瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

森鴎外『青年』の文庫本(4)

新潮文庫49(4)
 昨日の続きで、本体の異同について。
 「文字づかいについて」は②六十三刷にあったものを若干書き改めたものが③の諸刷には入る。2011年3月20日付「森鴎外『雁』の文庫本(5)」で見た、新潮文庫46『雁』六十一刷と九十三刷の異同に同じ。1行空けて、

 本書は旧仮名づかいで書かれていたものを前記の方針により、現代仮名づかいに改めた。
 第六項に該当する語は次のようなものである。


 1行空けて、1段5点、3段で15点の例を挙げる。右の引用とこれら実例は②③一致。
 目録、奥付の前に「新潮文庫最新刊」が3頁あるのは同じ、その前が③七十刷から九十二刷は2頁、②六十三刷は既に6月7日付(2)で見たように5頁ある。1頁めは、カバー裏表紙折返しにある本書を除く森鴎外4点、1つめ「雁」は③八十一刷までは「がん」を振仮名にしていたが、八十六刷以下は「雁 (がん)」としている。4つめの振仮名「さんしようだゆう」は変わらず。5つめ②六十三刷③七十刷・七十三刷・八十一刷は山崎正和『鴎外 闘う家長』、八十六刷・八十七刷・九十刷・九十二刷は森茉莉恋人たちの森』、6つめ②六十三刷は森茉莉『甘い蜜の部屋』③七十刷は夏目漱石三四郎』七十三刷・八十一刷・八十六刷・八十七刷・九十刷・九十二刷は森茉莉『私の美の世界』、2頁めは七十刷から九十二刷まで一致。
 奥付、②六十三刷と③はレイアウトは同じ、異同、それぞれの発行日が違うのはもちろんだが、それ以外は、まず②六十三刷「草20=2」が③七十刷以降は「も‐1‐2」となっている。発行者は③八十一刷までは佐藤亮一、八十六刷は佐藤隆信になっている。郵便番号、③八十一刷までは「郵便番号 一六二」、八十六刷は7桁になっている。電話、②六十三刷、③七十刷・七十三刷〈業務部/編集部〉の2行だったのが、八十一刷〈営業部/編集部〉で、七十三刷の番号の市外局番(〇三)の次に「三」が入った番号で、編集部は同じ、業務部が営業部に変わっている。八十六刷になると〈編集部/読者係〉で編集部はそのまま、読者係は八十一刷の営業部に同じ。③八十一刷まで「振替東京四―八〇八番」、八十六刷「振  替  〇〇一四〇―五―八〇八」。「乱丁・落丁本」の送り先、②六十三刷から③七十刷・七十三刷「小社通信係宛」、八十一刷以降は「小社読者係宛」。②六十三刷は「○ 印刷・錦明印刷株式会社 製本・錦明印刷株式会社」○の中に「光」、であったが③七十刷は「印刷・二光印刷株式会社 製本・加藤製本株式会社」、以降は「印刷」は同じ、「製本」は八十一刷以降は「製本・株式会社植木製本所」となっている。その下、②六十三刷は「© Shinchôsha 1948 Printed in Japan」であったが③七十刷以降は「Printed in Japan」だけになっている。
 ③八十七刷は振替番号のあったところが空白となっている他は八十六刷に一致。九十刷はこの空白となったところにHPアドレスが入っている。九十二刷はISBNコードがカバー裏表紙と同じ13桁になっている他は九十刷に一致。(以下続稿)