瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

楳図かずお『ミイラ先生』(05)

 昨日の続き。比較の要領は5月9日付(03)に示しました。
・文庫版115頁(複写)扉絵
 連載第3回の扉絵で、以後の版には使用されていない。
・文庫版116頁(複写)1コマめ=単行本39頁6コマめ
 連載第2回の最後のコマ(文庫版114頁6コマめ)にほぼ同じだが、髪バンドと右肩に影が書き込まれていない。
・文庫版116頁(複写)2コマめ=完全復刻版36頁6コマめ→単行本40頁1コマめ
 文庫版・完全復刻版は頁の右下(2割5分)にあるが、単行本は周囲を書き足して頁の上部7割を占めるまでになっている。
・文庫版116頁(複写)3コマめ=完全復刻版36頁7コマめ→単行本40頁2コマめ
・文庫版116頁(複写)4コマめ=完全復刻版36頁8コマめ=単行本40頁3コマめ
 この2コマは文庫版と完全復刻版は頁の左下(2割5分)に縦に並んでいるが、単行本は頁の下部に横に並べる。前者は移動に際して、右側を若干削り左側を若干書き足したようである。後者は同じ位置にそのままである。台詞は後者にのみあって文庫版「は……葉山先生だわ……」完全復刻版「葉、葉山先生だわ 」単行本「葉…葉山先生だわ!」。
・文庫版117〜127頁=完全復刻版37〜47頁=単行本41〜51頁
 文庫版と単行本は完全に一致する。完全復刻版とは台詞などに若干の異同がある。
 目立つのは文庫版121頁(=単行本45頁)2コマめの絵美子の台詞「ど どこへですか!?/いったいどこへ!」が、完全復刻版41頁2コマめでは「どヽど どこへですか/どこへ いったい 」となっているところくらいである。
・文庫版128頁(複写)1〜3コマめ=完全復刻版48頁1〜3コマめ=単行本52頁1〜3コマめ
・文庫版128頁(複写)4コマめ=完全復刻版48頁4コマめ→単行本52頁4コマめ
 文庫版128〜129頁と完全復刻版48〜49頁は一致、但し台詞が異なる。文庫版の絵は複写だが台詞の活字は新しいものになっている。単行本は左右を書き足して横幅一杯にしている。絵美子の台詞、文庫版「先生! ミ ミイラが!」完全復刻版「先生 ミイラがうごきましたっ」単行本「先生! ミイラが動きましたっ!」。
・文庫版128頁(複写)5コマめ=完全復刻版48頁5コマめ=単行本53頁1コマめ
 葉山先生(実はミイラ)の台詞、文庫版「あらっ ドアをつよく あけたためかしら……」完全復刻版・単行本「きっとはじめからずれてたのよ くらいから気がつかなかったのだわ」。
・文庫版128頁(複写)6コマめ=完全復刻版48頁6コマめ→単行本53頁2コマめ
 文庫版・完全復刻版では5コマめの下にあったが、単行本は左側に移動させて左右を書き足す。葉山先生(実はミイラ)の台詞、文庫版「さあ 台の上にちゃんとねかせましょう…足をもって」完全復刻版・単行本「さあ 台の上にちゃんとねかせましょう あなたは足をもちなさい」。
・文庫版129頁(複写)1〜3コマめ=完全復刻版49頁1〜3コマめ→単行本53頁3〜5コマめ
 文庫版と完全復刻版は頁の上部に3つ並べるが、単行本は3コマめと5コマめは右側、4コマめは左右を書き足して、3〜4コマめを左右に並べ、5コマめは3コマめの下に配する。絵美子の台詞は1箇所、文庫版3コマめ「きゃっ」が、完全復刻版3コマめ「きゃっー」と、何故か吹出しの中、2行めに長音符が入っている。単行本5コマめは「きゃっ!ー」と、新たに感嘆符を打っているが2行めの長音符を何故か引き継いでいる。
・文庫版129頁(複写)4コマめ=完全復刻版49頁4コマめ→単行本53頁6コマめ
 単行本は上部を書き足している。葉山先生(実はミイラ)の台詞、文庫版「気のせいよ……では防腐剤を注射して…」完全復刻版「さあ防ふざいの注しゃをします」単行本「さあ防ふ剤の注しゃをします」。絵美子の台詞、文庫版「ハーハー」完全復刻版・単行本「はあはあ」。
・文庫版129頁(複写)5コマめ=完全復刻版49頁5コマめ→単行本53頁7コマめ
 単行本は左右を書き足して横幅一杯にしている。
・文庫版129頁(複写)6コマめ=完全復刻版49頁6コマめ→単行本54頁(1コマ)
 単行本は文庫版・完全復刻版では頁の下半分だった6コマめに上下を書き足して1頁にしている。ミイラ(実は葉山先生)の台詞、文庫版「絵…美…子……」完全復刻版「絵美…………」単行本「絵美……」。これを受けての絵美子の台詞、文庫版「きゃあっ 先生! こわいっ」完全復刻版「きゃ!! 」単行本は吹出しを塗り潰している。(以下続稿)