・ヨシダアキコ宛（昭和17年）七月二十五日付絵葉書【8】
宛名は「東京市目黒区／駒場町八〇一／𠮷田 清方／ヨシダアキコサマ」で差出人は「中支派遣／藤㐧六八六一部隊／𠮷田 清」で「七月二十五日」と添える。部隊名に重ねて赤文方印「濟閲檢｜藤第六八六一部隊｜陸軍大尉／富田一夫」その下に「富田」の朱文円印。
橙色の横線に「部 理 經 京 東 軍 陸 時 臨」とあってその下が通信欄になっている。「オテガミ アリガトウ／タイヘン キレイ ニ ジョウ／ズ ニ カケマシタ．ヱモ／ジョウズ デス．ゴホウ／ビ ニ ケフ ハ オテガミヲ／二*1ツ アゲマス．」ここで改行して少し字を小さくして絵葉書の絵の説明「コノ フネハ アキコ タチ ／ノオテガミ ヲ ツンデ オト／ウサン ノ ヰル トコロヘ キタ／フネデス ヘイタイサンモ／ノツテ ヰルデセウ」インクはブルーブラック、通信欄の下にはごく小さく橙色で「行印所刷印版色原村光社會式株」とある。
・吉田映子宛（昭和17年7月25日）絵葉書【9】
宛名は「東京市目黒区／駒場町八〇一／𠮷田 清方／映子様」で差出人は「中支派遣／藤㐧六八六一部隊／𠮷田清」。部隊名に重ねて赤文方印「濟閲檢｜藤第六八六一部隊｜陸軍大尉／富田一夫」氏名の下に「富田」の朱文円印。
橙色の横線に「廠 本 品 需 軍 陸」とあってその下が通信欄になっている。「(オテガミノツヅキ）／ヨウチヱン ハ イロイロ／オシヘテ イタダイテ／オモシロイ デセウ．／ゲンキ ヨク．ミンナ ト ナ／カヨク．ユキナサイ」半行分くらい空けて絵葉書の絵の説明「コノ イエ ハ オトウサン／ノヰルトコロニアリマス／タイホウノタマ ヤ バク／ダン ガ アタツテ コハレテ／ヰマス． サヨナラ」インクはブルーブラック、通信欄の下にはごく小さく橙色で「行印所刷印版色原村光社會式株」とある。恐らく【8】の続きで、そのせいか宛名と差出人の氏名を草書で、連綿して書いてある。
・ヨシダアキコ宛（昭和17年12月）二日付絵葉書【10】
宛名は「東京市目黒区／駒場町八〇一／𠮷田 清方／ヨシダアキコ様」で差出人は「中支派遣／藤㐧六八六一部隊／𠮷田 清」で差出人に重ねて赤文方印「濟閲檢｜藤第六八六一部隊｜陸軍大尉／志賀 明」その下枠に重ねて「志賀」の朱文円印。
橙色の横線に「部 理 經 京 東 軍 陸 時 臨」とあってその下が通信欄になっている。「アキコ ハ ゲンキデスカ／オトウサン モ ゲンキ デス／アカチャン ハ カハイイデ／セウ．ダッコデキマスカ／モウスグ オシャウガツ／デウレシイ デセウ．オ／カアサン ガ イソガシイ／カラ オテツダヒ シナ／サイネ．サムク ナツタカ／ラ カゼ ヲ ヒカヌ ヤウニ／キヲツケルノデスヨ． ／ 二日 サヨナラ」インクはブルーブラック。通信欄の下にはごく小さく橙色で「行印所刷印版色原村光社會式株」とある。
風邪に気を付けるように云うのは【3】に同じ。「もうすぐお正月で」とあって、届くまで何日かかったのか【5】でもタイムラグを意識して書いていたけれども、まづ12月の「二日」と考えて間違いないだろう。
・ヨシダアキコ宛（昭和17年）九月二十三日付絵葉書【11】
宛名は「東京市目黒区／駒場町八〇一／吉田 清方／ヨシダアキコ様」で差出人は「中支派遣／藤㐧六八六一部隊／𠮷田 清」で「九月二十三日」と添える。差出人に重ねて赤文方印「濟閲檢｜藤第六八六一部隊｜陸軍大尉／富田一夫」その右下に「富田」の朱文円印。
橙色の横線に「部 理 經 京 東 軍 陸 時 臨」とあってその下が通信欄になっている。「マイニチ エウチヱン ニ／イツテ ヰマス カ．ウタ／ヤ オユウギ ヲ ズイブン／オシエ テイタダイ タデ／セウネ．ミンナト ナカヨ／ク ゲンキ ヨク アソブ ／ノデスヨ．コノヱノヨウニ／ネ．オバアチャン ガイラッ／シャル カラ ウレシイデ ／セウ．オトウサン モゲンキ／デス． サヨナラ 」インクはブルーブラック、通信欄の下にはごく小さく橙色で「行印所刷印版色原村光社會式株」とある。
・ヨシダアキコ宛（昭和18年）五月一日付絵葉書【12】
宛名は「東京市目黒区／駒場町八〇一／𠮷田清方／ヨシダアキコ様」で差出人は「中支派遣／呂第五五〇〇部隊／𠮷田 清」である。「濟閲檢」欄には朱文方印「吉永」その左に「五月一日」と書き添える。宛名の下半分、橙色の横線に「廠 本 品 需 軍 陸」とあってその下が通信欄になっている。「アキコ ハ ズツト ゲンキ／デスカ．コノゴロ ハ ナニ／ヲシテ アソンデ ヰマス／カ．テルコチャン モ オ／ホキク ナツテ カハイイ／デセウ．ヨク オモリ／ヲシテ アゲナサイ．オ／トウサン モ ゲンキデス／アツク ナル カラ ビョウキ／ヲセヌヨウニ キヲツケ／ナサイ．」インクは黒。通信欄の下にはごく小さく橙色で「行印所刷印版色原村光社會式株」とある。
当初、時期の考証がなかなか厄介なのではないかと思っていたのだが、履歴書を参照出来たことで時期もほぼ確定出来た。もう少し早く見ておれば出した順に整理して紹介するところだったのだが。なお、より詳しい内容については、便箋や母親（祖母）宛のものも見た上で、確認して行くこととしよう。（以下続稿）
*1:振仮名「フタ」。
