瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

祖母の蔵書(141)ファンタジー

 祖母は怪奇や幻想には惹かれなかったらしく、そのような作品は間違って買ってしまったようだ。推理小説でもそのようなおどろおどろしい道具立てで盛り上げようとする作品は好みでなかったらしく、江戸川乱歩は1冊しか見ていないし、横溝正史も人形佐七だけは揃えていたがそれ以外の作品、金田一耕助は皆無であった。
 冒険活劇みたいなSF小説の翻訳は読んでいたようだが(私が読まずに整理しているので曖昧な書き方になってしまう)完全に異世界みたいなSFは殆どなかった。それは児童文学でも同じで、異世界を冒険したり異類やらと交流するような話ではなく、世界の何処かの町や村で、少女が色々な人と触れ合い経験を重ねながら健やかに成長して行くような話を好んでいたのである。
 だから余りないと思うのだが、今後現物もしくはメモにて見付け次第この記事に追加して行くこととしたい。
・ハヤカワ文庫261〈NV81〉NV ホ 1 1 ライマン・フランク・ボームオズの魔法使い佐藤高子 一九七四年十一月 三十 日 発  行・一九九一年 二 月二十八日 三十一刷・定価408円・早川書房・232頁

※ 帯あり「面白い本が/読みたい!/ハヤカワ文庫ノヴェルズ・フェア」赤地
 カバー裏表紙折返しに「ハヤカワ文庫NV/オズ・シリーズ」として本書を始めとして12点が列挙されているが、他には買わなかったようだ。
新潮文庫4186/シ-15-2 ジェイムズ・H・シュミッツ『テルジーの冒険』鎌田三平 訳 昭和六十三年十二月 一 日 印  刷・昭和六十三年十二月 五 日 発  行・定価320円・新潮社・239頁※ 帯あり「今月の新刊」
 以上は寝間の本棚にあった。
・評論社文庫 J・R・R・トールキン 瀬田貞二田中明子 訳『新編 指輪物語1/旅の仲間 上1』一九九二年 七 月三〇日 初版発行・二〇〇〇年一〇月三〇日 6刷発行・定価700円・252頁※ 帯(黄色地)あり、裏表紙側折返し右下に丸ゴシック体縦組みで「文庫●指輪物語」とあって、カバー裏表紙折返しにある「三部作・文庫全9巻」に共通の帯である。
 客間のクローゼット左側の床の上にあった段ボールより。――私は中学時代に「梅さん」と云う渾名の隣のクラスの野郎を勝手に主人公にして、現代教養文庫の『運命の森』をもじって『ウメの森』と云うゲームブックを自作(!)したくらいゲームブックに嵌まっていたので*1、その世界の原典となっているらしい『指輪物語』には若干興味があったのだが、高校図書館にあった字の小さい全6冊の文庫版を見て、読もうと云う気を失くして今に至っている。転居先で入学した高校ではゲームブックは全く話題にもならなかったし。祖母は1冊だけ買っているが、読んだように見えない。(以下続稿)

*1:『ウメの森』とゲームブックについては、2015年4月11日付「山岸凉子『妖精王』(2)」に書いていた。