瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

芥川龍之介『羅生門』の文庫本(10)

・角川文庫45『羅生門・鼻・芋粥』(4)
 一昨日からの続きで、角川文庫45【改版四十三版】(314頁)・角川文庫7499【再版】【十七版】(213頁)・角川文庫14718(251頁)の本体の比較、「解説」について。
 角川文庫45【改版四十三版】277〜292頁・角川文庫7499の190〜205頁・角川文庫14718の220〜239頁「解説」が、吉田精一芥川龍之介――人と作品」と三好行雄「作品解説」から成るのは同じ。
 吉田氏の文章(角川文庫45【改版四十三版】277〜285頁・角川文庫7499の190〜198頁・角川文庫14718の220〜230頁)には異同はないらしく、組み方が同じ角川文庫45【改版四十三版】と角川文庫7499の1頁め、277頁=190頁は一致する。但し2・3・5・8・9頁めに全く同じものが使用されている図版が、奇数頁と偶数頁の違いで挿入位置が動いているため、本文の組み方にもズレが生じている。キャプションは図版の下に横組み。すなわち、2頁め「河童の絵」278頁右上=191頁左上、3頁め「実母フクと幼年時代/の芥川」279頁左上=192頁右上、5頁め(281頁=194頁)下「大正5年,東大在学中『新思潮』同人たちと(左より,/久米正雄,松岡譲,芥川,成瀬正一)」、8頁め「大正14年夏,長男比呂志と」284頁右上=197頁左上、9頁め「「侏儒の言葉」原稿」285頁左下=198頁右下。この図版の移動に影響されない箇所は一致、280頁7〜17行め=193頁6〜16行めの2段落、281頁6〜17行め=194頁4〜15行め、282頁4行め〜283頁(18行め)=195頁3行め〜196頁17行め、284頁14〜15行め=197頁7〜8行め、285頁8行め=198頁13行め。結果的に9頁めの18行めまでで収まっている。角川文庫14718は組み方が違うのでこのような比較は出来ない(230頁3行めまで、以下余白)が、221頁左上「河童の絵」、223頁左上「幼年時代の芥川と実母フク」、225頁上「大正5年、東大在学中『新思潮』の同人たちと/(左より、久米正雄、松岡譲、芥川、成瀬正一)」の3図は大きさも同じ、227頁左上「大正14年夏、長男比呂志と」と229頁左上「「侏儒の言葉」原稿」の2図は若干拡大されている。
 次の三好氏の文章(角川文庫45【改版四十三版】286〜292頁・角川文庫7499の199〜205頁・角川文庫14718の231〜239頁)には図版の挿入はないが、平成元年(1989)角川文庫7499への〈改編〉時に没していた吉田精一(1908.11.12〜1984.6.9)の文章が、内容的にも改編には関係しないためそのまま流用されたのに対し、存命であった三好行雄(1926.1.2〜1990.5.20)は作品数を減らしたのに伴う書換えを行った他にも、改編に関係しない箇所にも細々と手を加えている。(以下続稿)