2013年11月22日付「赤いマント(32)」に、国語学者大野晋(1919.8.23〜2008.7.14)の回想を引きました。その時期について、大野氏の伝記は差し当たり川村二郎『孤高』を参照したのでしたが、269〜270頁「あとがき」に、270頁3〜4行め「‥‥。前半部分の記述で大野さんの自著『日本語と/私』(新潮文庫)に助けられたことを記しておく。」とありますので、図書館の新潮文庫の棚に探したところ、大野氏の著書は次の5冊が並んでいました。
・新潮文庫1725『日本語の年輪』昭和四十一年五月十日発行・平成六年九月二十日四十八刷・定価350円・241頁
・新潮文庫1725『日本語の年輪』昭和四十一年五月十日発行・平成十二年六月五日五十三刷改版・平成十九年八月十日五十六刷・定価438円・296頁
- 作者: 大野晋
- 出版社/メーカー: 新潮社
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・新潮文庫6664『日本人の神』平成十三年五月一日発行・定価400円・212頁
- 作者: 大野晋
- 出版社/メーカー: 新潮社
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- 作者: 大野晋
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- 作者: 大野晋
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カバー表紙については書影の通りで、共通項はありません。
カバー背表紙上部に標題、中央やや下に著者名「大野 晋」が明朝体で入っているのは共通です。標題の「日本語の年輪」は改版が僅かに大きく見えますがほぼ同じ大きさ、「日本人の神」と「日本語と私」は字間を少し開けて「日本語の年輪」の5字半分に入れています。「日本語の水脈」はゴシック体で小さく副題を入れて著者名との間が半角分くらいしか残らなくなっており、標題も「日本語の年輪」の5字分強に詰められています。
著者名の大きさと位置は同じです。
下部にゴシック体で「[お 11 ×]新潮文庫」とあるのも共通で、×のところ『日本語の年輪』は「1」、『日本人の神』は「2」、『日本語の水脈』は「3」、『日本語と私』は「4」です。
そのすぐ下、最下部に定価が算用数字で入っているのですが、『日本語の年輪』四十八刷は白地で以上の文字は全て黒で分類番号の枠も角切長方形を黒の線で描いており、最下部もそのまま白地で「360」に太い下線。『日本語の年輪』改版以下4冊は紫地で標題・著者名・文庫名は白抜き、分類番号は白く抜いてその中に黒、そして最下部のみ黒地でゴシック体白抜きで、順に「\438/\400/\438/\476」とあります。
カバー表紙折返し、『日本語の年輪』四十八刷は右下に明朝体縦組みで「カバー 前川 直」とあるのみ。『日本語の年輪』改版以下の4点は上部に同じ顔写真と紹介文、これについては大野氏没後に増刷されたものと比較する機会があれば詳しく見て置きましょう。右下に明朝体縦組みで、『日本語の年輪』改版は「カバー 紙舗 直より」、『日本人の神』は「カバー写真 金子親一」、『日本語と私』は「カバー装画 加藤千香子」とあり、『日本語の水脈』には何もありません。
カバー裏表紙折返し、『日本語の年輪』四十八刷は「新潮社の辞典! 」の広告で、2013年3月28日付「「新潮社の辞典!」の広告(4)」で見たものに同じ、左下に小さく明朝体横組みで「カバー印刷 錦明印刷」。『日本語の年輪』改版以下4点は最下部に明朝体横組みで小さく「カバー印刷 錦明印刷 デザイン 新潮社装幀室」。
上部に横組みで、『日本語の年輪』五十六刷は明朝体太字で「|新潮文庫の日本語関連書|」とあって、左に著者名ゴシック体、右に標題は明朝体、間を等しく1字半分空けて著者名は右詰め、標題は左詰めで「井上ひさし 私家版 日本語文法/自家製 文章読本/〈井上ひさしほか著/文学の蔵編〉 井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室*1/江戸屋魚八 魚へん漢字講座/大野 晋 日本語の年輪/金田一春彦 ことばの歳時記/松本 修 全国アホバカ分布考―はるかなる言葉の旅路―*2/森本哲郎 日本語 表と裏/柳田国男 毎日の言葉/米原万里 不実な美女が貞淑な醜女か」の10点。
『日本人の神』以下は横組みで上部に「――――新潮文庫――――/大野晋の本|」とあって、『日本人の神』は「日本語の年輪/日本人の神」の2点、『日本語の水脈』はこれに「日本語の水脈/―日本語の年輪 第二部―」が追加されて3点、『日本語と私』は「日本語と私」が追加されて4点になっています。(以下続稿)