瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山中恒『なんだかへんて子』(3)

 5月29日付(1)の続き。
 15刷(新選創作どうわ10)と20刷(山中恒みんなの童話3)を比較して見る。
 なお、20刷と21刷のカバーは一致、本体の異同は奥付の発行年月「1985年5月 20刷」「1986年1月 21刷」のみである。
 本体、見返しは黄色で遊び紙の裏面は白。
 1頁(頁付なし)扉、新選創作どうわ10はアート紙にカラー印刷、背景は水色で上部に、白で縁取りした横書きの手書きの青文字で「なんだか/へんて子」とあり、この標題の背後のみ白雲のように少し白くしてある。右下に明朝体白抜き横組みで「山中  恒  長尾 みのる」とある。中央左に開脚して逆立ちするへんて子で黄色のセーターに茶色の長ズボン、紙はぼさぼさで頬は赤く白い歯を見せる。その右やや下に主人公の少年が足を伸ばして座り、半袖のTシャツに緑に茶色の縦線の入った長ズボン、頬は赤く鼻もやや赤い。2人の下には青でぼんやりした影がある。山中恒みんなの童話3はアート紙ではなくなっている。新たに書き直されたもので文字の配置や絵は似せてある。背景は何も印刷せず、標題は黒で縁取った淡い橙色、右下に黒の明朝体で「山中  恒  長尾 みのる」とある。2人の姿勢は同じだが細部が異なる。へんて子の頬には色がなくなり、ズボンは茶色、セーターは濃い橙色で、指が両手とも3本しか描かれていなかったのが右手が5本、左手が4本になっている。少年はやや淡い橙色の半袖Tシャツに灰色に黒の縦線の長ズボン、左手の指が4本しか描かれていなかったのが5本になっている。標題の背景の白雲(?)と2人の影は描かれていない。
 2頁(頁付なし)は白紙。
 3頁(頁付なし)上部は同じ、下部の単色の絵も同じだが新選創作どうわ10は赤、山中恒みんなの童話3は橙色で刷られている。
 4〜5頁(頁付なし)見開きの「もくじ」で、後で示すように11の章のうち、9章めまでの頁が一致しない。下部の単色の絵も同じだが新選創作どうわ10は青、山中恒みんなの童話3は橙色で刷られている。
 6頁(頁付なし)は右下に横組みで小さく、「筆 者 紹 介」がある。ゴシック体の行は同じように見えるが、明朝体の行は新選創作どうわ10は詰まっており、山中恒みんなの童話3は余裕がある。
 前者にはこの上に、右側に八の字眉のへんて子の顔が赤で刷られているが、後者にはない。紹介文は前者では

著者 山中 恒*1
1931年北海道小樽市に生まれる。小学/中級向けの作品として『いたずらいっ/ぱい』『泣こうかとぼうか』『おばけの/うた』『となりのゴッペ』などがある。/現在は六月新社同人として月刊〈児童/図書〉館の刊行に協力している。
住所 東京都町田市原町田2―■―1
 
画家 長尾みのる*2
1929年東京に生まれる。早稲田大学工/芸美術研究所にまなぶ。雑誌・単行本/などのイラストで活躍する一方,『ソン/ブレロは風まかせ』『地球のうら側へ/いったぼく』ほか多数の著書がある。
住所 東京都目黒区中町1―■―14

となっていたのが、後者は

著者 山中 恒*3
1931年北海道小樽市に生まれる。小学/中級向けの作品として「山中恒みんな/の童話」(『おとうさん×先生=タヌキ』/『あばれんまとおひなさま』など全八/巻),中高学年向きに「山中恒児童よみ/もの選集」(全十五巻)などがある。
住所 神奈川県藤沢市鵠沼松ヶ岡  /            ■‐■‐■
 
画家 長尾みのる*4
1929年東京に生まれる。早稲田大学(旧)/工芸美術研究所に学ぶ。イラストレー/ターとして新聞・雑誌を中心に活躍し/ている。児童書に『なんだかへんて子』/『クラマはかせのなぜ』など多数ある。
住所 東京都杉並区西荻西■‐■‐■

となっている。2人ともこの間に転居したようだ。なお「山中恒みんなの童話」は奥付裏の広告には全10点になっている。(以下続稿)

*1:ルビ「やまなか ひさし」。

*2:ルビ「ながお」。

*3:ルビ「やまなか ひさし」。

*4:ルビ「ながお」。