瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

祖母の蔵書(12)子母沢寛

 差当り紙袋に入っているものを持って来たので、新刊の書き下ろし時代小説が中心になった。しかしそうこうするうちに7月も終わりである。今年度1回めの来週月曜の引落しに備えて健康保険税を入れて置いた。今月分の家賃を振込んで置いた。もうそろそろ本棚にあるものに手を着けないといけない。しかし、それこそ何がどのくらいあるのか、ちょっと分からない。
 紙袋にまとめてあったもので、まとまった冊数あった書き下ろし時代小説は、3日前まででほぼ済ませたはずである。一昨日は平岩弓枝を取り上げた。昨日は余裕がなくて、冊数の少ない書き下ろし時代小説作家を取り上げた。後、何人かいるのだが、1人1記事にすると書くのは楽だが、整理が進まない。正直、扱いに困っている。
 それはともかく、今日から、昭和の作家の昭和の作品を取り上げることにする。
新潮文庫『親子鷹』
 巻についてはカバー背表紙は横並びで「(上)」、本体表紙は「 (上) 」、カバー表紙「上巻」、本体表紙「上   巻」、1頁(頁付なし)扉「上  巻」、7頁(頁付なし)中扉「上 巻」、奥付「(上)」。
新潮文庫1635/し-6-7『上巻』昭和三十九年 六 月 五 日 発  行・平成 六 年 一 月 五 日 二 十 刷・定価552円・435頁

新潮文庫1636/し-6-8『下巻』昭和三十九年 六 月 十 日 発  行・平成 六 年 一 月 五 日 二 十 刷・定価544円・430頁 祖母の持っていたものと一致する書影は『下巻』の方で、『上巻』は参考までに示したまでである。祖母の持っていた『上巻』は『下巻』と色違いで、赤茶色地に同じように文字を配し、左上に竹刀を構える市川染五郎(現・十代目松本幸四郎)、右下に松本幸四郎(現・松本白鸚)と山本陽子。ともに二十刷で同日の増刷であるが、これは平成6年(1994)1月11日から3月22日まで全11回、毎週火曜 20:00~20:54 に日本テレビ系で放映されたTVドラマを当て込んだもので、上下ともカバー表紙折返しの右下に「写真提供=日本テレビ・松竹」とある。ただ奇妙なのは『上巻』はカバー裏表紙に「定価:本体552円(税別)」或いはCコードに次いで「¥552E」、カバー背表紙の最下部を黒地にして白抜き「¥552E」とあるが、『下巻』はカバー裏表紙に「定価:本体560円(本体544円)」或いはCコードに次いで「P560E」、カバー背表紙の最下部に「560」に太い下線がある。これは『下巻』が刊行当時の形式で『上巻』はやや新しいことを示唆しているが、祖母はいつ買ったのだろうか。揃いで買ったのだろうか。TVドラマは見ていたのだろうか。
新潮文庫勝海舟
 標題はカバー背表紙は「勝 海 舟 ㈠」、本体背表紙はやや小さく「勝  海  舟 (一)」としてその右に小さく「黒 船 渡 来」と添える。カバー表紙は明朝体太字縦組みで中央に大きく「勝海舟 ㈠ 黒 船 渡 来」1頁(頁付なし)扉は上部中央に明朝体横組み中央揃えで「勝  海  舟/第一巻・黒船渡来」、本体表紙も似たレイアウトだが巻と副題がより小さい。3頁(頁付なし)中扉には明朝体縦組みで中央にやや大きく「勝  海  舟  第一巻・黒船渡来」、奥付の上部には明朝体横組みで「勝  海  舟*1―第一巻・黒船渡来―」とある。以下、巻と副題を挙げて行こう。
新潮文庫1848/し-6-1『第一巻・黒船渡来』昭和四十三年十一月 三 十 日 発  行・平成 十 一 年 一 月 十 五 日 五十七刷・定価667円・497頁
新潮文庫1849/し-6-2『第二巻・咸臨丸渡米』昭和四十三年十一月 三 十 日 発  行・平成 十 年 九 月二十五日 五十四刷・定価705円・529頁
新潮文庫1850/し-6-3『第三巻・長州征伐』昭和四十三年十二月二十五日 発  行・平成 七 年 六 月 二 十 日 四十九刷・定価705円・594頁
新潮文庫1851/し-6-4『第四巻・大政奉還昭和四十三年十二月二十五日 発  行・平成 十 年 二 月 二 十 日 五 十 刷・定価590円・492頁
新潮文庫1852/し-6-5『第五巻・江戸開城昭和四十四年 一 月二十五日 発  行・平成 八 年 五 月 三 十 日 五 十 刷・定価629円・526頁
新潮文庫1853/し-6-6『第六巻・明治新政』昭和四十四年 一 月二十五日 発  行・平成 九 年十二月 十 五 日 五十一刷・定価629円・526頁
 現在は改版の書影しか表示されない。旧版のカバーは白地で標題・巻・副題の他に、左下にやや大きく明朝体太字縦組みで「子母沢 寛」右下に明朝体横組みで「新 潮 文 庫」とある。海の下から副題まで、また「子母沢」と重なるようにして花菱を三重に取り囲む紋様(外周はただの円形)。全て淡い色で㈠は青緑色、㈡は灰色、㈢は黄緑色、㈣は黄土色、㈤は赤紫色、㈥は小豆色を、ごく薄くしたもの。
 カバー裏表紙折返しは8冊ともほぼ同じで、文字は全て(ほぼ)横組みで、上部に「―――新潮文庫―――/子母沢寛の本|」として「親   子   鷹(上・下)/勝  海  舟(一)~(六)」を挙げ、最下部に「カバー印刷 錦明印刷  デザイン 新潮社装幀室」とあるのは同じ。ただ『親子鷹(下)』のみ、右上隅の角の丸い濃い灰色の三角形に白抜きで葡萄と「新潮文庫」とあるマークが入っていない。
 『親子鷹』の方が先に刊行されているのに著者別の整理番号では『勝海舟』の方が先に来ていて、増刷の回数も多いのは、昭和49年(1974)のNHK大河ドラマの原作になったからであろう。(以下続稿)

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 ところで、書き始めた辺りで誤って投稿してしまったが、どうせ過疎ブログで影響もないので取り下げず、1時間余り掛けて書き足して投稿し直した。

*1:ルビ「かつ かい しゆう」。