文芸」は「一~四」が専門調査員の高久舞(國學院大学研究開発機構研究開発推進センターポスドク研究員)、「五」が部会委員の小野寺節子(國學院大学兼任講師)の担当である。
 以下、内容をざっと見て置こう。
 317頁上段~318頁下段5行め「一 民間説話」は317頁上段2~4行め、

 由木地区で採話された民間説話(民話)などは既刊資料に記録されている。/ここでは、内容別に分類し、記録されている話の題名及び掲載紙を記して/いく。

として、5~11行め「地名の出て来る民話」7題、12~18行め「衣食住、生業に関する民話」3題、下段~318頁上段2行め「遺跡や自然に関する民話」16題、3~15行め「人物に関する民話」8題、16~24行め「動物に関する民話」5題の合計39題を列挙する。本文や要旨はなく題のみ、地域別に挙げる。例えば317頁下段6~7行めには、

〔鑓水/道了堂〕
 「白水」

とある。そして最後、318頁上段25行め~下段5行めに、

右記の民話が掲載された既刊資料
小倉英明『私たちの郷土由木村』 昭和三十六年
清水成夫編『八王子周辺の民話 郷土資料シリーズ (四)』【上段】
東京都立八王子図書館 秋間節愛 昭和四十三年
清水成夫『八王子ふるさとのむかし話 (巻二)』甲文社 昭和五十五年
創価大学民話研究会編『はちおうじの昔話』有峰書店 昭和五十二年
『平成十四年基本年 故郷 中山の文化』「故郷 中山の文化」写真集刊行会/ 平成十七年

と文献を列挙している。次の318頁下段6行め~319頁「二 伝説」になると、前置きの318頁下段7~9行めに、

 地名、石、石仏、社寺などにまつわる伝説は数多く存在する。既刊資料に/は、由木地区内の地名由来譚などが採録されているため、ここでは平成二十/三年から平成二十四年の民俗調査内にて採話できた伝説について記していく。

とあって、10~22行め「地名に関する伝説」として4話、例として2話めを抜いて置こう。15~17行め、改行位置は「|」とした。

・永泉寺の奥の方の谷戸をヨメイリという。近くの沢(ミコノサワ)に巫女が|いて踊ったりしたという。それでこちらの谷戸から弓を射ったらその巫女に|当たった。巫女は狐だったという。    〈鑓水、男性/昭和十二年生〉


 他の話も同じように記載されている。続いて318頁下段23行め~319頁上段8行め「ハリツケバの伝説」2話、9~24行め「神社仏閣、塚の伝説」3話、25行め~下段13行め「特定の作物を作らない家の伝説」2話、14~18行め「赤錆の伝説」1話、最後19~23行め「右記以外の地名由来譚、伝説が掲載されている既刊資料」として「民間説話」にも載る『私たちの郷土由木村』『八王子ふるさとのむかし話 (巻二)』『平成十四年基本年 故郷 中山の文化』の3点。4行分余白。
 320~321頁上段11行め「三 世間話」は10題15話が「伝説」と同様に記載されている。前置き等はないが同じ調査の際の記録だろう。
 321頁上段12行め~324頁上段15行め「四 俗信」も321頁上段13~15行め、

 俗信に関しても既刊資料に多数採録されているため、二節と同じく平成二/十三年から平成二十四年の民俗調査内にて採話できた俗信について記してい/く。

とあって10題49条。最後、11~15行め「右記以外の俗信が掲載されている既刊資料」として「民間説話」と「伝説」にも載る『私たちの郷土由木村』『八王子ふるさとのむかし話 (巻二)』と14~15行め、

小泉栄一「八王子市鑓水地区の俗信拾い書き」(多摩文化資料室編『多摩のあゆみ』 第三十号 多摩中央信用金庫 昭和五十八年)

の3点。324頁上段16行め~338頁「五 わらべうた・民謡」は担当者が違うことと伝説等のような差障りになるようなこともないためか、話者(歌唱者)の氏名と略伝が紹介されている。(以下続稿)