瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

再びコメント欄について(4)

 後輩との一件は、こんなことになるなら、いっそ初めから私の名前で発表した方がマシなくらいでした。が、私の専門と時代は一致していましたが、正直興味のある分野ではなかったので、第一、その研究に、全く意義を感じなかったのですから。……何も教えてやらず、不十分な論文をそのまま公表させて恥を掻かせてやれば良かったのでしょうか? ――そこでとにかく、どこがいけないのかを懇切丁寧に解説してやったのでしたが、無駄に知識があって調べ方を知っているために、調べ方も知識もない後輩に箔を付けてやる結果になりました。 ――それとも、何の理由も説明せず「かかる論文は掲載に値せず」とのみ回答すれば良かったのか。……尤も、剽窃が起こった原因は、後輩よりもむしろ編集責任者にあったようなのですが、それもこれも含めて、後輩についても自分の能力以上の成果を自分の名前で公表した、といことになった訳ですから、いづれ明らかにして置きたいと思います。
 とにかく、私は編集担当に説明を求めたのに、何故か会長がしゃしゃり出てきて、一向に事情を明らかにせずにまずは慇懃無礼にいなして、そして私がこれは信義に関わる問題だから、とにかくこの一件の問題点を会報その他で説明させてくれと求めると、掌返しでクレーマー扱いにして、――とにかくこの一件について私に何の説明もせず、私に何の説明もさせず、細かい事情を把握させずに、有耶無耶のうちに済ませよう済ませよう、それが所謂《危機管理能力》だ、と信じている節がありました。
 尤も、私とて長く大学院にいましたから、この世界は《言った者勝ち》で、いくら理があっても後から抗議するのは不利だ、ということは承知しています。ただ、私もこの世界に未練があるのなら、仕方がないからそれに従いましょう。大体、どんなにみっともない間違いを堂々と公表している人でも、名指しで批判するのは良くないので、分かる人が読めば分かるように書かなければいけないとの《指導》を受けたものでした。
 そこで、そんな風土を利用して、好き放題にする連中が出てきます。けれども、私はもうこの世界にしがみつこうという考えはないので、正直、何に遠慮する必要もないのです。それなのに不必要に口を噤んでいるのは、やはり為にならないだろうから、参考までに書いて置いても良いだろうと思うのです。まだ遠慮する必要があって何も言えない人も少なくなかろうと思うのです。もちろんクレーマー扱いされるでしょうが、それは学界内の論理でそうなるので、私はもう学界内の連中に訴えたいなどとは思っていないので、そっちの方に無視されようと、……いえ、無視してもらった方が都合が良いのです。尤も、もう最近の事情は知りません。昔の話です。だからいよいよ遠慮する必要もない、とも思うのです。
 しかしながら、その場合、名前の問題が発生します。例えば後輩との一件ですが、実名で書かないとしてもその後輩は論文の内容で分かる人には人物が特定出来てしまいます。一方、一番問題があったと思われる、掲載見合わせの為の資料で執筆者に論文を書き直させ、それについて全く説明も何もしなかった編集責任者は、実名で書かない限り誰だか分からない、ということになってしまうのが悩み所です。けれども、青少年のプロフの問題ではありませんが、ネット上で実名にして、その氏名で検索して直ちに芋蔓式にいろいろと関連情報にヒットしてしまうようなことになると、たちまちに歪な形で広まってしまいかねません。その点、名前を伏せて置けば、事情を知っている人にしか俄に分からないので、この連中がどうこうということよりもまず、理不尽なことがあった、ということをいくらかでも人に知らせることが出来る訳です。私は正直、この人たちがどうなろうと、もう興味はありません。誰がどう、というより、ぼんやりでも事情を知らせたいのです。もちろん、私についても詮索されるでしょう*1。しかし誰がどうこう、ということではなく、こういうことがあった、ということで、だから名前を伏せて、出来る限り詳細に書けば良いか、と思うのです。

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 それはともかく、ようやく話を元に戻しますが、そもそも、現状では、コメントをもらっても、それについて調べたり返事をしたりする余裕もないのです。後はブログを止めれば良いくらいで。ですから、人情として、役に立ちたいという気持ちはあるのですが、これ以上の返事はいたしません。人情として便りをもらえば、返信をしたくなるものですが、一々返事はしないことにします。すなわち、コメント欄には書き込めますが、そこでやりとりをするつもりは、ありません。それは初めに断って置いた通りなのですが、改めて、空しく旧友からの返事を待っていた小学生の私のような気持ちになられても困る、というか、それも心苦しいので、要らぬことと思いながら駄弁を弄しました。

*1:実名で書けばもちろん私も実名でないとおかしい。