瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

中島京子『小さいおうち』(18)

・後悔する健史(1)
 6月15日付(12)を「反省しない健史」とした。最終章を見ても、健史に反省している風はない。その代わり「後悔」している。

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 先日、職場で年下の女性に『永遠の0』が面白かったと言われた。まだ読んでないし映画も見ていないと答えたら、向井理主演でTVドラマ化されるので見てくれ、と言われて「はぁ」と答えて置いた。

永遠の0 (ゼロ)

永遠の0 (ゼロ)

永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0(1) (アクションコミックス)

永遠の0(1) (アクションコミックス)

永遠の0(2) (アクションコミックス)

永遠の0(2) (アクションコミックス)

永遠の0(3) (アクションコミックス)

永遠の0(3) (アクションコミックス)

永遠の0(4) (アクションコミックス)

永遠の0(4) (アクションコミックス)

永遠の0(5) (アクションコミックス)

永遠の0(5) (アクションコミックス)

永遠の0

永遠の0

 向井氏のTVドラマは来年放映なのか……最近物忘れが激しいので、覚えていられるか……。
 私は世間で評判になるような小説は読まないことにしていたので、芥川賞とか直木賞も読まないから興味もないし、最近は職場と図書館とスーパーと八百屋と家の往来に明け暮れて、本屋に行かないから本屋大賞も分からない。けれども知人に薦められたのを無下にするのもどうかと思って、今日、眠気覚ましにネットで検索して見たら、何と『小さいおうち』と似ている、という指摘が複数なされているのだった。
 死んだ祖父のことを今時の若者である孫が調べる、という『永遠の0』の設定が、死んだ「おばあちゃん」のことを親代わりに育てた甥の息子(妹の孫)が調べる、という『小さいおうち』の設定に似ている、と云うのだ。
 確かに26歳の孫が生前の祖父のことを聞きに関係者を訪ねる、というのは『小さいおうち』最終章に似ている。
 けれども『小さいおうち』は殆どがタキのノートそのままなので、健史が調べて明らかにしたのは、タキが書こうとして果たせなかった、ごく一部であり、事実が少しずつ明らかになって行く謎解きのスリルのようなものには、支配されていない。(以下続稿)