昨日の続きで、本体について。
単行本『周作口談』は口絵に続いて目次が4頁(頁付なし)あって、1頁めは中央やや上に大きく1行「周作口談/目次」とあり、2頁め1行めにやや大きく「周 作 口 談」、2行めに2字下げ(1行め「作」と同じ高さ)で「北杜夫氏の巻」とあり、11字分空けて「3」と頁が入る。同様にして3頁め3行めまで合計15題。3頁め4行め「現代の快人物」も5行めから4頁3行めまで合計12人。半行分空けて「跋」さらに半行分空けて下詰めで小さく「装丁 原 弘/挿画 秋野卓美」とある。
1頁(頁付なし)は「周 作 口 談」の扉、195頁(頁付なし)は「現 代 の 快 人 物」の扉、ともに裏は白紙。
333頁「跋」は、11行めに3字下げで「戊申中秋の秋」12行めに24字下げで「日念暮亭主人識 」とある歴史的仮名遣いで一部本字の戯文で、本書の成立を説明するものではない*1。
単行本『ぐうたら交友録』は黄土色の見返し遊紙に続いてアート紙の、和田誠(1936.4.10生)の手になる扉があって裏は白、表は白地に赤で印刷、横書きで上部に「遠 藤 周 作」中央やや上に太鼓橋型に標題、その下に何だか歪んだ老人が2人、カバー表紙の老人と同じ服装だがトゥイードルダムとトゥイードルディー(Tweedledum and Tweedledee)みたいに太って、肩を組んでいる。最下部中央にゴシック体横組み「講談社」。1頁(頁付なし)は目次の扉で中央上に「ぐうたら交友録・目次」とある。2頁(頁付なし)に8題、3頁(頁付なし)に7題、例として2頁1〜2行めを抜いて見よう。4頁(頁付なし)には前回触れた。
北杜夫氏の巻……………………………………7
出発のころ ………………………………………23
5頁(頁付なし)は中扉で「ぐうたら交友録」、裏は白紙。
最後の228頁の4行めに下寄せで「(『周作口談』改題)」とあって、由来についてそれ以上の説明はない。「現代の快人物」は収録されていない。
講談社文庫『ぐうたら交友録』の1頁(頁付なし)は講談社文庫の扉で、横組みで上部に松ぼっくりみたいなマークと「講談社文庫」、中央上部に「ぐうたら交友録/狐狸庵閑話」標題は明朝体、副題はゴシック体、少し空けてゴシック体で小さく「遠藤周作」、下部中央に明朝体で「講談社」。匡郭(12.1×8.0cm)は左右が単辺、上下は双辺。裏は白紙、3頁(頁付なし)1行めに2字半下げで「目 次」2行め「ぐうたら交友録」続いて7題、4頁(頁付なし)に8題。5頁(頁付なし)1行め「現代の快人物」で続いて7人、6頁(頁付なし)に8人、すなわち『周作口談』よりも3人多い。9行めに1字下げでやや小さく「解 説」下部に「三浦朱門 二八九」頁の数字は半角。
7頁(頁付なし)中扉「ぐうたら交友録 狐狸庵閑話II」裏は白紙、9頁(頁付なし)は「ぐうたら交友録」の扉。161頁(頁付なし)は「現代の快人物」の扉。288頁「〈掲載誌・発表年月一覧〉」に初めて、以下のように初出が示される。
してみると「現代の快人物」は『周作口談』の通り12人であったので、その後3人増補されたのであるらしい。但し今回の私の作業の目的は「周作口談」の確認にあるので、「現代の快人物」のことは別にまとめることにしたい。
さて、この文庫版にも159頁14行めに下詰めで「(『周作口談』改題)」とあるのみで、もともと「周作口談」と題したことは289〜301頁、三浦朱門「雲谷斎狐狸庵山人の生いたち――解 説」にも説明がない。尤も、改題について触れているのはその直前、最後の段落が次のようになっているためである。『周作口談』194頁6行め・『ぐうたら交友録』単行本228頁3行め・文庫版159頁13行めに、
それではこの回をもって周作口談を終る。また機会あらば再びお目にかからん。
とあるからで、文庫版のみ「「周作口談」」と鍵括弧で括っている。(以下続稿)