瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山岸凉子『妖精王』(2)

 白泉社文庫版『妖精王』を通読して思い出したのは、創元推理文庫版『ソーサリー(Sorcery!)』全4巻である。中学の頃、何かの機会に同級生にそのうちの1冊『城塞都市カーレ(Kharé: Cityport of Traps)』をもらった。私がゲームブックの存在を知ったのはこれが最初で、もらった本は既にかなり草臥れていてカバーもなくなっていたが、当時新刊だったのである。その前後の巻もやってみたくなって、残り3冊は自分で購入した。捨ててはいないから今もどこかにあるはずである。そして『グリム童話』などで多少知っている程度だったヨーロッパのFantasyの世界に目を開かせてくれたのであった。
創元推理文庫東京創元社

 残念ながら最終巻『王たちの冠』の書影が表示されない。――『城塞都市カーレ』も表示されないが、前述のようにカバーのない本を所持していたのでカバーに思入れがないから、気にならない。【2016年9月25日追記】『城塞都市カーレ』と『王たちの冠』の書影が表示されるようになっていたので、補って置いた。
 それはともかく、日本の妖怪のイメージが鳥山石燕『画圖百鬼夜行』に規定されてしまっているのと同様、私の西洋の怪物のイメージはこの本の挿絵によって規定されているのである。
 次の個人新訳は未見。
浅羽莢子創土社
魔の罠の都―ソーサリー〈02〉 (Adventure Game Novel)

魔の罠の都―ソーサリー〈02〉 (Adventure Game Novel)

 浅羽莢子(1953.8.15〜2006.9.18)の翻訳と言えば、現代教養文庫ゲームブックの第1冊め『火吹山の魔法使い』でも、もちろん遊んだ。
・現代教養文庫社会思想社 まさか社会思想社が潰れるとは思わなかった。
 それから『運命の森』というのも覚えている。 何故かというと、隣のクラスのいぢられキャラ梅本(ウメさん)を主人公にした『ウメの森』というパロディ(?)を自作したからで、当時、自分でも作った中学生は結構いたのではあるまいか。
 最後に買った『地獄の館』はどうしても解けず、諦めて系統図を作りながらクリア出来るルートを探そうとしたが駄目だった。そして『地獄の館』が解けなかったことと中学卒業とともに転居した先でゲームブックが全く流行っていなかったこととが、私をしてゲームブックから卒業せしめたのである。
 現代教養文庫版は書影が表示されないので、未見だがリライト版を示して置く。
ハウス・オブ・ヘル (HJ文庫G)

ハウス・オブ・ヘル (HJ文庫G)

 なんでセーラー服の女子高生が主人公なんだ。
 その後久しくパソコンやゲーム機などを持たなかったので、高校時代はたまに友人の家でカセットテープに記憶させ(!)ながらロールプレイングゲームをやっていた程度で、それ以上高度なものに進まずに終ったのである。(以下続稿)
2020年1月21日追記】現代教養文庫版『地獄の館』の書影は、2018年1月6日付「新海誠『君の名は。』(1)」に貼付した。