瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

山中恒『なんだかへんて子』(07)

偕成社文庫2082(1)
 2刷は未見だが初版第1刷を2冊、3刷を3冊見た。
 初版第1刷は厚さが1.6cmあるが、3刷は1.2cmである。初版第1刷の本文用紙はアドニスラフで30年以上経た現在、藁半紙のような色になっている。3刷は上質紙で白くて滑らかで薄い。但し裏写りする。
 ここまではまづ初版第1刷の、昭和60年(1985)4月13日の映画『さびしんぼう』公開に合わせて刊行された当初のカバー*1と、平成元年(1989)4月1日の消費税導入後のカバーを比較して置こう。前者を仮に映画カバー、後者を仮に消費税カバーと呼ぶことにする。
 カバー背表紙、最上部が「|」赤(0.3cm)白(0.1cm)橙色(0.6cm)の帯状になっているのは共通。次いで白地にゴシック体太字で標題、始まる位置(橙色より0.4cm下)は同じだが、映画カバーは標題に6.2cm、消費税カバーは6.9cm使っており、標題「なんだか へんて子」の中途の空白も映画カバーは半角分もないが、消費税カバーは全角分に近い空白である。下部、映画カバーは1字分空けて上下が半円形の黄色(9.4×1.5cm)に、まづ、青で、下に「SABISHINBOW 」のロゴを伴ったボサボサの髪に帽子、白塗り垂れ目メイクの「さびしんぼう」の似顔イラスト、ゴシック体で「東宝映画」、手書き風のタイトル「しんぼう」「」は赤で縁取り、但し私の見た本ではここに分類ラベルが貼付されているので「んぼう」は見えない。最下部に「作」とあってその上に恐らく「原」が分類ラベルに隠れている。消費税カバーは2字半(2.0cm)空けて単行本(山中恒みんなの童話3)背表紙下部にあったへんて子のイラストを縮小して挿入し、その下に明朝体太字で「山中 恒」、1.8cm空けてゴシック体横並びで小さく「偕成社/文 庫/2082」とある。すなわち映画カバーのカバー背表紙には著者名と文庫レーベル名が示されていない。
 なお、本体の背表紙は最上部にゴシック体太字で「なんだかへんて子」とあり、カバーと同じ位置に同じ字体で「山中 恒」及び「偕成社/文 庫/2082」とあり、著者名の上に橙色の円に黒で蝸牛に乗った人を描いたマークがある。
 カバー表紙、消費税カバーは5月29日付(01)に示した書影に同じ。映画カバーは縮こまるように体育座りして揃えた膝の上に顎を乗せた「さびしんぼう」の白塗りの顔を左前方から捉えた写真で、コール天のズボンに茶色のセーター、最上部右寄りに黄緑色のゴシック体太字横組みで「なんだか へんて子」と標題、その下に濃灰色の長方形(0.5×7.7cm)に明朝体で白抜き、左に「山中 恒=作」右にやや小さく「大林宣彦=解説」とある。右下に30度の角度で右上がりの黄色(2.6cm)縹色(1.4cm)の帯状(上辺11.2cm)に、黄色地のところに大きく「映画 しんぼう原作 」手書き風のタイトル「」は赤で縁取り、縹色地には黄色の明朝体斜体で「大林宣彦監督作品!! 」感嘆符は強く傾く。次いで白線の枠(0.8×3.2cm)の上辺を1.6cm切ってゴシック体桃色斜体で「東宝映画」枠内に同じく「尾道三部作・完結編」とある。
 カバー裏表紙、映画カバーはヒロキと百合子が漁港の祠の前に別れの言葉を交わす場面の写真(10.1×13.6cm)があって上(4.9cm)と下(3.2cm)は白地、上にある枠は黄色地で枠線は桃色、上部に中央揃えで「ISBN4-03-550820-9 C8393 \450E/定価=450」その下の濃い黄緑色の円に蝸牛に乗る人のマーク。下にある「偕成社文庫2082」の枠は水色地に桃色の枠線。
 消費税カバー、上部にある枠は黄色地で青の枠線、上部に中央揃えで「ISBN4-03-550820-9 C8393 P470E/定価=470(本体456円・税14円)」その下の橙色の円に蝸牛に乗る人のマーク。イラストは山中恒みんなの童話3のカバー裏表紙に同じ、絵柄は6月18日付(06)に述べたが、主人公の母親の持つ箒の先が上の枠に入り込んでいる。下部にある枠は黄緑色地に青の枠線。
 カバー裏表紙折返し、映画カバーは左にカバー裏表紙の写真が食い込んでいる(先に示した寸法はその分も含む)他は余白。消費税カバーは左0.9cmは裏表紙からの続きの赤地で、残りは白地、白地の左端下寄りに明朝体縦組みで小さく1行「カバー絵/長尾みのる」とある。
 カバー表紙折返し、映画カバーは中央やや上に黄色の長方形(8.7×4.9cm)に黒のゴシック体及び明朝体の縦組みで、

ヒロキは勉強が大きらい
それでママにおこられてばかりいます
そんなある日 ヒロキのまえに
へんてこな女の子が現われ 大騒動
ヒロキ以上にオテンバ
その子の正体は?

とあったが、消費税カバーは白地(右0.6cmは表紙の続きの赤地)に縹色で

ヒロキは勉強が大きらい
それで ママにおこられてばかりいます
そんなある日 ヒロキのまえに
へんてこな女の子があらわれ 大騒動
ヒロキもあきれるほどオテンバな
その子の正体は?

となっている。(以下続稿)

*1:私の見た、このカバーの掛かった本には「60,9, 26」の受入印がある。