瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

小林多喜二『蟹工船』の文庫本(3)

新潮文庫547『蟹工船・党生活者』(3)
 昨日の続きで、②五十九刷のカバーについて、③のカバーと比較しつつメモして置こう。③は仮に九十九刷と比較して見る。
 カバー背表紙は白地で、上部に明朝体で標題、中央やや下に著者名が入るのは同じ。活字の大きさも同じに見える。異同は2つの作品名の間の中黒点が、②五十九刷は全角であったのが③九十九刷は半角になっていることである。下部のゴシック体は全く異なり、②五十九刷は「新潮文庫〔草〕八四A  220」〔草〕は明朝体で横並び、定価も横並び。③九十九刷は「[こ 2 1]新潮文庫 \400」定価は横並びで下に太い下線。
 カバー裏表紙、、②五十九刷は上半分に横線(8.8cm)2本の間(6.5cm)右に明朝体の横組みの紹介文。2本めの横線の下、中央に葡萄マーク。最下部には左にゴシック体で小さく「0193-108401-3162」右に「¥ 220」とある。
 ③九十九刷は横線(9.0cm)は中央の1本のみになっており、右上に紹介文、左上にバーコード2つと横線のすぐ上に「定価:本体400円(税別)」、横線の下、左に13桁のISBNコードと「C0193 \400E」右に葡萄マーク。
 紹介文は異なっており、②五十九刷は、

海軍の保護のもとにオホーツク海で/操業し、暴利をむさぼる蟹工船の内/部で“国策”の名により、すべての/人権を剥奪された未組織労働者のス/トライキを扱って帝国主義日本の一/断面をえぐる『蟹工船』。近代的軍/需工場の計画的な争議を地下生活者/としての体験を通して描いた『党生/活者』。29歳の若さで虐殺された著/者の代表作2編を収める。日本プロ/レタリア文学を代表する名作である。

とあって、二重鍵括弧閉じは半角。二重引用符閉じが下に位置しているのは③九十九刷も同じ。
 ③九十九刷は次のようになっている。

海軍の保護のもとオホーツク海で操/業する蟹工船は、乗員たちに過酷な/労働を強いて暴利を貪っていた。“国/策”の名によってすべての人権を剥/奪された未組織労働者のストライキ/を扱い、帝国主義日本の一断面を抉/る『蟹工船』。近代的軍需工場の計画/的な争議を、地下生活者としての体/験を通して描いた『党生活者』。29歳/の若さで虐殺された著者の、日本プ/ロレタリア文学を代表する名作2編。


 二重鍵括弧は半角でこれに続く句点も半角と全角の間くらいの幅。
 カバー裏表紙折返し、②五十九刷の広告は2015年6月4日付「「新潮社の辞典!」の広告(8)」に同じ*1。最下部左に明朝体横組みで小さく「カバー印刷 錦明印刷」。(以下続稿)

*1:時期的に2013年3月25日付「「新潮社の辞典!」の広告(1)」に紹介した広告が入っているべきなので、このカバーは昭和58年(1983)頃に掛け替えられたものであろう。