瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

遠藤周作『落第坊主の履歴書』(1)

・文春文庫(1)
・1993年2月10日第1刷(237頁)定価388円
・1994年10月5日第2刷 定価400円*1
 本書は2014年8月19日付「遠藤周作『作家の日記』(2)」に取り上げたことがある。
 カバー表紙は一致。
 カバー背表紙、地色は第1刷アクアマリン色、第2刷は群青色。但し褪色があるかも知れない。上部に大きく標題、中央に著者名が明朝体白抜きで入る。下部、長方形(1.7×0.6cm)に白く抜いて[え 1 10]とあってその下に小さく白抜きで「文春文庫」と白抜きの文春文庫のマーク、ゴシック体白抜き「400」ここまでは一致。第1刷はその下には何もないが、第2刷はその下に明朝体白抜き横並びで「+税」が追加されている。
 カバー裏表紙は白地で文字は全て横組み、左上のバーコード1つめ「9784167120108」は一致、2つめ第1刷「1910195004006」、第2刷「1920195004005」。右上の横線(4.5cm)2本に挟まれた間(5.0cm)に明朝体10行(1行15字)の紹介文は一致。

天下の狐狸庵先生も、かつては落/ちこぼれだった。映画館通いに明/け暮れて成績低迷。高校受験は浪/人三年目にして滑り込みセーフ。/そして家出、文学熱中……。少年/は世間の枠にとことん収まらない/自分を持て余しながら、しかし自/分の内なる熱には忠実に生きた。/狐狸庵の失敗談、愚行譚、交友録/を一挙公開。解説・さくらももこ


 その下に長方形(0.3×1.5cm)があって[え 1  10]、その下に文春文庫のマークと「文春文庫」。マークの左、バーコードの下に3行、1行めの「ISBN4-16-712010-0」は一致、2行め第1刷「C0195 P400E」第2刷「C0195 \400E」、3行めゴシック体で第1刷「定価400円(本体388円)」第2刷「定価(400円+税)」。下部は余白。
 カバー表紙折返しは白地、文字は横組みで、ゴシック体で「|著者紹介|」とあって、以下は明朝体で著者名は太字、

遠藤周作(えんどう・しゅうさく)
大正12(1923)年、東京に生れる。/満州大連、神戸で幼少年期をおく/り、カトリックの洗礼を受けた。/慶応義塾大学文学部在学中より文/学活動を始め、フランス留学後の/昭和30年、「白い人」で第33回芥川/

とここまでは一致。以下第1刷は、

賞を受ける。以後、日本人の“罪/の意識”を問う、キリスト教作家/としての著作を数多く世に出す。/また、おもしろくてためになる"狐/狸庵""ぐうたら"の異名エッセイ・/シリーズも多くの読者に迎えられ/ている。

となっている。二重引用符(“ ”)閉じは全角・半角ともに下にあるが再現できなかったので仮に上に付した。
 第2刷は二重引用符の処理は同じだが、大幅に書き換えられ、、

賞を受ける。以後、「海と毒薬」「沈/黙」「侍」「スキャンダル」と次々に/問題作を発表する一方、"狐狸庵シ/リーズ”と呼ばれるユーモア小/説・エッセイで多くの読者をつか/む。平成5年、遠藤文学の集大成/ともいえる「深い河」を上梓、映/画化もされて話題を呼ぶ。平成7/年、文化勲章を受ける。平成8年/9月歿。

となっている。第2刷は平成6年(1994)10月刊のはずがそれ以降のことが追加されていることから、私の見た第2刷には少なくとも2年後のカバーが掛かっていることになる。
 カバー裏表紙折返し、やはり文字は横組みで上部に「|文春文庫|遠藤周作の本|」とあって、第1刷には9点「それ行け狐狸庵/小説身上相談/ウスバかげろう日記 狐狸庵ぶらぶら節/足のむくまま/     気のむくまま 狐狸庵風来帖/心の夜想曲*2/ピアノ協奏曲二十一番/その夜のコニヤック/春は馬車に乗って/落第坊主の履歴書」。私の見た第2刷は18点20冊「それ行け狐狸庵/小説身上相談/足のむくまま 気のむくまま/狐狸庵風来帖/ピアノ協奏曲二十一番/その夜のコニヤック/春は馬車に乗って/落第坊主の履歴書/変るものと変らぬもの/生き上手 死に上手/男の一生 (上)(下)狐狸庵対談 快女・快男・怪話/心の砂時計/たかだ信長 されど信長/イエス巡礼/心の航海図/「深い河」をさぐる/女 (上)(下)遠藤周作のすべて(文藝春秋編)」とある。

遠藤周作のすべて (文春文庫)

遠藤周作のすべて (文春文庫)

 最後に挙がっている文藝春秋編『遠藤周作のすべて』が平成10年(1998)4月刊なので、私の見た第2刷は刊行より3年半は後のカバーが掛かっていることになる。
 本体の異同は、まず奥付の第1刷の発行日の下の余白に第2刷発行日が入っていることと、「発行者」が第1刷「新 井 信」が第2刷「堤  堯」となっていること。奥付の裏の[文春文庫 最新刊]が第1刷は12点12冊、第2刷は14点14冊。文字は明朝体縦組み。第1刷の上段5つめの枠が本書で、上部に大きく「落第坊主の履歴書/    遠藤周作」とあり、下部に4行(1行10字)の紹介文に、

天下の狐狸庵もかつて/は落ちこぼれだった!/読めば元気百倍のジグ/ザグ青春物語(解説・さくらももこ)

とある。

*1:後述するように私の見た第2刷に掛かっているカバーは後年のもので、定価は奥付の標題の右に小さく「定価はカバーに/表示してあります」とあるように本体には示されていないので、第2刷が初めから税抜400円であったかどうかは疑問がある。

*2:ルビ「ノクターン」。