瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

蓋にくっついた話(3)

 2月4日付(1)2月5日付(2)から随分間が空いてしまった。いつでも書けると思うとやらないもので、そういうネタが(仕事も……)他にもいくつもある。この話の場合、ネタは2つあって、1つは本を1冊借りてくれば済むのだが、もう1つは少々ややこしい。そこで差当り、簡単に済みそうな方を、片付けて置くことにした。
 ブログの記事にはなりそうだが寝かせてあるものの中には、もう少し調べれば論文になりそうだとか、そういうのもある。しかし論文にしたところで発表の場がない訳で*1、改めて、まだ娑婆気が抜けないと反省している。

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 さて、蓋にくっついた話だが、外国の例は知らないが、日本の例としては井原西鶴(1642〜1693)の『西鶴諸国ばなし』に見えるのが早いようだ。5年前に古典の選集でこれを読んで、「あった!」と心の中で快哉を叫んだことを、覚えている。こんなことで快哉を叫んだりは普通しないので、もちろん選集に入った理由は全く別なのだが。
 テキストは各種あるが、別にこだわりはないので『好色二代男 西鶴諸国ばなし 本朝二十不孝(新日本古典文学大系76)』(一九九一年一〇月三〇日第一刷発行・定価三七八六円・岩波書店・563頁)を借りて来た。現代語訳のある小学館の『井原西鶴集②(新編日本古典文学全集67)』の方が、読みやすいように思うが。

好色二代男・西鶴諸国ばなし (新 日本古典文学大系)

好色二代男・西鶴諸国ばなし (新 日本古典文学大系)

新編日本古典文学全集 (67) 井原西鶴集 (2)

新編日本古典文学全集 (67) 井原西鶴集 (2)

西鶴諸国ばなし―現代語訳・西鶴 (小学館ライブラリー)

西鶴諸国ばなし―現代語訳・西鶴 (小学館ライブラリー)

 『西鶴諸国ばなし』は貞享二年(1685)正月刊で5巻5冊、巻一ノ三「大晦日はあはぬ算用」が、私の見たところ「蛸焼きの話」の祖先なのである。……他に誰もそんな風に思う人はいないだろうが。(以下続稿)

*1:ほぼ「ない」が、全く「ない」訳ではないから、踏ん切りが付か「ない」。