瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

美内すずえ『ガラスの仮面』(23)

 文庫版第8巻について。
・単行本第12巻158頁4コマめ、マヤが去って行く速水真澄を罵る台詞中に「大都芸能の冷血漢! 人非人! 鬼!」とあるが、文庫版第8巻12頁では「大都芸能の冷血漢! 人でなし! 鬼!」となっている。
・単行本第12巻160頁文庫版第8巻14頁)2コマめ、「全日本演劇大会」とあるが、8月28日付(03)11月11日付(17)でも見たように「全日本演劇コンクール」である。
・単行本第12巻170頁2コマめの亜弓さんの台詞、「女優としてママはあの子の方にやりがいを見い出したのよ!」で始まっているが、「見い出し」は「みい+だし」ではなく「み+いだし」だから「見出し」が正しい。ここまでスルーしてきたが、単行本の巻頭にある「●今までのあらすじ」の第1段落、北島マヤの紹介部分にも「……月影千草に見い出され……」とあって、ずっと気になっていたのだが、ここでついでに指摘して置く。「●今までのあらすじ」については、出来れば全巻を通して検討してみたい。文庫版第8巻24頁では「みい出し」になっているのだが、むしろ「見いだし」とするべきである。
・単行本第12巻171頁1コマめの亜弓さんの台詞の続き、最後に「ママはあの子の中にいったい何を見い出したというの…?」も同じ。文庫版第8巻25頁では「みい出し」になっている。
・単行本第13巻19頁文庫版第8巻57頁)5コマめ、「女王」のルビ「じよ おう」となっている。11月11日付(17)単行本第6巻の例を指摘し、文庫版第4巻では「じよおう」と詰まっている、と言ったのだが、ここは文庫版も「じよ おう」で詰まっていない。
・単行本第13巻64頁文庫版第8巻102頁)2コマめ、11月1日付(15)で取り上げた、マヤが一ツ星学園高等部1年のD組なのかE組なのか、という問題だが、このコマでMBA大河ドラマ「天の輝き」の本読みのために早退するマヤに、担任の(「出席簿」を持っている)中年・眼鏡の男性教諭が「北島 早びけするのはいいが早退届けをきちんと出さなきゃいかんぞ」云々と注意するのだが、背景のクラスの表札は「1年E組」である。
・単行本第13巻79頁文庫版第8巻117頁)4コマめ、月影先生に見捨てられたと思って泣き叫ぶマヤの声が、手書きで入っているが「×わー」の1文字めが、読めない。「う」か?
・単行本第13巻126頁文庫版第8巻164頁)3コマめに、マヤの初恋の人、里美茂が登場する。単行本第13巻139頁文庫版第8巻177頁)1〜2コマめではこんな会話を交わす。

里美:「ポップコーン 食べない?」
マヤ:「あ びっくりした… 里美さん…」
里美:「茂でいいよ みんなもそう呼んでるんだから マヤちゃん」


 しかし、だとすると、単行本第13巻127頁文庫版第8巻165頁)1コマめで、スタッフ*1に「お――い 里美ーィ!」と呼びかけられているのが、不自然な気がする、少々。
 この里美茂についてはもっと重大な(?)問題点があるのだが、長くなるので、次回に回す。(以下続稿)

*1:単行本第13巻55頁文庫版第8巻92頁)2コマめで「ぼくAD アシスタントディレクターの渡辺クン」とマヤに自己紹介している青年と同一人物だと思う。