瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

祖母の蔵書(142)パズル雑誌①

 私は祖母が87歳のときに初めて会って、その頃はまだ元気で月に1度私ら夫婦で御機嫌伺いに通っていた*1。夕方待ち合せて、馴染みの料理屋で御相伴に与るのである。しかし、次第に食べる量も減り、かつ18時から1時間半ほどの料理屋の夕食では疲れるようになったらしく、昼に持ち帰り寿司店で3人分を買って祖母宅で一緒に食べて、と云うことが多くなって来た。終いには家人だけが行くようになった。
 祖母宅に行くと居間兼ダイニングルームに通されて、居間から続いている仏間でサイパンで戦死した祖父の位牌と、伯母の写真が祀ってある簡単な造りの仏壇に手を合わせる。その間にお茶が淹れてあって、テーブルで一服する。
 だから当時は寝間には入ったことがなかったし、客間のクローゼットに本が詰まっていることも多分見ていない。たくさん本があるとは聞いていたが、仏間の硝子棚にある200冊ほどくらいしか見ていないはずである。後は、居間のソファの脇などに本や雑誌が積んであるのを見ている。そこで最も目にしたように記憶しているのが、漢字パズルの雑誌で、施設に入ってからも、入所者の中で断トツの最高齢であるにも拘わらず、漢字テストで「青梗菜」以外全問正解という〝漢字通〟振りを発揮していると聞いていた。寝間の本棚や居間のソファの脇には新書判の書籍もあったから、余程漢字パズルが好きだったのだろうと思って7月7日付(097)に漢字パズルの雑誌だけを一部整理したのであった。
 しかし、これはこの部屋に移って以降のことで、実はそもそもがパズル好きだったのである。
 いよいよ祖母宅の処分が具体化して来た頃*2、それまで手を着けていなかった、客間のクローゼットの奥まで、何があるのか見て置こうと思って、手前にある本(その整理も遅々として進まなかったのだが)を出してその奥を覗いて見たのである。右側は奥まで本ばかりであったが、左側1段めの奥には、左に伯母の学生時代の日記などがあって、どうも私的な記録がここに仕舞い込まれているらしいと、右にある何かがぎっしり詰まった白いポリ袋を何だろうと若干期待しつつ取り出して中を改めてみたのである。
 これが、案に相違してパズル雑誌で、57冊あった。時期は70代前後、この部屋に引っ越して来る前までのもので、漢字だけに特化させたものではない。揃えてはいないが、新刊に気付いたら必ず買うような按配であったらしいのである。大切に保管するつもりで袋に詰めてクローゼットの奥に仕舞って置いた、と云うのではなくて、転居の際に袋に詰めて差当り読み返すこともないのでクローゼットの奥に仕舞い込んで、そのままにしてしまっただけらしい*3
 どうも、ここに転居して来てから、漢字に特化したパズル雑誌や書籍が多々刊行されるようになったため漢字パズルを専ら買うようになり、居間のソファの脇に漢字パズル雑誌や新書判書籍を何冊も備えて、読書の合間に気分転換をするようになったので、元来がパズル雑誌の愛好者だったのである。
「パズル通信 ニコリ」ニコリ・B5変型(25.8×14.8cm)角背
 左開き。4冊ダブっている。
・1989 はる分 vol.25(1989年3月20日発行・定価480円・98頁)
・1991 なつ分 vol.34(1991年6月1日発行・定価485円・98頁)
・1991 あき分 vol.35(1991年9月1日発行・定価485円・106頁)
・1992 なつ分 vol.38(1992年6月1日発行・定価485円・106頁)
・1994 5・6月号 Vol.48(1994年4月10日発行・定価757円・130頁)
 表紙に「隔月刊」裏表紙に「偶数月10日発行」とあり。以下同じ。
・1994 9・10月号 Vol.50(1994年8月10日発行・定価796円・138頁)
・1994 11・12月号 Vol.51(1994年10月10日発行・定価757円・130頁)
・1994 11・12月号 Vol.51(1994年10月10日発行・定価757円・130頁)
・1995 1・2月号 Vol.52(1994年12月10日発行・定価757円・130頁)
・1995 1・2月号 Vol.52(1994年12月10日発行・定価757円・130頁)
・1995 3・4月号 Vol.53(1995年2月10日発行・定価757円・130頁)
・1995 5・6月号 Vol.54(1995年4月10日発行・定価757円・130頁)
・1995 7・8月号 Vol.55(1995年6月10日発行・定価757円・130頁)
・1995 11・12月号 Vol.57(1995年10月10日発行・定価757円・130頁)
・1996 1・2月号 Vol.58(1995年12月10日発行・定価757円・130頁)
・1996 3・4月号 Vol.59(1996年2月10日発行・定価757円・130頁)
・1996 5・6月号 Vol.60(1996年4月10日発行・定価757円・130頁)
・1996 7・8月号 Vol.61(1996年6月10日発行・定価757円・130頁)
・1996 9・10月号 Vol.62(1996年8月10日発行・定価757円・130頁)
・1997 1・2月号 Vol.64(1996年12月10日発行・定価757円・130頁)
・1997 3・4月号 Vol.65(1997年2月10日発行・定価757円・130頁)
・1997 5・6月号 Vol.66(1997年4月10日発行・定価743円・130頁)
・1997 7・8月号 Vol.67(1997年6月10日発行・定価743円・130頁)
・1997 9・10月号 Vol.68(1997年8月10日発行・定価743円・130頁)
・1997 11・12月号 Vol.69(1997年10月10日発行・定価743円・130頁)
・1998 1・2月号 Vol.70(1997年12月10日発行・定価743円・130頁)

 他に同じ判型の「パズル通信「ニコリ」別冊」が2種、学習研究社の同じ判型のパズル雑誌が2種あるが、これらは明日に回そう。
 この後も買ったのかどうか、寝間の鏡台の脇の本立てに5冊あった。
・1998 1・2月号 Vol.70(1997年12月10日発行・定価743円・130頁)
・1998 3・4月号 Vol.71(1998年2月10日発行・定価743円・130頁)・1998 3・4月号 Vol.71(1998年2月10日発行・定価743円・130頁)
 祖母が持っていたものだけだと変遷を辿るのに十分ではない。しかし次の号から月刊になって判型もA4判中綴じになったことは分かる。
・1998年5月号 Vol.72(1998年4月10日発行・定価505円・66頁) ところがまた次の号から元の判型に戻り、隔月刊ではなく季刊に戻っている。
・1999年秋号 Vol.88(1999年9月10日発行・定価838円・130頁) 同じ本立てには1998年(平成10年)4月5日付の朝日新聞[日曜版]の内側(3~6頁)1枚を抜いて2色刷の5頁右上を外側にしてこれら雑誌の間に差してあったが、その5頁右上の連載「人 あり」は「パズルファンを育ててきた鍛治真起*4さん」の題である。冒頭の段落を抜いて置こう。

 知る人ぞ知る、『パズル通信ニ/コリ』は一九八〇年創刊の老舗/(しにせ)だが、四月から月刊に/なる。不定期、季刊、隔月刊と歩/んできて十九年目の飛躍である。


 その上の写真には10人(うち女性3人)が写っていて、キャプション「《クイズ》鍛治さんはどの人でしょう? 一人だけ季節感が違うような服装ですが=東京都台東区で」とあり、また記事本文末には、

 *サンデーパズルの問題は今週/から、ニコリ出題の漢字、数字パ/ズルと露木重彦さんのクロスワー/ドが隔週掲載となります。

とあってこの記事の下の「サンデーパズル」は「出題 ニコリ」である。なおこれらの記事・パズルの左はみつはしちかこハーイあっこです(891)」。(以下続稿)

*1:家人は週に1度は電話をして、買物やら何か用がないか聞いて、必要があれば通っていた。私も蛍光灯の取り替えなどで同行することもあった。

*2:正確な日付はもう記憶していないが6月になってからであったと思う。

*3:私的な記録類はその後、寝間の押入れの段ボールから古いアルバムが、そして退去間際になってから廊下側の物入れ等から、多数見付かったのである。

*4:ルビ「 か じ ま き 」。