白泉社文庫版『妖精王』を通読して思い出したのは、創元推理文庫版『ソーサリー(Sorcery!)』全4巻である。中学の頃、何かの機会に同級生にそのうちの1冊『城塞都市カーレ(Kharé: Cityport of Traps)』をもらった。私がゲームブックの存在を知ったのはこれが最初で、もらった本は既にかなり草臥れていてカバーもなくなっていたが、当時新刊だったのである。その前後の巻もやってみたくなって、残り3冊は自分で購入した。捨ててはいないから今もどこかにあるはずである。そして『グリム童話』などで多少知っている程度だったヨーロッパのFantasyの世界に目を開かせてくれたのであった。
・創元推理文庫(東京創元社)
- 作者:スティーブ・ジャクソン,安藤 由紀子,S.ジャクソン
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1985/07
- メディア: 文庫
- 作者:スティーブ・ジャクソン,中川 法江,S.ジャクソン
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1985/08
- メディア: 文庫
- 作者:スティーブ・ジャクソン,成川 裕子,S.ジャクソン
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1985/09
- メディア: 文庫
- 作者:スティーブ・ジャクソン,高田 恵子,S.ジャクソン
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1985/10
- メディア: 文庫
それはともかく、日本の妖怪のイメージが鳥山石燕『画圖百鬼夜行』に規定されてしまっているのと同様、私の西洋の怪物のイメージはこの本の挿絵によって規定されているのである。
次の個人新訳は未見。
・浅羽莢子訳(創土社)
シャムタンティの丘を越えて (Adventure game novel―ソーサリー)
- 作者:スティーブ・ジャクソン
- 出版社/メーカー: 創土社
- 発売日: 2003/07/01
- メディア: 単行本
魔の罠の都―ソーサリー〈02〉 (Adventure Game Novel)
- 作者:スティーブ ジャクソン
- 出版社/メーカー: 創土社
- 発売日: 2003/12/01
- メディア: 単行本
七匹の大蛇―ソーサリー〈03〉 (Adventure game novel―ソーサリー)
- 作者:スティーブ ジャクソン
- 出版社/メーカー: 創土社
- 発売日: 2004/05/01
- メディア: 単行本
諸王の冠―ソーサリー〈04〉 (Adventure game novel―ソーサリー)
- 作者:スティーブ ジャクソン
- 出版社/メーカー: 創土社
- 発売日: 2005/04/01
- メディア: 単行本
・現代教養文庫(社会思想社)
火吹山の魔法使い ファイティング・ファンタジー (現代教養文庫)
- 作者:スティーブ・ジャクソン,イアン・リビングストン
- 出版社/メーカー: 社会思想社
- 発売日: 1984/12
- メディア: 文庫
それから『運命の森』というのも覚えている。
- 作者:I・リビングストン,松坂 健,イアン・リビングストン
- 出版社/メーカー: 社会思想社
- 発売日: 1985/07
- メディア: 文庫
最後に買った『地獄の館』はどうしても解けず、諦めて系統図を作りながらクリア出来るルートを探そうとしたが駄目だった。そして『地獄の館』が解けなかったことと中学卒業とともに転居した先でゲームブックが全く流行っていなかったこととが、私をしてゲームブックから卒業せしめたのである。
現代教養文庫版は書影が表示されないので、未見だがリライト版を示して置く。
- 作者:スティーブ ジャクソン
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2008/12/27
- メディア: 文庫
その後久しくパソコンやゲーム機などを持たなかったので、高校時代はたまに友人の家でカセットテープに記憶させ(!)ながらロールプレイングゲームをやっていた程度で、それ以上高度なものに進まずに終ったのである。(以下続稿)
【2020年1月21日追記】現代教養文庫版『地獄の館』の書影は、2018年1月6日付「新海誠『君の名は。』(1)」に貼付した。