瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

宮澤賢治『注文の多い料理店』(3)

・角川文庫924(2)
 昨日の続きで改訂新版のカバーについて。
飯野和好のカバー(1)
 改訂四版・改訂十三版・改訂二十四版のカバー表紙は前回貼付した書影に同じ。
 カバー背表紙は水色地、改訂四版・改訂十三版のレイアウトは同じで、最上部(0.7cm)のみ白地にQRコード、次いで横線で0.3cmごとに仕切ってゴシック体で小さく「|み|1-1|Y420|」とあってゴシック体で著者名。改版二十四版はゴシック体で小さく「み/1-1」1字分空けてゴシック体太字で著者名。改訂四版・改訂十三版は1字弱、改訂二十四版は1字半空けて○に囲われた●があり明朝体太字で標題。改訂二十四版はより太い。なお最下部の|■ともに改訂四版は青、改訂十三版は青紫、改訂二十四版も青紫だが青が勝っている。地色の水色には大差ないので、色の違いは褪色ではなさそうである。
 改訂四版・改訂十三版のカバー裏表紙・裏表紙折返し・表紙折返しは一致。
 改訂十三版と改訂二十四版を比較するに、カバー裏表紙、左上のバーコード1つめ「9784041040010」は同じ、2つめは改訂十三版「1920193004205」改訂二十四版「1920193004380」、改訂十三版は右上に「ISBN4-04-104001-9/C0193 \420E/定価:本体420円(税別)」、改訂二十四版はバーコードの下に「ISBN978-4-04-104001-0/C0193 \438E/定価本体438円(税別)」、ゴシック体の紹介文は改訂十三版は中央に縦組み、改訂二十四版は右上に横組み。改行位置は改訂十三版「/」改訂二十四版「|」にて示した。異同箇所は灰色太字にして改訂二十四版での形を注記した。

これらのわたくしのおはなしは、*1/|みんな林や野はらや鉄道線路や/|らで、虹や月あかりからもらっ/|てきたのです――(「序」より)
そこでは森と人が言葉を交わ|し、/烏*2は軍隊を組織し、雪童子*3|と雪/狼*4が飛び回り、柏の林が|唄い、/でんしんばしらは踊り*5出|す。暖/かさと懐かしさ、そして|神秘に/満ちた、イーハトーヴか|らの透/きとおった贈り物――。
賢治の生前に刊行された唯一の/|童話集。文庫本で可能な限り、/|当時の挿絵等を復元する。
      <解説・早坂 暁>


 カバー裏表紙折返し、改版十三版は2015年7月19日付「宮澤賢治の文庫本(04)」に紹介した角川文庫1631『セロ弾きのゴーシュ』改訂新版(再版)に同じ。改訂二十四版はゴシック体横組みで「角川文庫|宮沢賢治の本 || 注文の多い料理店セロ弾きのゴーシュ銀河鉄道の夜新編 宮沢賢治詩集/中村稔=編*6風の又三郎」、右下にKBマーク。
 カバー表紙折返し、改訂十三版は2015年7月18日付「宮澤賢治の文庫本(03)」に紹介した角川文庫1631『セロ弾きのゴーシュ』改訂新版(再版)に同じ。
 改訂二十四版は横組みで、最上部に顔写真(2.0×2.0cm)があって、これは改訂十三版と同じ顔写真(3.1×2.6cm)の縮小で、改訂十三版の下部0.5cm分がカットされている。写真の下にゴシック体中央揃えで「宮沢賢治(みやざわ けんじ)」とあり、次いで横線(4.5cm)の下にゴシック体細字の紹介文がある。これは漢数字が算用数字になっている他は冒頭「岩手県花巻出身。」を除き、改訂十三版にあったものと同じである。

岩手県花巻出身。大正7年、盛岡高等/農林学校卒。農学校で教鞭を執るかた/わら、「やまなし」「シグナルとシグナ/レス」など、意欲旺盛な創作活動をす/る。30歳の年、農民の貧困を黙視でき/ず、自ら農業へ転じ、羅須地人協会を/設立、農民生活を幸福にするための実/践活動を始めた。が、順調に運ばず、/肺を患って病臥した。「銀河鉄道の夜」/など、深い思想の込められた創作は、/英訳、仏訳もされて、多くの人々の感/動を呼んでいる。昭和8年、肺病の悪/化により死去。享年37であった。


 最下部左寄りに改版十三版よりも一回り小さく、細いゴシック体で「カバーイラスト飯野和好」とある。(以下続稿)

*1:行末の読点は改訂十三版はぶら下げ、改訂二十四版は半角にして行末に詰める。

*2:ルビ「からす」。

*3:ルビ、改訂十三版「ゆきわら す 」改訂二十四版「ゆきわ ら す」

*4:ルビ、改訂十三版「ゆき/オイノ」改訂二十四版「ゆきおいの」。

*5:改訂二十四版「歩き」。

*6:この行は前の行に密着。