瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

夏目漱石『それから』の文庫本(6)

・角川文庫321(6)
 8月16日付(1)に貼って置いた、10月28日付「夏目漱石『こゝろ』の文庫本(2)」で触れた角川文庫13391『こゝろ』改版十八版と同じ画風のカバーの掛かった『それから』はまだ見る機会を得ないが、もう1種類カバーを見たので、それをここに紹介して置きたい。尤も、全くその存在が想定されなかったものではない。
・平成十三年六月三十日改版六十五版発行(335頁)定価380円
 8月16日付(1)及び8月17日付(2)に示したように、この前後の改版五十七版(定価379円)及び改版六十八版・改版七十一版(定価400円)、それからAmazon詳細ページのなか見!検索にある改版六十九版(定価380円)が「わたせせいぞう」のカバーだったのだが、この改版六十五版は3月22日付「夏目漱石『坊っちゃん』の文庫本(05)」に貼った『行人』と、4月8日付「夏目漱石『吾輩は猫である』の文庫本(02)」に貼った『吾輩は猫である』と同じレイアウトである。今のところ。いつ変わるか分からないが。
 カバー表紙折返しの写真と著者紹介文は改版五十七版・改版六十九版に同じ。下部には何も印刷されていない。
 カバー背表紙は最上部にQRコードのある型で、以下「|な|1-6|Y380|」と続く。
 カバー背表紙折返しは10月27日付「夏目漱石『こゝろ』の文庫本(1)」で触れた角川文庫235『こゝろ』一八八版に同じ。
 カバー裏表紙は改版六十九版に一致する。すなわち中央の紹介文は改版五十七版とも一致している。
 奥付、それぞれの発行日の他、「電話〈編集部/営業部〉」となっているのは改版五十七版に同じだが、前者の下4桁が「八四五一」だったのが「八五五五」に変わり、またその上の4桁が双方とも「三八一七」から改版六十五版は「三二三八」に変わっている。
 その次に改版六十五版は7桁の「〒」番号と12桁の「振替」番号をそれぞれ1行ずつ示すが、改版五十七版は「〒一〇二 振替東京③一九二〇八」と1行に収めている。
 匡郭内の最後が「定価はカバーに表示してあります」となっているのも改版五十七版に同じだ(改版六十九版では匡郭の左辺の外下寄りにある)が、その前の「落丁・乱丁本」の送付先が改版五十七版「小社角川ブック・サービス宛に」になっていたのが「小社営業部受注センター読者係に」(改版六十九版は「角川グループ受注センター読者係に」)になっている。匡郭下辺の外左寄りにあった改版五十七版の「な 1-7」という分類番号の誤りだが、改版六十五版の段階で「な 1-6」に訂正されていた。
 奥付の裏は「角川文庫発刊に際して」、その後に1頁7点の「角川文庫ベストセラー」が14頁ある。なか見!検索では表示されない頁もあるが、改版六十九版のそれと一致しているようだ。

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 映画「それから」関連のカバーは8月19日付(3)に改版三十四版を挙げて置いたが、椣平夢若のブログ「BEAT-MANgus(食い散らかし記)」の2011-02-19「文豪ジャケ・・・角川のそれから」に、別の写真を使用したカバーが挙がっていた。未見。