夏目漱石『坊っちゃん』の文庫本（11）

・ちくま日本文学全集023
一九九二年一月二〇日第一刷発行　定価971円

夏目漱石 (ちくま日本文学全集)

・ちくま日本文学029
二〇〇八年十二月十日第一刷発行　定価880円

夏目漱石 (ちくま日本文学 29)

　両者の関係については、5月15日付「中島敦の文庫本（20）」及び5月16日付「中島敦の文庫本（21）」を参照。
　477頁。9〜201頁「坊っちゃん」の他、202〜311頁「吾輩は猫である 抄」312〜350頁「夢十夜」351〜404頁「思い出す事など 抄」405〜452頁「私の個人主義」を収録する。解説は奥本大三郎「「亡びるね」」454〜461頁。462〜477頁「年譜」末尾に（編集部）。
　ともに奥付の裏が目録になっていて、前者は「ちくま日本文学全集　全50巻」で刊行順ではなく生年順で漱石は森鴎外・正岡子規に次いで3人めに挙がる。「正岡子規〈1867／1902〉」は未刊で「森鴎外〈1862／1922〉」は「☆次回配本」、「夏目漱石〈1867／1916〉」は「★既刊」。後者は「ちくま日本文学　　全40巻　　　　　★既刊」で刊行（番号）順に並び、★は4段組の3段めまでの30巻に打たれており、4段めの10冊にはない。この4段めの脇の見出し行の下部には「好評につき増巻」とあって、当初の全30巻がこの12月刊行の029『夏目漱石』と030『色川武大』で完結したのに続いて10巻「増巻」になったのである。（以下続稿）