瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

壺井栄『二十四の瞳』の文庫本(5)

 10月8日付(4)の続き。
 角川文庫2094(五十八版)と角川文庫14733(改版初版)について、最後に本体を比較して置く。
 1頁(頁付)扉は番号が違うのみ。目次や中扉はなく3頁から本文。角川文庫2094は1頁18行・1行42字で212頁まで。角川文庫14733は1頁17行・1行37字で242頁まで。
 章題は3字下げで一回り大きい活字。前後1行ずつ空ける。「一」の前のみ2行空ける。参考までに位置を示しておく。

章題 五十八版 改版初版
一 小石先生 3頁1行め〜23頁8行め 3頁1行め〜26頁5行め
二 魔法の橋 23頁9行め〜42頁13行め 26頁6行め〜48頁5行め
三 米五ン合豆一升 42頁14行め〜66頁15行め 48頁6行め〜75頁12行め
四 わかれ 66頁16行め〜85頁10行め 75頁13行め〜97頁4行め
五 花の絵 85頁11行め〜103頁12行め 97頁5行め〜118頁2行め
六 月夜の蟹*1 103頁13行め〜128頁4行め 118頁3行め〜146頁3行め
七 羽ばたき 128頁5行め〜148頁10行め 146頁4行め〜169頁12行め
八 七重八重 148頁11行め〜167頁5行め 169頁13行め〜191頁4行め
九 泣きみそ先生 167頁6行め〜187頁7行め 191頁5行め〜214頁6行め
十 ある晴れた日に 187頁8行め〜212頁(3行め) 214頁7行め〜242頁(12行め)

 ついで「解説」213〜218頁→243〜249頁で最後に「窪川鶴次郎」とある。窪川鶴次郎(1903.2.25〜1974.6.15)は佐多稲子(1904.6.1〜1998.10.12)の夫だった人物で、昨日取り上げた『くれなゐ』も単行本は窪川稲子の名義で出している。
 ともに1頁空けて五十八版は220頁に略伝、頁付があるのはここまで。改版初版にも組み方が違うが同文の略伝があるが頁付はない。五十八版は次に奥付、改版初版は奥付の前に「本書は『壺井栄全集』(筑摩書房)のを底本とし、旧字体新字体に、旧仮名づかいを/新仮名づかいに改めました。」1行空けて「不適切と思われる語句や表現」についての断り書が3行あって、末尾に(編集部)とある。五十八版にはない。
 奥付の裏、角川原義「角川文庫発刊に際して」は同じ大きさだが、改版初版の方が文字が濃い。最後に2頁目録があって、五十八版は「角川文庫 最新刊」1頁10点で頁付は(49)と(50)。改版初版は「角川文庫ベストセラー」で1頁に7点。頁付はない。

*1:ルビ「かに」。