・太宰治映画化原作コレクション(文春文庫)(3)
一昨日以来の文春文庫「太宰治映画化原作コレクション」。①は昨日済ませたので、今度は②を取り上げる*1。
『ヴィヨンの妻・人間失格ほか 太宰治映画化原作コレクション2』2009年5月10日第1刷・定価390円・325頁
ヴィヨンの妻・人間失格ほか―太宰治映画化原作コレクション〈2〉 (文春文庫)
- 作者: 太宰治
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/05/08
- メディア: 文庫
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映画「人間失格」は、6月25日付(06)にAmazonの関連商品を貼って置いた。見ていないので感想はありません。
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2010/04/07
- メディア: DVD
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映画パンフレット 「ヴィヨンの妻-桜桃とタンポポ-」 監督 根岸吉太郎 出演 松たか子/浅野忠信/広末涼子/妻夫木聡/堤真一/室井滋/伊武雅刀/光石研/山本未來
- 出版社/メーカー: アットワンダー
- メディア: おもちゃ&ホビー
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「ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜」オリジナル・サウンドトラック
- アーティスト: サントラ,吉松隆
- 出版社/メーカー: BMG JAPAN Inc.
- 発売日: 2009/10/07
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と思っていたら、複数のブログに、上に貼ったパンフレットなどに使用した作品名が挙がっていた、との記事があった。要するに、本書収録作品のうち「人間失格」以外はこの映画に取られているのだ(そうだ)。してみると、本書は映画「ヴィヨンの妻」を当て込んで編集されたものということになる。
317〜325頁、池内紀「解説」は、末尾に(ドイツ文学者/「本の話」二〇〇七年五月号より再録)とあるように、もともと「解説」として執筆された文章ではない。もちろん映画とも関係ない。「本の話」は文藝春秋のPR誌で池内氏は2006年5月号から2007年7月号まで「ワキ役の花道」という連載(15回)を執筆している(未見)が、その第13回が「蝙蝠安―太宰治「ヴィヨンの妻」」なのである。「蝙蝠安」なんか「ヴィヨンの妻」には出て来ないが、これは池内氏が「『ヴィヨンの妻』はモデル小説である」として、詩人矢野目源一(1896.11.30〜1970.10.12)をモデルとして指摘する、その矢野目氏について吉行淳之介(1924.4.13〜1994.7.26)が目撃した行状が、蝙蝠安みたいだった、と言うのである。
とにかく「解説」も含めて映画「ヴィヨンの妻」の副読本というべき作りなのである。そして、この同時刊行の「太宰治映画化原作コレクション」の2冊で、没後100年の節目に公開された映画化作品は網羅されていることになる訳だ。
奥付の前の頁に底本(ちくま文庫『太宰治全集』)と差別的表現についての文春文庫編集部の断り書。目録「文春文庫/小説」8頁、①とは別内容、最後の「文春文庫 最新刊」は①に同じ。