瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

夏目漱石『硝子戸の中』の文庫本(07)

旺文社文庫
硝子戸の中 他一編
昭和42年2月1日初版発行・昭和42年5月20日重版発行・110円・旺文社・185頁。
 装幀は2月5日付「中島敦の文庫本(08)」に取り上げた『李陵・弟子・山月記』に同じ。
 書名は背表紙と奥付による。表紙・扉には「硝子戸の中(他)私の個人主義」とある。背表紙最下部の番号は「A38」。
 3頁「目次」から頁付がある。4頁には『李陵・弟子・山月記』と同文の表記についての(編集部)の断り書。5頁(頁付なし)中扉、6頁の中央に小さい活字で3行、3月24日付(04)に取り上げた岩波文庫の中扉裏と字配りも全く同文の初出に関する記述があるが、旺文社文庫版には「硝子戸」に振仮名「ガラスど」と末尾に(1)の注が附され、頁の左にさらに小さい活字で以下の注がある。

(1) 新聞に連載された「硝子戸の中」が、大正四年四月、岩波書店から単行本として、刊行される際の自序である。/大正四年三月二十八日の日付がある。


 「ガラスど」の振仮名は1頁(頁付なし)の扉から律儀に振られている。
 7頁から本文、頁ごとに左に注がある。章番号はゴシック体の漢数字で2行分取って上に8字分空白。104頁まで。
 105頁(頁付なし)が「私の個人主義」の中扉、裏は白紙で107〜141頁が本文。注で中勘助銀の匙』のことは指摘されていない。
 ここまで1頁18行、1行44字。
 「目次」の最後に「挿絵 漱石遺墨集より」とあるように、15・51・87・125頁に大正4年(1915)から大正5年(1916)の墨絵が図版で挿入されている。
 143〜160頁、中村真一郎「解説」、うち143頁2行め〜148頁「人と文学」、149〜160頁「作品の解説と鑑賞」。後者は149頁2行め〜156頁10行め「『硝子戸の中*1」156頁11行め〜160頁15行め「『私の個人主義』」、最後の3行に「筆者紹介」。143〜176頁は1頁19行、1行44字。
 161〜164頁、田中澄江「大人の文学――「硝子戸の中」を読んで*2」。
 165〜168頁、夏目純一「父の横顔」。
 169〜176頁「代表作品解題」には〔吾輩は猫である〕〔坊っちゃん〕〔草枕〕〔虞美人草〕〔三四郎〕〔それから〕〔〕〔行人〕〔こころ〕〔道草〕〔明暗〕が取り上げられ、1作につき10行から18行。
 177頁「参考文献」は2段組で【入門・総合的なもの】5点、【伝記的なもの】3点、【回想的なもの】11点、【思想的・作家論的なもの】5点、【作品論的なもの】3点。
 178〜185頁「年譜」。
 その裏は白紙で、次に奥付。その次の見開きは「旺文社文庫既刊目録」で3段組、《日本文学》34点、《外国文学》29点、《伝記》9点、《教養》4点。最後の3頁は「□旺文社文庫新刊・近刊書目一覧□」で1行30字、各4行の解説つきで1頁め6点、2・3頁め各7点、合計20点。

*1:ルビ「ガラスど・なか」。

*2:ルビ「たいじん・ガラスど」。