瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

遠藤周作「周作口談」(3)

 前回、『ぐうたら交友記』と改題されて後も本文中の「周作口談」を改めていないことに触れたが、同じ章の冒頭も次のようになっていた。『周作口談』184頁1行め『ぐうたら交友記』単行本217頁1行め・文庫版151頁2行め、

 十五回にわたって連載してきたこの「周作口談」もいよいよ今回が最終回である。‥‥


 こういった辺りに手を入れていないところから、連載をそのまま収録したらしく思われる。

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 単行本『周作口談』はそれぞれの章の扉(頁付なし)の、右上にゴシック体で題、その左に半行分空けて同じ大きさの明朝体の2行で副題、左下部に秋野卓美(1922.8.18生)による、内容に因んだ人物のカット。扉の裏から本文。1頁15行、1行44字。節題は3字下げ2行取り。
 単行本『ぐうたら交友録』は、章の扉(頁付なし)が和田氏によるイラストで、手書きの単郭の上部に、縦書きで章題とその左に1〜2行で副題、下部に内容に因んだ物のカット。裏は白紙でその次の頁から本文でこの頁のみ12行。1頁15行、1行42字。節題は4字下げ3行取り*1
 講談社文庫版『ぐうたら交友録』は、10頁から本文で各章に扉はない。1行めに章題が「 北杜夫氏の巻 世にも不思議な御曹子」と、1字下げでやや大きく題、1字空けて本文の明朝体と同じサイズのゴシック体で副題。節題は4.5字下げ3行取り。1頁19行、1行43字。
 それでは細目を一覧にして示す。①『周作口談』・②『ぐうたら交友録』単行本・③『ぐうたら交友録』講談社文庫版*2

章題 副題
北杜夫氏の巻 世にも不思議な|御曹子 3〜14-11 7〜21-3 10〜19-6
出発のころ 焼け野原の東京/をうごめく 15〜26-10 23〜36-13 20〜29-9
梅崎春生氏の巻 懐しくもヘンテ/コな兄貴*3 27〜38-13 37〜50-11 30〜39-4
三浦朱門氏の巻 この彼にホラは|あり得ない*4 39〜51-4 51〜65-5 40〜49-9
柴田錬三郎氏の巻 錬さんの教えを/守り芥川賞 53〜64-2 67〜80-7 50〜58-13
原民喜氏の巻 あまりに無垢で/哀しい人 65〜76-10 81〜94-13 59〜68-7
安岡章太郎氏の巻 せせら笑う“黄/金賞”の男 77〜89-6 95〜109-4 69〜78-11
吉行淳之介氏の巻 “傘はり浪人”の/面影いずこ 91〜104-2 111〜125-14 79〜89-3
村松剛氏の巻 会津の若様”に|コロリと参る 105〜116-10 127〜140-12 90〜99-5
亀井勝一郎氏の巻 自分の弱さを叱/咤し続ける 117〜128-13 141〜154-9 100〜109-5
阿川弘之氏の巻 狂の字がつくア/ンパン坊や 129〜141-8 155〜169-5 110〜119-13
近藤啓太郎氏の巻 泣く子とこの男/には勝てぬ 143〜155-9 171〜185-9 120〜130-2
女優さんたちの巻 誰も見てない素/顔が見たい 157〜169-2 187〜200-13 131〜140-8
瀬戸内晴美氏の巻 アネゴ肌のさえ/ずり姉さん 171〜182-10 201〜214-8 141〜150-3
狐狸庵山人の巻 好奇心旺盛な意/地悪爺さん 183〜194-6 215〜228-3 151〜159-13

 副題は『周作口談』の改行位置を「/」で示し、講談社版『ぐうたら交友録』単行本の改行位置と合致しているところは「|」で示した。講談社文庫版は改行なし。
 目次には副題は示されていない。(以下続稿)

*1:9月25日追記】本書のみ「現代の快人物」と抱き合わせていない。奥付と目録については9月25日付「講談社版「遠藤周作の本」の目録(1)」に示した。

*2:2023年12月21日追記】①②③の頁・行の前に「|3〜14-11」の如く「|」と縦棒を入れていたのを削除した。これは「はてなダイアリー」では縦罫が見づらかったので「|」を縦罫代わりに入れていたのである。

*3:文庫版「懐かしくも‥‥」。

*4:『ぐうたら交友録』単行本は「この彼に ホラは/‥‥」となっている。